鉄鉱山があるからキールナの街が存在する。
街のどこからでもキールナ山が露天掘りしていた頃の段々の斜面が見える↓
夜はその上にオーロラが輝いたりもする↓※二日目の夜の写真より
しかし、2004年にLKAB国営鉄鉱山会社はとんでもない発表をした。
「鉱脈を追って掘られている坑道が街の直下に至っており、このままでは町が崩落する」
街の中心部をそっくり移転させるという大計画が動き出した。
小松がはじめてやってきた2008年にその話をきいていた。
九年後の今日、どこまで事態が動いているのか知りたい。
★鉱山と町のジオラマがLKABの事務所にあった↓これを見るとどのような位置関係にあるかがひと目でわかる↓
赤い線で区切られたエリアは2033年までに陥没する危険があるとされるエリア。
右の湖は陥没の危険を減らすために鉱山に近い部分を排水・水を抜いてしまった。
**
11月6日朝、キールナ駅に到着した我々は、まず市庁舎へ↓上の写真の赤いエリア内にある四角い建物である。
シンプルだが温かみのある美しい建築。内部も美術館のようだ↓レンガはオランダ制手作りだそうな
広い中庭をとりまくように上階のバルコニーが配置されている↓町の人たちが集まることが出来る場所
美術館というものがないので、市庁舎がその役割も兼ねているのだと説明されて納得した。
ロダンぽい胸像も↓これはキールナにとって大事な人物
「これはHjalmar Luncbohm(ヤルマル・ルンドボーム)というLKAB(国営鉱山会社)の初代所長で、キールナの町の創立者として敬愛されている人なんです」
なるほど。この市庁舎を丹念に見ていけば、キールナの歴史も理解できる場所になっている。
市議会もこの建物にある↓
サーメ(スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、ロシアにまたがった北極圏に住む民族)の作家が制作した、サーメ人の世界観を表した木彫↓
↑中央には聖なる白いトナカイ。その左にノイデン(サーメの人々のシャーマン)がいる↑
市庁舎の扉も同じ作家がトナカイの骨や角を使って製作したものだった↓
もともとこの北極圏はサーメの人々の土地だったのである。
1964年に建設され、町の人々に愛されてきた市庁舎。かつて時計塔があった時代の写真をガイドさんが見せてくださる↓
★この建物は移転しない・取り壊されることが決まっている
いちばん印象的な・町のシンボルでもあった時計塔だけが、新市庁舎へ移築されるのですでに取り外されている↓
↑なんだか、羽をもがれてしまった鳥のようではないかしらん↑
出発前に見つけていたキールナ新市庁舎の完成予想図↓右の方に確かにあの時計塔が描かれている↓
なかなか良い感じの建物じゃないですか↓ホンモノ、見られますか?とガイドさんにリクエストした。
「外観は完成しているので、バスで出来るだけ近くに行って見てもらいましょう」
ドライバーさんも意図をくんで立ち入り禁止ぎりぎりのところで止まってくれた。
新キールナ市の完成予定地図の中心にも描かれていた↓放射状の道の真ん中にある円筒形の建物がそれ↓
バスが倉庫エリアを走る。視界が開けたところに、建物が見えてきた↓
・・・なんだか・・・とても寂しい建物に見えるのはお天気のせいでしょうか・・・
来年の秋にはオープンということだが、周囲は視界がひらけるほどに何もない。倉庫が点在しているだけ↓
次にキールナにきたときには(いつ?)賑やかな町の中心になっていますように
***
市庁舎とちがって、そのまま新しい街まで運ばれることになったのが丘の上の教会だ↓
鐘楼が印象的なかたち↓
教会本体もバランスがとれた木造建築↓
1912年に完成している↓
祭壇には聖人の像ではなく、緑美しい風景画。
「パラダイスへの道」という題なのだそうだ。エウシェン(ドイツ語ならオイゲン・フランス語ならウージェーヌ)公爵が描いたと説明された↓
調べてみると、彼はスェーデン国王の王子の一人。ノルウェー(当時はスェーデン領だった)の自然を好み、独特の自然を描くスタイルを持っている人物だった。
この建物によく合っている。
天井までひらけた空間は、市庁舎とともに人々が集まれそうな場所だ↓
この建物、はじめは移動させるのは難しいと判断されていた。
だが、2001年には「スウェーデンで国民に最も愛される建物」にも選ばれているので↓※切手にもなったんですね↓
結局そのまま新しい街に移送させると決定されたのだそうな。
今度は丘の上というわけにはいかないようだが、まずは、よかった。
****
ホテルに行く前にスーパーによることにする。
ガイドさん曰く、「社会党系スーパー(COOP)と、資本主義系スーパー(ICA)がある」のだそうな。
キールナ市民には政治意識が強い人もいて、どちらかにしか行かないと決めているのにびっくりしたと話していた。
本日、社会主義系へ向かう。単にバスが止めやすかったから(笑)↓
ワンちゃん、雪の中で退屈そうに待っている。うれしそうにしっぽふってくれました↓
品物は充実している。安くはないけれど↓
こんなクリスマス用のコーラ?みたいなのありました。味は、ドクターペッパーに似ているかな↓
*****
さぁ、ホテルにチェックイン。コテージタイプになっていて、オーロラ観測には最適↓
中にはキッチンもあるので、明日はここでお料理しよう↓
今日はホテルのダイニングにて↓
このホテルのダイニングは評判良いのです。アラカルトにて。
★前菜
選択肢①キノコのスープ↓飾られている花びらも食べられます
選択肢②魚のカルパッチョサラダ・・・とメニューに表記されていたのだが↓
いちばん目立つのはいろとりどりのビート↑スモークした白身魚は時々見つかるぐらい小さくまぶしてある。
ビートのサラダとしておいしくいただきました。
★メインコース
選択肢①
Arctic Char=「いわな」のグリルポテト添え↓
選択肢②ムース肉↓薄切りにして巻いてある
選択肢③ビーフ・フィレ肉↓
選択肢④ベジタリアン↓かぼちゃ、根菜類をバルサミコソースで
★デザートはちょっとずつ分けました↓
北極圏でも、ちゃんと場所を選んで、相応の予算をかければ、豪華でなくても十分にじゅうぶんにおいしい食事が楽しめます(^.^)
レストランにかかっていた一枚の絵が目に留まった↓
昼間に訪れた市庁舎が描かれている。まだ、あの時計塔も乗っている↓
この風景も、人々の記憶の中のものになってしまうのか
街のどこからでもキールナ山が露天掘りしていた頃の段々の斜面が見える↓
夜はその上にオーロラが輝いたりもする↓※二日目の夜の写真より
しかし、2004年にLKAB国営鉄鉱山会社はとんでもない発表をした。
「鉱脈を追って掘られている坑道が街の直下に至っており、このままでは町が崩落する」
街の中心部をそっくり移転させるという大計画が動き出した。
小松がはじめてやってきた2008年にその話をきいていた。
九年後の今日、どこまで事態が動いているのか知りたい。
★鉱山と町のジオラマがLKABの事務所にあった↓これを見るとどのような位置関係にあるかがひと目でわかる↓
赤い線で区切られたエリアは2033年までに陥没する危険があるとされるエリア。
右の湖は陥没の危険を減らすために鉱山に近い部分を排水・水を抜いてしまった。
**
11月6日朝、キールナ駅に到着した我々は、まず市庁舎へ↓上の写真の赤いエリア内にある四角い建物である。
シンプルだが温かみのある美しい建築。内部も美術館のようだ↓レンガはオランダ制手作りだそうな
広い中庭をとりまくように上階のバルコニーが配置されている↓町の人たちが集まることが出来る場所
美術館というものがないので、市庁舎がその役割も兼ねているのだと説明されて納得した。
ロダンぽい胸像も↓これはキールナにとって大事な人物
「これはHjalmar Luncbohm(ヤルマル・ルンドボーム)というLKAB(国営鉱山会社)の初代所長で、キールナの町の創立者として敬愛されている人なんです」
なるほど。この市庁舎を丹念に見ていけば、キールナの歴史も理解できる場所になっている。
市議会もこの建物にある↓
サーメ(スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、ロシアにまたがった北極圏に住む民族)の作家が制作した、サーメ人の世界観を表した木彫↓
↑中央には聖なる白いトナカイ。その左にノイデン(サーメの人々のシャーマン)がいる↑
市庁舎の扉も同じ作家がトナカイの骨や角を使って製作したものだった↓
もともとこの北極圏はサーメの人々の土地だったのである。
1964年に建設され、町の人々に愛されてきた市庁舎。かつて時計塔があった時代の写真をガイドさんが見せてくださる↓
★この建物は移転しない・取り壊されることが決まっている
いちばん印象的な・町のシンボルでもあった時計塔だけが、新市庁舎へ移築されるのですでに取り外されている↓
↑なんだか、羽をもがれてしまった鳥のようではないかしらん↑
出発前に見つけていたキールナ新市庁舎の完成予想図↓右の方に確かにあの時計塔が描かれている↓
なかなか良い感じの建物じゃないですか↓ホンモノ、見られますか?とガイドさんにリクエストした。
「外観は完成しているので、バスで出来るだけ近くに行って見てもらいましょう」
ドライバーさんも意図をくんで立ち入り禁止ぎりぎりのところで止まってくれた。
新キールナ市の完成予定地図の中心にも描かれていた↓放射状の道の真ん中にある円筒形の建物がそれ↓
バスが倉庫エリアを走る。視界が開けたところに、建物が見えてきた↓
・・・なんだか・・・とても寂しい建物に見えるのはお天気のせいでしょうか・・・
来年の秋にはオープンということだが、周囲は視界がひらけるほどに何もない。倉庫が点在しているだけ↓
次にキールナにきたときには(いつ?)賑やかな町の中心になっていますように
***
市庁舎とちがって、そのまま新しい街まで運ばれることになったのが丘の上の教会だ↓
鐘楼が印象的なかたち↓
教会本体もバランスがとれた木造建築↓
1912年に完成している↓
祭壇には聖人の像ではなく、緑美しい風景画。
「パラダイスへの道」という題なのだそうだ。エウシェン(ドイツ語ならオイゲン・フランス語ならウージェーヌ)公爵が描いたと説明された↓
調べてみると、彼はスェーデン国王の王子の一人。ノルウェー(当時はスェーデン領だった)の自然を好み、独特の自然を描くスタイルを持っている人物だった。
この建物によく合っている。
天井までひらけた空間は、市庁舎とともに人々が集まれそうな場所だ↓
この建物、はじめは移動させるのは難しいと判断されていた。
だが、2001年には「スウェーデンで国民に最も愛される建物」にも選ばれているので↓※切手にもなったんですね↓
結局そのまま新しい街に移送させると決定されたのだそうな。
今度は丘の上というわけにはいかないようだが、まずは、よかった。
****
ホテルに行く前にスーパーによることにする。
ガイドさん曰く、「社会党系スーパー(COOP)と、資本主義系スーパー(ICA)がある」のだそうな。
キールナ市民には政治意識が強い人もいて、どちらかにしか行かないと決めているのにびっくりしたと話していた。
本日、社会主義系へ向かう。単にバスが止めやすかったから(笑)↓
ワンちゃん、雪の中で退屈そうに待っている。うれしそうにしっぽふってくれました↓
品物は充実している。安くはないけれど↓
こんなクリスマス用のコーラ?みたいなのありました。味は、ドクターペッパーに似ているかな↓
*****
さぁ、ホテルにチェックイン。コテージタイプになっていて、オーロラ観測には最適↓
中にはキッチンもあるので、明日はここでお料理しよう↓
今日はホテルのダイニングにて↓
このホテルのダイニングは評判良いのです。アラカルトにて。
★前菜
選択肢①キノコのスープ↓飾られている花びらも食べられます
選択肢②魚のカルパッチョサラダ・・・とメニューに表記されていたのだが↓
いちばん目立つのはいろとりどりのビート↑スモークした白身魚は時々見つかるぐらい小さくまぶしてある。
ビートのサラダとしておいしくいただきました。
★メインコース
選択肢①
Arctic Char=「いわな」のグリルポテト添え↓
選択肢②ムース肉↓薄切りにして巻いてある
選択肢③ビーフ・フィレ肉↓
選択肢④ベジタリアン↓かぼちゃ、根菜類をバルサミコソースで
★デザートはちょっとずつ分けました↓
北極圏でも、ちゃんと場所を選んで、相応の予算をかければ、豪華でなくても十分にじゅうぶんにおいしい食事が楽しめます(^.^)
レストランにかかっていた一枚の絵が目に留まった↓
昼間に訪れた市庁舎が描かれている。まだ、あの時計塔も乗っている↓
この風景も、人々の記憶の中のものになってしまうのか