旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

マルセイユの旧港をちょっと歩く

2021-01-20 09:49:45 | フランス
2002、2013年南フランスの旅よりフランス第三の都市、第一の港街。
ローマ以前から二千五百年にわたり繁栄してきた。
その中心、旧港を大勢の人が歩く休日の夕方。

↑遠くの山にノートルダム・ドゥ・ラ・ガルド大聖堂。
1852年に建設がスタートし、1864年に未完のまま教会として使われはじめた。パリをはじめフランスの都市が大改造されていた時期になる。

マルセイユの街に入ってくるときによく目立つ。

歴史ある大都市なのだけれど、日本のグループがマルセイユをゆっくり観光することは少ない。

街の様子を見ていると、そのわけがだんだんわかってくる。

最初にマルセイユを訪れた二十年以上前、あの大聖堂に入った↓

※堂内には航海の安全を祈願する絵がたくさん飾られていた
教会を出て坂道を歩いていると突然、山側の生垣を飛び越えて現れた男が、小松のとなりにいた人のカバンをひったくって風のように海側に飛んでいった。三秒もなかった。飛んでゆく男の背中をあっけにとられて見送った。

教会の高台からはマルセイユの港↓手前のヨットがたくさん停泊しているあたりが冒頭の写真を撮った旧港↓

デュマが「モンテクリスト伯」の舞台に選んだ監獄の島=イフ島もはっきり見える↓

1524にフランソワ一世がマルセイユ港を護る砦として岩礁の上に建てさせたというから、東京湾のお台場のような場所か。
16世紀末には監獄となり、フランス革命後も同じ目的で使われていた。
↑今は観光船で訪れることができる。

2002年に訪れた旧港ではとれたての魚を売っていた


こういう魚の出汁をつかうのが「ブイヤーベース」。

観光雑誌でエビや魚がごっちゃり写っているのは「ブイヤーベース」をつくったあとの殻。
食べるべきはこのスープそのもの。
ニンニクマヨネーズソース(みたいな独特のソース)をつけたパンを浸して、チーズをいっぱいかけて味わうのです(^.^)



十年後の2013年に旧港を訪れると、巨大な鏡の屋根が出現していた↓

建築家でアーティストでもあるノーマン・フォスターの「オンブラジェール(日陰?)」という作品だった。

六メートルの高さに、幅22m×長さ48mのステンレススチール製一枚鏡を設置。

あとから知ったのだが、この年マルセイユは「ヨーロッパ文化首都」に選ばれ、その記念として、我々が訪れるたった二日前に序幕されたばかりだった。

予約されていたレストランが旧港の近くで、終わってから夜景を見られたのはよかったけれど、バスが止めてあるところまで歩くのが心配だったっけ。
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マルセイユに入ってくるときに↓てっきりローマ時代のものだと思った凱旋門↓

1784年にアメリカ独立戦争の勝利を祝ってルイ16世時代に建設がはじまったものだそうだ。
※フランスは宿敵イギリスの力を弱めるためにアメリカ植民地の独立運動を当初から支援していた
実際に完成したのは1839年。当初の目的とはぜんぜん違うモニュメントとしてここにある。

***

2013年マルセイユ新市街のホテルに泊まった朝。

休日で「のみの市」がホテルの前で店をひろげはじめた。

バスのいちばん前の席でみていると、
証券取引所の工事用幕がすばらしいだまし絵になっていてびっくり!
コメント
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