くもり 寒い
紀伊長島出身
黒潮を体に宿した男に
ラーメンをごちそうになった
用水路
畑
道行く人が私に言う
①年配女性
「大阪でな、息子が、32歳で社長してる」
私答える
「そうですか。すごい」
②自転車の年配男性
まず道路を
ものすごい勢いで
サイレンを鳴らしながら
パトカーが突っ走る
すると年配男性は私の前で
自転車を停め
胸のあたりを抑えて
私を見る
「どうしたんですか」
と私は目で言う
「あの(サイレンの)音で胸が痛くなる」
「え」
「昔、世話になったでよ(警察に。おそらく長く拘留されたよう)」
「そうですか」
みんな楽しい。
この裏町は、
雑である
そして
肉の匂いがする
人間臭くて
楽しい。