安倍首相は5月27日、イタリアでのG7サミット出席を終え、タオルミナ近郊のホテルで記者会見した。
北朝鮮の脅威に対し、新型ミサイル迎撃システムの配備などによって防衛力強化を図る考えを示した。
「厳しくなった安全保障環境を考慮し、日本人の命、安全を守る」と述べた。
テロとの戦いのため「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案について「確実に成立を期す」と強調した。
新たな防衛策は地上配備型イージスシステム「イージス・アショア」が念頭にあるとみられる。
北朝鮮に関して「日米で防衛体制と能力向上を図ることで合意した」と言明。
イージス艦を現在の6隻から8隻態勢へ増強することに関し「実現を急ぐ」とした。
来年度で期限となる中期防衛力整備計画の改定に合わせ、体制強化を進める考えを示した。
北朝鮮の核・ミサイル開発について「放置すれば、安全保障上の脅威が伝染病のように広がる危険性を帯びている」と指摘。
開発阻止に向け「中国やロシアの協力が不可欠だ。 結束と行動を呼び掛けたい」と語った。
共謀罪法案について「必要な国内法整備と国際組織犯罪防止条約の締結は、テロ対策の取り組みを強化する上で極めて重要だ」とも述べた。
G7サミットに関し「テロとの戦いなど世界の課題に強い結束を改めて確認できた」と話した。
世界に広がる保護主義の動きを巡っては「自由貿易の旗手としてリーダーシップを発揮したい。 不平等の問題にも対処していく」とした。