衛星利用測位システム(GPS)機器や居場所が分かるスマートフォンアプリの悪用を禁じた改正ストーカー規制法が5月18日、衆院本会議で可決、成立した。
デジタル機器やインターネットを使い巧妙化する手口の摘発が強化される。
改正は3回目で、8月にも全面施行の見通し。
警察庁によると、GPS機器は、相手の承諾なく車や持ち物へ取り付けるだけで違反となる。
位置情報の取得は、居場所が分かるスマホのアプリも対象にした。
被害者の住居や勤務先を主な規制場所としていた見張りや押し掛け行為は、会員制交流サイト(SNS)の書き込みなどから動向が特定されるケースが相次いだため、被害者の行動先にも拡大。
他に、手紙など文書の連続的な送り付けもメールと同様に規制する。
禁止命令は、書類交付が必要だったが、受領拒否や住居に帰らないストーカーもいることから、郵送や都道府県公安委員会の掲示板張り出しなどでも有効した。
罰則は最大で懲役2年以下または200万円以下の罰金。
GPSで監視する手口は、昨年7月に最高裁が「見張り行為」に当たらないとの判断を示し、摘発が難しい状態が続いていた。
警察庁は同10月から有識者検討会を開催。
1999年に埼玉県で起きた桶川ストーカー事件で長女猪野詩織さんを殺害された父憲一さんも議論に参加し、検討会は今年1月に規制強化を求める報告書をまとめた。
(ポイント)
- 相手の承諾なく、衛星利用測位システム(GPS)機器を取り付ける行為を規制
- 位置情報の取得は、居場所が分かるスマートフォンのアプリ悪用も対象
- 見張りや押し掛け行為の対象を、被害者の行動先にも拡大
- メール送信に加え手紙など文書の連続送付を規制
- 禁止命令は、書類の郵送や掲示板への張り出しで有効
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