踊る小児科医のblog

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アスベスト禍報道と受動喫煙被害の深刻さ

2005年07月04日 | 禁煙・防煙
ここ1~2週間で各地のアスベスト工場における死亡者が報道されていますが、2004年12月23日にクローズアップ現代の特集をみて書いた「アスベスト 広がる被害 遅れた対策」に「患者はこれから40年で10万人にのぼると見られている」とあるように、表に出ていなかったものがまとめて報道されただけで、まだまだこの深刻な問題は続くものと思われます。

「タバコ問題との対比で受動喫煙はアスベストの10倍も危険という話をすることがある」とも書きましたが、この場合はアスベスト住宅に住む危険性が10万人あたり数百人というレベルで、日常的な受動喫煙の10万人あたり5000人が死亡(毎年2万人)することの方が数倍~10倍も危険であるという意味です。ここで報道されているのはアスベスト工場の労働者ですから、住宅とは格段の危険性と判断した方がいいのでしょう。いずれにせよ、アスベスト禍の報道の中で、タバコという日常的に被曝する猛毒が何の規制も受けずに放置され売られ続けていることに、多くの人が気づいて欲しいと思います。

アスベスト被害者に対しては、十分な対応をしていただくしかないわけですが、まずは実態の把握を望みたいと思います。