踊る小児科医のblog

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日本は自殺率ワースト10、青森は国内ワースト2

2005年07月17日 | こども・小児科
16日の朝日新聞「私の視点」に高橋祥友氏(防衛医大教授・精神科医)の「自殺予防対策-心の病 対処法の普及急げ」が掲載されています。

そこに引用されている自殺率の国際比較(WHO調べ。グラフのカッコ内は調査年次。数字は10万人あたりの自殺者数)が掲載されていたので、同じものをこちらでもグラフ化してみました。これをみておわかりいただけるように、日本は世界で10番目に自殺率が高く、それより上位(下位?)には旧ソ連・東欧諸国がずらりと並んでいます。お隣さんの韓国・中国だけでなく、米国の2倍以上も高い自殺率であることに、ちょっとしたショックを受けました。「心の健康対策にテコ入れを」(2005年2月27日 東奥日報社説)には「〇二年の夏、横浜市で開かれた第十二回世界精神医学会の推計では、日本の実質自殺率は世界でワーストワンというものだった」との記載もあります。

自殺率

もう一つ「最近の自殺者数の推移」のグラフも掲載されていて、ここには載せませんが、一目瞭然で1997年から98年にかけてそれまでの2万2000~3000人から一気に8000人も増加し、その後3万人台で高値安定しています。よく言われているような小泉内閣になってからではなく、その前のちょうど山一に始まる金融危機の年に一致しています。

ちなみに青森県は秋田県に次いで国内で2番目に自殺率が高く、県でも自殺対策に本腰をいれているのですが、お隣の秋田県では数年にわたる対策がようやく効を奏しつつあるところのようで、青森県ではまだまだこれからというところです。自殺で残された遺族の心のケアも深刻な問題で、いずれも私自身何も踏み込めていない(とてもできそうにない)領域ですが、県立精神保健福祉センター・渡邉直樹所長の話をうかがう機会をつくろうかという話は出ています。(未定)

県内/自殺 その周辺(東奥日報)