踊る小児科医のblog

青森県八戸市 くば小児科クリニック 感染症 予防接種 禁煙 核燃・原発

脳死女性から赤ちゃん誕生へ

2005年07月09日 | こども・小児科
臓器移植法の改正について少し前に書きましたが、郵政民営化法案のドタバタに隠れてその後どうなったのか聞こえてきません(河野太郎氏のメルマガにも載っていないので、今後審議される予定なのかもしれません)。下記のニュースは脳死女性からの出産についてで、以前にも同じような例はありました。「5月7日に17週だった」ということは、単純にカレンダーをめくって数えてみると今は26週、できればもう少し引っぱりたいところでしょうが、今月中旬というと27週前後か。いずれにせよ、脳死体と判定された肉体から赤ちゃんが生まれるということは、いくら生命誕生の神秘とはいえ、多くの方に納得してもらうのは難しいだろうと思います。非常に例外的なケースではありますが、まさか脳死判定基準に妊娠反応と超音波検査を加えて妊娠の有無を確かめるというわけにもいかないでしょう。(もしかしたらルチーンでやっているかも)

関連ページ:
修正後の臓器移植法改正案は「二つの死」から抜け出せたか [?こども・小児科?]?/?2005年05月25日
臓器移植法改正案の修正作業を注視していく [?こども・小児科?]?/?2005年04月21日

脳死出産:がんの米女性、「時間との闘い」に支援広がる
 妊娠早期に脳腫瘍(しゅよう)のため脳死と診断された米バージニア州の女性(26)とその家族に支援の動きが広がっている。赤ちゃんを出産させようと夫らは人工呼吸器装着の継続を決断したが、がんは肺などに転移しており、子宮に広がる前に胎児が十分に発育できるか「時間との闘い」になっているためだ。
 女児とみられる胎児は今のところ元気な様子で、医師団は今月中旬にも人工的に出産させる計画。米メディアの報道で苦渋の選択を知った内外の人々からは、これまでに計30万ドル(約3400万円)の寄付が家族に寄せられたという。
 支援団体や報道によると、女性はワクチン研究者のスーザン・トレスさん。妊娠17週だった5月7日に自宅で突然倒れ、呼吸が停止。極めて悪性度の高いがんの一種メラノーマが脳に広がり、脳死になった。病院は赤ちゃんが母体外で生きられるほどに育つまでを目標に集中治療室でのケアを続けている。