踊る小児科医のblog

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「流行爆発の瀬戸際」アジア・太平洋地域エイズ国際会議で議論されたこと

2005年07月05日 | こども・小児科
「流行爆発の瀬戸際」「アジアの危機的状況を知らせるチャンス」
「国のトップがリーダーシップを発揮することが必要だ」
「会議の終了とともに戦いを始めなければならない」
アジア・太平洋地域で
2010年には感染者が推定1780万人
04年の時点で感染者は全世界の21%を占める
04年の感染者は820万人
新規感染者は世界の24%を占める
年間死者は54万人
ARTを受けている感染者はタイでは44% 中国は7% インドは4%などと低い。
中国は2010年に感染者が1000万人を突破するとの予測もある。
2010年までの5年間に少なく見積もっても新たに1200万人が感染
適切な予防対策が浸透すれば、半数の600万人に抑えられる
対策を進めると
10年時点で感染者は1020万人に抑えられると推定
10年時点の年間新規感染者は220万人から60万人に、
死者は100万人から60万に減らすことができる
(1)低いコンドーム使用率(2)男女間の不平等(3)麻薬、性産業の存在
エイズ遺児、アジア・太平洋地域で150万人
子供自身がHIV(エイズウイルス)に感染しているケースが12万1000人
1年間に4万7000人が新たに感染
エイズ孤児が多いのはインド、タイ、カンボジア、ミャンマー
親が感染している子供が350万人
インドでどちらかの親を亡くした子供3500万人のうち、約35人に1人(100万人程度)はエイズが親の死亡原因
2005年末までに発展途上国の感染者300万人に抗ウイルス薬治療(ART)を実施する目標が事実上断念
「160万人は達成し、近い時期に300万人に到達できるだろう」
「数年以内と言わず、数カ月以内に達成できるよう努力する」
「政治的意欲さえあれば10年までに達成できるだろう」
アジア・太平洋地域で予防対策は成功しているとは言えず、現状のままでは近く、感染者数が最も多いアフリカを超える可能性がある
「予防と治療の両輪を進めていく必要がある」
同地域で治療が必要なのに受けていない感染者は約100万人
「インドが最も多いが、抗ウイルス薬治療(ART)の普及が遅れている」
治療薬が依然として高価で、目標達成に向けての大きな課題
日本の感染者数は現在、約1万2千人
先進国の中で日本が唯一、新規感染者が増加している
「エイズ知識の不足や、感染者が社会的に阻害されている状況をみると、感染の急速な拡大は十分起こりうる」
「ARTによる治療が可能になり、予防対策がおろそかになったのではないか。予防に重点を入れるべきだ」
日本政府が「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」に新たに当面5億ドル(約550億円)の資金拠出を表明
ワクチン開発については、「極めて難しいと思う」
タイでは若者同士が性交渉のリスクや避妊法を教え合う「ピアエデュケーション」が学校や地域で広がり、感染者の激減に貢献
日本では教育現場で性教育がタブー視される傾向なのが現状
日本では「処分を恐れて『コンドーム』も口にできず、避妊教育もままならない」
「教育現場は完全に委縮して、授業として教室では行えない」
エイズウイルス(HIV)感染者と性交渉があっても感染しない人には、DNAの特定領域に共通の特徴がある
22番染色体に、特徴的な並び方の塩基配列の部分がある
感染しない人では免疫を活発化させるタンパク質が普通の人より多く出ている
男性同性愛者の自主的な取り組みを紹介
大阪府内に男性同性愛者が10万―20万人いると推定、19種類のコンドームを作り16万個を配った。
予防方法などを記した冊子を毎月6000部印刷。
99年に特定相手との性交渉で37%だったコンドーム着用率は、04年には51%に上がった。
大阪府によると、04年に報告があった新規感染者105人のうち、同性間の性的接触が86人。
「地域によっては、抗ウイルス薬はぜいたく品で多くの子どもが死んでいる。会議の終了とともに戦いを始めなければならない」
「エイズ感染を個人の責任で終わらせてはいけない」
「開催地の神戸でもエイズへの関心は低かった。活動を継続し、繰り返し理解を訴えたい」