踊る小児科医のblog

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「高校生以下のセックス容認せず」さらに逆行する性教育の流れ

2005年07月15日 | こども・小児科
東京都の(いわゆる)「中学生以下セックス禁止条例」について一言書こうと思って資料は集めておいたのですが(一番下にリストアップしておきます)、今度は中教審で「高校生以下の子どもの性行為を容認するべきではないとする立場で指導することで一致した」という報道です。こちらはさすがに法律や条令で禁止するということではないようですが、様々な問題をはらんでいるように思われます。今のところ報道の範囲でしか情報がないのですが、私たちも八戸市で「いのちをはぐくむ教育アドバイザー」として中学生に講演している関係もあり、無視できない問題です。

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高校生以下セックス認めず 「実態合わない」と批判も 中教審、性教育の基本に
 性教育の在り方を審議している中教審の専門部会が、高校生以下の子どもの性行為を容認するべきではないとする立場で指導することで一致したことが14日、分かった。中教審が子どもの性行為を許容しない基本方針を打ち出すのは初めて。同日の専門部会で、審議経過の概要案を示した。
 文部科学省の学校健康教育課は「性行為を一切禁止するものではないが、性教育をする前提として、性行為を容認しないことを基本スタンスにしたい」としている。
 性教育の専門家らからは「現実の高校生の状況から言えば、性感染症や望まない妊娠を防ぐために、性に関する情報を適切に与えた方が良い」との批判も出ている。
 専門部会は、高校卒業時点で身に付けるべき性に関する知識や考え方を検討。性行為について「子どもたちは社会的責任が取れない存在で、性感染症を防ぐ観点からも容認すべきではない」とした。
 親や恋人との人間関係の理解やコミュニケーションの能力を重視することや、安易に具体的な避妊方法の指導をするべきではないことでも一致した。
 14日の専門部会では「容認すべきではない」との文言に「表現が強すぎる」との意見も出たため、表現をさらに検討する。
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さてと、少し考えてみましょう。ポイントは上記記事の中にも出てきています。

まずはこの「性行動」という問題は、人が生活の中で最もプライベートな領域であり、かつ個人差が非常に大きく、さらに時代、環境、家庭、個人の価値観などによって大きく変わってくる問題であり、法律や条令で規制したり、教科書や指導要領に「何歳まではダメ(裏返せば何歳からはしても良い)」などと線引きしたりすることには馴染まない。
ここを基本としておかないと議論がはじまりません。

その中で、ここ10年間で急激に低年齢化、短期間化、多数化し、避妊なしで、一部に売買春の関与もみられている十代の性行動と、それに伴う望まない妊娠・中絶の増加、性感染症とくにクラミジアやエイズが急増し、ティーンエイジャーの性が特に性風俗産業や出会い系サイトなどにおいて食い物にされているという現実もある。これらの深刻な問題に対して適切かつ緊急の対処が求められている。
ここまでの認識については中教審や東京都とも一致しているはずです。

思春期から大人になっていく過程で、性の問題に限らず自分で考え、判断し、行動していくことが求められるし、それが心身ともに成長するということの本質であるべきです。そのために教育があり、家庭があり、地域社会もある。その中で、心身ともに未熟な中高生に対して保護者や学校、地域社会が指導的、保護的な立場から規制を加えることは当然あって然るべき。特に、中学生のセックスはあらゆる面で望ましくない。

ここで批判的な立場から東京都の委員会報告に目を通してみましたが、何だかここまで書いたことと殆ど一致してしまっているので、しばし考え込む。(長くない資料なのでご一読いただければと思う)

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大人社会は、青少年に対して「自分を大切にしよう、安易な性行動はやめよう」と、大人に対しては「青少年と正面から向き合おう、性行動の低年齢化を食い止めよう」という明確なメッセージを伝えるべきである。
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この結論には全く異議はありません。

しかし、そこで必要になってくるのは正しい知識と判断のための材料を与え、親や教師と子どもとの信頼感を醸成しながら、大人になっていくための手助けをすることであって、「条例による禁止」など絵に描いた餅であり効果がないばかりか弊害も予想されます。(報告書にも両論併記でそのように触れられてはいます)
高校生以下に対して国の機関である中教審が「性行為を容認しない」と断定することもその延長線上にあると言えるでしょう。

ここで絶対的に必要になってくるのは、間違った性知識や性に対する考え方などの情報に接する前に、年齢に応じた適切かつ明確なメッセージを持った性教育を教育現場で行っていくことのはずですが、現状は正反対の方向へ向かい、性教育は大きく後退しようとしています。その最先鋒が東京都の教育委員会であることも承知の事実。小宮山洋子議員のメルマガにも次のような警鐘が鳴らされています。
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また、男女共同参画については、最近、自民党内で、男女共同参画を故意にねじ曲げ、性別をすべて否定しているなどとして、"過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」の安倍晋三座長、山谷えり子事務局長たちが、それこそ過激な活動をしています。
家族を解体し愛国心を否定するものだという、とんでもない言い方で、男女共同参画社会基本法の見直しなども視野に入れているともいわれ看過できない動きになっています。
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要するに、中高生が(遅かれ早かれ)セックスをすることを前提とした性教育(避妊や性感染症)ではなく、性行為をしないことを前提とした上での性教育にしろということでしょう。それは「安易に具体的な避妊方法の指導をするべきではない」などといった部分に露骨にあらわれています。

こういう精神論重視の復古傾向で対応しようとしても、何にもなりません。性感染症の実態や避妊法も含めて全ての事実をきちんと知らせることが第一で、子どもは馬鹿ではありませんから、ちゃんと反応して考えてくれます。基本的に、安倍・山谷復古軍団や都・中教審の委員自身が子どもを理解し育てようとする姿勢や子どもに対する信頼感に欠けており、エイリアンのように恐れているとしか思えません。
先日のエイズ国際会議でも日本の性教育のあり方が厳しく批判されていました。

青森県では、ここ数年の熱心な性教育が奏効して、十代の妊娠中絶が昨年はじめて低下傾向に転じました。この流れを逆行させないことが大切です。

「中学生以下セックス禁止条例」関連:
「青少年の性行動について考える委員会 意見のまとめ」について 平成16年11月15日(東京都)
座談会「中学生以下セックス禁止条例」とは(上記委員会委員からの批判的意見)
中学生はセックス禁止?(ufp ニュース潜望鏡 渋井哲也)
行政の白痴ぶり極まれり! 中学生セックス禁止令ほか 性規制のあきれた現状(岩田智也 サイゾー2004年12月号)
中学生以下のセックス禁止条例、議論は白熱(テクストによる恋愛放談)

ブログだけでなく実力も注目株の「普天王」~祝!二大関連破

2005年07月14日 | SPORTS
スポーツネタなのでこちらに書きますが、別に管理している「翠の風~青森を変えるblog」が入っているアメブロ(メンテするたびに不具合が多くなるという噂も)の超有名サイト、
現役力士「普天王」どすこい大相撲日記

私も1か月くらい前から読者登録をして読んでましたが、今週から名古屋場所が始まり、初めてその相撲をみることができました。(今までにも見たことがあったと思うけど、あまり気にしてなかったので記憶にありません)
初の幕内上位で序盤の星勘定は伸びていませんが、大関初挑戦で魁皇を破り、朝青龍との対戦も立ち合い負けはしたものの力は十分についてきていることを伺わせる相撲でした。

相撲王国と言われるわが青森県ですが、八戸では小中学校に土俵があって相撲部があるところは多くないし、郷土出身力士も若の里、岩木山、高見盛を筆頭に、力はあるけど限界も見えつつある雰囲気。。外国勢中心となりつつある大相撲の中にあって普天王は正統派の日本人力士として有望株のように見受けられます。

場所中も毎日更新されているので応援のしがいがありますね。頑張ってほしいものです。
今日は千代大海戦。立ち合いできっちりぶつかって攻められれば勝機はあるはず。

中高年の日本語力が「やばい」

2005年07月13日 | NEWS / TOPICS
外来語の言い換えや流行語大賞など、言葉の問題には興味があってここでも取り上げてきましたが、まずはこのタイトルからして相当アヤシイ。「日本語力」などという日本語が本当にあるのか。まあ、Googleで検索すれば相当数のページがヒットするし(この表現も何かヘン)、書籍のタイトルなどにも使われているようですが、違和感のある言葉の一つです。(それなら使うなよ)
食育なんてのも造語ですが気持ち悪いですね。

最近の日本語ブームで音読や敬語、漢字、語源などについての興味が高まっていますが、自分の日本語に自信がないという御仁(オジンではなくゴジン)も多いはず。国語世論調査:慣用句は20代以下の方が正しく使う!?などと報道されてしまいましたが、文化庁のページにより詳しい概要が掲載されています。(ついでに昨年の結果も)

平成16年度「国語に関する世論調査」の結果について
平成15年度「国語に関する世論調査」の結果について

私も本や新聞は読んでる方だし、ブログなども書き殴ってはいますが、語彙は不足しているし文章は美しくない。はっきり言って、全然自信がない。。「やばい」かも
間違えやすい日本語(がんばれ凡人)
語源由来辞典
こういうページは大変参考になります。

というわけで、若者言葉の批判などしている場合ではないのだ。
これでいいのだ。(よくないって)

国語世論調査:慣用句は20代以下の方が正しく使う!?
 慣用句の「青田買い」や「汚名返上」を使う際、本来の言い方ではない「青田刈り」「汚名挽回(ばんかい)」を選ぶ人の方が多く、全体の4割近くに上っていることが、文化庁が12日に発表した「国語に関する世論調査」(04年度)で分かった。「やばい」「微妙」という言葉が会話の中で、若者を中心に新たな意味で使われている実態も数字で裏付けられた。
 調査は今年1~2月、全国の16歳以上の男女3000人を対象に無作為に実施し、72.6%に当たる2179人から回答を得た。
 慣用句の言い方では、会社が学生を早めに採用する際の言い方について、本来の「青田買い」を5.1ポイント上回る34.2%が「青田刈り」を選んだ。失敗を巻き返す「汚名返上」も「汚名挽回」を選んだ人が44.1%。いずれも20代以下の方が本来の言い方を選んだ割合が高く、年代が上がるほど逆の結果に。「青田刈り」は50代~60歳以上で11~15ポイント高く、「汚名挽回」では40代~60歳以上で10~16ポイント高かった。
 言葉の意味を問う設問でも「他山の石」「枯れ木も山のにぎわい」で、本来の意味を選ぶ人は3割程度にとどまった。
 最近の会話をめぐっては、「わたし的」を使う割合は5年前より7.1ポイント増の15.6%。「よかったかな、みたいな」と相手の反応を見るような言い方も2ポイント増え、15%に上った。初めて調査した「やばい」は「とてもすばらしい」という意味で使う人が18.2%。本来は、言い表せないような細かい複雑な様子を示す「微妙」を、いいか悪いかの判断がつかないときに使う割合は57.8%で、10代では男女を問わず95%を超えた。不快感などを示す際に「うざい」を使う人は17%だった。
 初めて調査した表記に関する意識では(1)ハガキや手紙のあて名(2)年賀状のあて名(3)ハガキや手紙の本文(4)報告書やリポートの文章--のケースで手書きの有無を尋ねたところ、四つの場合とも「手書き派」が上回り、中でも、(1)と(3)では約4分の3以上の人が手書きをすると答えた。

新聞が苦戦? 情報通信白書にみるインターネットと新聞

2005年07月12日 | NEWS / TOPICS
総務省の「平成17年情報通信に関する現状報告(情報通信白書)」の中で、インターネット利用者が情報収集の目的でテレビ、インターネット、新聞、雑誌・書籍をどのように使っているか調査し、ニュースの収集手段としてテレビがトップを占めた以外は全ての分野でインターネットがトップであり、新聞はニュース、仕事、勉強で3位、趣味や遊び、旅行やお店、生活、健康では最下位だったということについて、「新聞が苦戦」で河北新報Web日誌氏はお嘆きのようです。PDFファイルから問題の部分を切り抜いて画像にしてみました。また、東奥日報天地人氏は、2004年の日本人のインターネット一日平均利用時間は37分で初めて新聞を読む時間(31分)を超え、13歳-19歳はネット利用時間が新聞の5倍近いということにも「ショックを受けた」とのこと。

ただし、Web日誌氏が「地方新聞が持つメディアとしての価値をネット経由で国民に理解してもらう」には「新聞が日々、生み出す大量かつ新鮮な情報をネットに乗せ国民に実感してもらうのが先決」と一応書かれていることからも伺えるように、私たちは情報収集手段として新聞を利用していないわけではなく、むしろ新聞や専門サイトなどのメディアから配給される記事をベースにしてその他の情報を参照している、つまり「ネットで新聞を利用している」のであって、新聞単独で古新聞の山から情報を探し出したりすることは少ないということです。利用時間にしても同じこと。何も嘆く必要は全然ない。

といった現状を踏まえて新聞とネットの今後について望みたいことは、
1)夕刊は不要。速報性の高いニュースはネットやTVをチェックするし、文化的な記事は朝刊に統合すべき。
2)ネット上にはWeb日誌氏が書いているように、ケチくさくニュースをセレクトしたり記事の後半をカットしたりしないで、大量のニュースをリアルタイムに掲載し、検索エンジンで検索されるように長期間保存すること。
3)殆どの人が無視しているが、リンクは各記事ではなくトップページへなどという時代錯誤の要求を取り下げること。
4)著作権については、2)3)の条件がクリアされれば記事保存のために全文引用する必要などなくなるので、現状の主張でもおおむね受容できる。しかし、情報は繰り返し検索され利用されることによって価値が上がるものであり、ネットにも掲載されずに古新聞に消えていく記事は、図書館の肥やしにはなっても私たちには殆ど意味のない「ゴミ」になってしまうことをご理解いただきたい。
5)紙の新聞の利便性や閲覧時の優位性などは今後も変わることはないので、ネット利用と新聞のバランス(購読料や広告料などを含む)について適切なレベルを保ってほしい。

ウミネコの巣立ち

2005年07月11日 | NEWS / TOPICS
蕪島のウミネコ、巣立ちの季節という7月8日付の記事ですが、その前の週の6月26日に種差ウォークの途中で蕪島に登ったときには、この写真のような立派なトリの形はしてなくて、髪の毛もホヤホヤしていて、こちらが近づいてもちゃんと逃げもせず、簡単に蹴っ飛ばせばせそうな姿のヒナがいっぱいいました。(←蹴飛ばしたりはしませんが)

あれが2週間もしないうちに空を飛べるようになるなんて、やっぱりトリなんですね。ちょっとした驚きです。これで、羽毛も生え替わって目つきが悪くなれば立派なウミネコ。「ひなはほとんどが今月中に巣立ちを終え、八月にはロシアのサハリン方面へ飛び立っていく」とのこと。もう一度、観察しておきたいのですが。。

ちなみに私、過去10数回、もしかしたら20回以上蕪島を訪れていますが、フンの被害にあったことなどございません。(車には1回あるが)
傘さして歩いている人の、気がしれません。まあ、アルカイダのテロ被害にあうとか、交通事故や飛行機事故にあう確率よりは高いのかもしれませんが。。
一度行ってみるとわかると思いますが、1人の人が蕪島を周回する時間(そんなに長く居られる場所ではないので大体10分くらい)に、飛んでいるウミネコからフンが落ちてくるのを見かけることは一度あるかないか。それが、狭いとはいえあの蕪島の面積の中でピンポイントでその人に直撃する確率は、天文学的とまでは言いませんが相当に小さいはずです。(それだけウンが良いとも言える)
このまま年老いるまで無被害記録を続けられるか、もし私にもウンが回ってきたら隠さずにご報告いたします。

ウミネコ

杜の都を駆け抜ける仙台国際ハーフ~ワンジル世界歴代2位

2005年07月10日 | SPORTS
先週の札幌から少し南下して仙台国際ハーフマラソン。札幌で国内女子の一線級が出払ってしまい、今回はロルーペとオカヨの一騎打ち、男子は今年仙台育英を卒業したばかりのワンジルが独走で世界歴代2位の記録をうち立てました。仙台国際ハーフが何となく好きでよくみているのは、青葉通りや八幡神社、大学病院前、定禅寺通りといったお馴染みの道をアッという間にかっ飛ばして走り抜けるスピードにあらためて感心させられるからで、できれば大橋からの急な登り坂も上空からだけでなく中継車から放送して欲しかった。記録は上記の公式サイトにもTBCのサイトにも未掲載ですが、優勝したワンジルのタイムは59分42秒と放送されていました。まだ18歳ですが、フルマラソンの挑戦はいつになるのか、楽しみですね。同級生だった佐藤は日本選手権で社会人に惨敗でしたが、こちらはもう少し力をつけて社会人になってからでしょうか(その前に箱根で潰されなければいいのですが)。

次は世界陸上ですが、肝腎の各競技のスケジュールが掲載されていないので予定をたてられません(ヒドイな)。

ところで世界ハーフっていつどこでやるの?

脳死女性から赤ちゃん誕生へ

2005年07月09日 | こども・小児科
臓器移植法の改正について少し前に書きましたが、郵政民営化法案のドタバタに隠れてその後どうなったのか聞こえてきません(河野太郎氏のメルマガにも載っていないので、今後審議される予定なのかもしれません)。下記のニュースは脳死女性からの出産についてで、以前にも同じような例はありました。「5月7日に17週だった」ということは、単純にカレンダーをめくって数えてみると今は26週、できればもう少し引っぱりたいところでしょうが、今月中旬というと27週前後か。いずれにせよ、脳死体と判定された肉体から赤ちゃんが生まれるということは、いくら生命誕生の神秘とはいえ、多くの方に納得してもらうのは難しいだろうと思います。非常に例外的なケースではありますが、まさか脳死判定基準に妊娠反応と超音波検査を加えて妊娠の有無を確かめるというわけにもいかないでしょう。(もしかしたらルチーンでやっているかも)

関連ページ:
修正後の臓器移植法改正案は「二つの死」から抜け出せたか [?こども・小児科?]?/?2005年05月25日
臓器移植法改正案の修正作業を注視していく [?こども・小児科?]?/?2005年04月21日

脳死出産:がんの米女性、「時間との闘い」に支援広がる
 妊娠早期に脳腫瘍(しゅよう)のため脳死と診断された米バージニア州の女性(26)とその家族に支援の動きが広がっている。赤ちゃんを出産させようと夫らは人工呼吸器装着の継続を決断したが、がんは肺などに転移しており、子宮に広がる前に胎児が十分に発育できるか「時間との闘い」になっているためだ。
 女児とみられる胎児は今のところ元気な様子で、医師団は今月中旬にも人工的に出産させる計画。米メディアの報道で苦渋の選択を知った内外の人々からは、これまでに計30万ドル(約3400万円)の寄付が家族に寄せられたという。
 支援団体や報道によると、女性はワクチン研究者のスーザン・トレスさん。妊娠17週だった5月7日に自宅で突然倒れ、呼吸が停止。極めて悪性度の高いがんの一種メラノーマが脳に広がり、脳死になった。病院は赤ちゃんが母体外で生きられるほどに育つまでを目標に集中治療室でのケアを続けている。

夏休み2005 in 八戸

2005年07月08日 | ART / CULTURE
ちょっと気が早いかもしれませんが、他の予定をたてるのに夏休みの予定も一緒に考えておかなくてはいけません。といっても、愛知万博には行けそうにないし、十和田湖ウォークもあるので、例年通り近場で済ませることになりそうな気配。。
以下、いくつかネットから集めてきた情報です。
この他に、七戸の鷹山宇一記念美術館で「手塚治虫の虫眼鏡展」が開催されるはずなのですが、合併に伴い(!)HPが行方不明になっています。ヒドイな。七戸といえばあそこしかないのに、一体全体どういうつもりだろう。

八戸市博物館
特別展 「 戦争と八戸市民~苦難とともに~ 」
 今年は戦後60年になります。
 日本全体が戦争一色に染まっていった時代、一般市民も戦争と無関係ではありませんでした。若者は戦地へ送られ、残った人々も極端な物不足の中で生活し、軍需工場や要塞建設に動員されました。さらに、空襲によって多くの人命が失われました。
 本展では、八戸市民の方々から寄贈された資料を中心に戦争と市民の関わりを紹介します。また、戦後米軍が撮影した映像を通して日本各地の戦後を紹介します。
開催期間 2005/07/09(土)~2005/08/21(日)
入館料 期間中、一般のみ特別料金(50円増額)
開館時間
9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日
・ 月曜日(第一月曜日・祝日の時は開館)
・ 祝日の翌日(土・日曜日の時は開館)
・ 年末年始(12月27日~1月4日)
※ 館内整理のため月末休館の場合があります。

八戸市美術館
『特別展 両洋の眼 2005 ~新美術主義の画家たち~』
   7月29日(金)~8月28日(日)
   ◆9:00~17:00(金曜は20:00まで)
    休館日:8/8,15,22
   ◆入館料
    一 般:500円(250円)
    高・大:300円(150円)
    中学生以下は無料。
休館日
7月/ 11,19,25~28
8月/ 8,15,22,29~9/1

八戸市縄文学習館
開館時間
9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日
・ 月曜日(第一月曜日・祝日の時は開館)
・ 祝日の翌日(土・日曜日の時は開館)
・ 年末年始(12月27日~1月4日)
・ 毎月末日(館内整理日。土・日曜日を除く)
2005/06/04(土)~2005/10/30(日) 洲崎コレクション展
故洲崎憲治氏は、八戸市に住み、考古資料を収集されました。そのコレクションは現在、ご遺族から寄贈を受けて八戸市博物館が保管しています。馬淵川流域の縄文遺跡からの出土品など、貴重な資料を紹介します。
夏休み考古学教室
2005/7/22(金)、7/26(火)、7/27(水)、8/5(金)、8/6(土)の5回連続
夏休み縄文体験コーナー
夏休みの土・日曜日

八戸三社大祭
7月31日~8月4日

「夏!!海フェスタ’05」

ロンドン2005~天国と地獄

2005年07月07日 | NEWS / TOPICS
オリンピック開催決定翌日、国内で開催されているサミットを狙った同時多発テロ。
確かに出来すぎています。当然、サミット開催国としての警備は怠っていなかったはずですが。。
これで7年後のオリンピック開催に直接の影響が出るとは考えられませんが、イラク戦争同盟国である日本、そしてサマワで英軍とともにある自衛隊にも何らかの影響は避けられないところ。
最近、新幹線に乗ってもゴミ箱にゴミを捨てられないので不便に感じていたのですが、そんなこともすぐに解除される見込みは全くない、それどころか、もっと強化されることになるのでしょう。

ロンドン2012~オリンピックの未来は

2005年07月06日 | SPORTS
東京、メキシコ、ミュンヘン、モントリオール、モスクワ、ロス、ソウル、バルセロナ、アトランタ、シドニー、アテネ、さらに北京からロンドンへ。

数々のヒーロー、ヒロインがオリンピックの舞台で輝く姿を世界の人々とともに見届けてきたわけですが、マスコミを筆頭にしたこの狂騒曲がこれからも続くかと思うと、そろそろいいんじゃないのと言いたくもなります。

当然はじまれば見るだろうし、最高の舞台での選手達の新たな輝きを見たいとは思いますが、肥大化し商業化しすぎたオリンピックは、今回の最終候補に欧米の大都市しか残れなかったことが端的に示しているように、必然的に自壊への道を歩まざるを得ないのだろうと思っています。ロンドンがその転換点になるのかどうかはわかりませんが。。

少なくとも、野球やサッカーはオリンピックには不要でしょう。

ロンドンかパリかという争いには、ほとんどの日本人は興味がなかったと思いますが、また真夜中の中継になるから、見ないで済む言い訳にはなりそうです。

「流行爆発の瀬戸際」アジア・太平洋地域エイズ国際会議で議論されたこと

2005年07月05日 | こども・小児科
「流行爆発の瀬戸際」「アジアの危機的状況を知らせるチャンス」
「国のトップがリーダーシップを発揮することが必要だ」
「会議の終了とともに戦いを始めなければならない」
アジア・太平洋地域で
2010年には感染者が推定1780万人
04年の時点で感染者は全世界の21%を占める
04年の感染者は820万人
新規感染者は世界の24%を占める
年間死者は54万人
ARTを受けている感染者はタイでは44% 中国は7% インドは4%などと低い。
中国は2010年に感染者が1000万人を突破するとの予測もある。
2010年までの5年間に少なく見積もっても新たに1200万人が感染
適切な予防対策が浸透すれば、半数の600万人に抑えられる
対策を進めると
10年時点で感染者は1020万人に抑えられると推定
10年時点の年間新規感染者は220万人から60万人に、
死者は100万人から60万に減らすことができる
(1)低いコンドーム使用率(2)男女間の不平等(3)麻薬、性産業の存在
エイズ遺児、アジア・太平洋地域で150万人
子供自身がHIV(エイズウイルス)に感染しているケースが12万1000人
1年間に4万7000人が新たに感染
エイズ孤児が多いのはインド、タイ、カンボジア、ミャンマー
親が感染している子供が350万人
インドでどちらかの親を亡くした子供3500万人のうち、約35人に1人(100万人程度)はエイズが親の死亡原因
2005年末までに発展途上国の感染者300万人に抗ウイルス薬治療(ART)を実施する目標が事実上断念
「160万人は達成し、近い時期に300万人に到達できるだろう」
「数年以内と言わず、数カ月以内に達成できるよう努力する」
「政治的意欲さえあれば10年までに達成できるだろう」
アジア・太平洋地域で予防対策は成功しているとは言えず、現状のままでは近く、感染者数が最も多いアフリカを超える可能性がある
「予防と治療の両輪を進めていく必要がある」
同地域で治療が必要なのに受けていない感染者は約100万人
「インドが最も多いが、抗ウイルス薬治療(ART)の普及が遅れている」
治療薬が依然として高価で、目標達成に向けての大きな課題
日本の感染者数は現在、約1万2千人
先進国の中で日本が唯一、新規感染者が増加している
「エイズ知識の不足や、感染者が社会的に阻害されている状況をみると、感染の急速な拡大は十分起こりうる」
「ARTによる治療が可能になり、予防対策がおろそかになったのではないか。予防に重点を入れるべきだ」
日本政府が「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」に新たに当面5億ドル(約550億円)の資金拠出を表明
ワクチン開発については、「極めて難しいと思う」
タイでは若者同士が性交渉のリスクや避妊法を教え合う「ピアエデュケーション」が学校や地域で広がり、感染者の激減に貢献
日本では教育現場で性教育がタブー視される傾向なのが現状
日本では「処分を恐れて『コンドーム』も口にできず、避妊教育もままならない」
「教育現場は完全に委縮して、授業として教室では行えない」
エイズウイルス(HIV)感染者と性交渉があっても感染しない人には、DNAの特定領域に共通の特徴がある
22番染色体に、特徴的な並び方の塩基配列の部分がある
感染しない人では免疫を活発化させるタンパク質が普通の人より多く出ている
男性同性愛者の自主的な取り組みを紹介
大阪府内に男性同性愛者が10万―20万人いると推定、19種類のコンドームを作り16万個を配った。
予防方法などを記した冊子を毎月6000部印刷。
99年に特定相手との性交渉で37%だったコンドーム着用率は、04年には51%に上がった。
大阪府によると、04年に報告があった新規感染者105人のうち、同性間の性的接触が86人。
「地域によっては、抗ウイルス薬はぜいたく品で多くの子どもが死んでいる。会議の終了とともに戦いを始めなければならない」
「エイズ感染を個人の責任で終わらせてはいけない」
「開催地の神戸でもエイズへの関心は低かった。活動を継続し、繰り返し理解を訴えたい」

アスベスト禍報道と受動喫煙被害の深刻さ

2005年07月04日 | 禁煙・防煙
ここ1~2週間で各地のアスベスト工場における死亡者が報道されていますが、2004年12月23日にクローズアップ現代の特集をみて書いた「アスベスト 広がる被害 遅れた対策」に「患者はこれから40年で10万人にのぼると見られている」とあるように、表に出ていなかったものがまとめて報道されただけで、まだまだこの深刻な問題は続くものと思われます。

「タバコ問題との対比で受動喫煙はアスベストの10倍も危険という話をすることがある」とも書きましたが、この場合はアスベスト住宅に住む危険性が10万人あたり数百人というレベルで、日常的な受動喫煙の10万人あたり5000人が死亡(毎年2万人)することの方が数倍~10倍も危険であるという意味です。ここで報道されているのはアスベスト工場の労働者ですから、住宅とは格段の危険性と判断した方がいいのでしょう。いずれにせよ、アスベスト禍の報道の中で、タバコという日常的に被曝する猛毒が何の規制も受けずに放置され売られ続けていることに、多くの人が気づいて欲しいと思います。

アスベスト被害者に対しては、十分な対応をしていただくしかないわけですが、まずは実態の把握を望みたいと思います。

札幌国際ハーフの野口・岩本の走りと悲惨なテレビ中継

2005年07月03日 | SPORTS
午後ちょっと用事があったので、ビデオに撮っておいた札幌国際ハーフマラソンを夕方ステッパーを踏みながら観戦しました。女子はヌデレバと野口に岩本が絡んで良いレースだったし、早川も終盤頑張って5位に食い込みました。野口はアテネ以来の表舞台だったわけですが、アテネの時のような筋肉ムキムキではなく、調整中の復活レースとしては満点と言えるのでしょう。

しかし毎回のように書いているけど、民放のマラソン中継はひどすぎないか。
坂本もハーフ以上ではアテネ以来のレースだったのに一言も触れられないし、画面にも出てこない(順位的に後ろだったので仕方ない面もあるけど)。その他にも日本のトップクラスの選手が軒並み顔を揃えていたのに、アナウンサーは馬鹿の一つ覚えのように野口とヌデレバの金銀対決の話ばかり。野口の走りを売り物にしたいのはわかるけど、男子トップがゴールした後、日本人男子の情報は何も入ってこないし、肝腎の野口にしても、岩本を引き離した場面やトラックで岩本に抜き返された場面などはことごとく逃している。

海外のマラソン中継などをみると、日本のTV中継は情報も多いし細かい場面まで追っていてやっぱり違うよな、などと錯覚してしまいますが、、

「はっきり言って、下手クソなんじゃないか???」

プロ野球を見てみればわかると思うけど、ランナーを塁においてタイムリーヒットでも飛び出そうものなら、その後のバックホームやバッターランナーの動きまで含めて、数秒間の間に適切な画面を次々と切り替えて番組をつくっているのに。

マラソンでいくら急に動いたとしても、数秒間で抜いたり抜かされたりするわけではなく、何分間も、あるいはそれ以上かかるのが普通なのに、肝腎の主役の最も伝えるべき場面を放送し逃すとは。。

その他にも、レースも中盤に差し掛かってやっとアナウンサーが千葉真子が先頭集団に入っていることに気づく始末。これには呆れてものが言えませんでした。

地方局だから中継車が少ないのは全然構わないのだが、各ポイントや折り返し点での順位や画面など、もっとやりようがあると思うのに。これは他局かもしれないけど、女子バレーの番組づくりをみてもわかるように、視聴者のことを基本的に馬鹿にしてつくっているとしか思えません。

話を戻して、個人的には野口よりも坂本直子がいつ復活してくるか待ち望んでいるのですが、今年の冬まではまだまだかかりそうですね。過去の記録を調べてみると、2001年の全日本実業団ハーフを1.09.27で走っていますから、気象条件や調整・故障などもあったにせよ、1:16:50で31位という成績には、本人もとても満足はできないでしょう。

来週7月10日は、仙台国際ハーフマラソン

男子
1 M・ジョブ・モグス 山梨学院大学 1:01:28
10 E・ワイナイナ コニカミノルタ 1:03:00
11 藤田 敦史 富士通 1:03:00
12 大坪 隆誠 大阪府警 1:03:04
13 尾方 剛 中国電力 1:03:12
15 山本 芳弘 トヨタ紡織 1:03:21
16 大崎 悟史 NTT西日本 1:03:43
17 竹安 昌彦 中電工 1:03:45
18 実井 謙二郎 日清食品 1:03:50
21 V・デリマ ブラジル 1:04:10

女子
1 C・ヌデレバ ケニア 1:09:24
2 岩本 靖代 豊田自動織機 1:09:45
3 野口 みずき グローバリー 1:09:46
4 大島 めぐみ しまむら 1:09:59
5 早川 英里 アミノバイタルAC 1:10:14
6 大南 博美 トヨタ車体 1:10:28
7 八木 洋子 スズキ 1:11:02
8 千葉 真子 豊田自動織機 1:11:10
9 大山 美樹 三井住友海上 1:11:59
10 弘山 晴美 資生堂 1:12:17
16 嶋原 清子 資生堂 1:13:33
25 大南 敬美 トヨタ車体 1:15:20
31 坂本 直子 天満屋 1:16:50

川柳にみるタバコへの誤解と悲哀

2005年07月02日 | 禁煙・防煙
「とうおう世相川柳」のバックナンバーが2002年分からWEBに公開されているので、Googleで「禁煙、喫煙、分煙、タバコ、たばこ」の5つのいずれかが含まれているものを検索してみました(著作権は当然作者と新聞社にありますので、その他の川柳も含めて元サイトをご覧いただきたいと思います)。ネット上に公開されているものを分析・批評して禁煙運動に役立てるためにここに再構成しました。いくつかの真実を突いている鋭い突っ込みもありますが、世間によくみられる誤解や思いこみ、禁煙の難しさを薬物中毒としてではなく個人の悲哀に帰する傾向などが伺えるかと思います。意図がよくわからないものなどもありますが、ここではコメント抜きに掲載させていただきます。今年に入って掲載数が減っているのは、新聞社側で間違いなどに基づいたものは採用しなくなったのか、世間でもそれまでみられた誤解に基づく「常識」が間違いだということが知られるようになったのか、ちょっと分析してみたい気がします。(長くなるので掲載日を省略します)

2002年
■値上げ延び禁煙節酒また延ばす (金木・ポテト)
■喫煙族たまり場みつけホッとする (三沢・久保トク)
■酒たばこ公認されて辞めました (弘前・工藤花板)
■喫煙者禁煙場所ほど吸いたがる (蓬田・高田貴広)
■たばこ吸う娘でもいい嫁不足 (市浦・川口丘子)
■たばこ買うおれは優良納税者 (三戸・ボケ爺)
■酒タバコやめずに元気古希近し (弘前・三浦庄助)
■禁煙に成功の鼻高く見え (弘前・浜ちゃん)
■禁煙の誓い空しく仲間去り (西目屋・田沢つとむ)
■うまそうに吸ってはいない喫煙所 (今別・ハルマヘラ)
■酒も毒タバコ毒でも生きている (田舎館・斉藤浩)
■帰省子が禁煙ガムを噛んで来る (黒石・神賛歌)
■禁煙車ポケの煙草が騒ぎ出し (むつ・野崎一坊)
■酒たばこパチンコやめて平和賞 (鯵ケ沢・田附庄蔵)
■弱り目と祟り目の中酒タバコ (五戸・赤ネクタイ)
■庶民らの小さな楽しみまた砕き (弘前・高橋新一)
■酒タバコ値上げに縮む太鼓腹 (青森・藤田敬子)
■生き甲斐のタバコ発泡酒また値上げ (倉石・本田昭雄)

2003年
■振り袖がくわえタバコで風を切る (尾上・松井呑吐)
■書き初めに禁煙と書く子に慌て (野辺地・かまくら)
■タバコ税払っているのに嫌われる (青森・中村良栄)
■禁煙を心に決めてなめる飴 (むつ・ともころ)
■タバコ好き旅では禁煙車を選び (大間・小林真幸)
■犯人のように見られて吸うたばこ (青森・山上嘉邦)
■分煙も吸わない人は不思議がり (平内・本堂初一)
■禁煙も禁酒も出来ず太鼓腹 (黒石・神賛歌)
■酒タバコ未練残した血糖値 (弘前・丘丁犬)
■酒タバコ次は何からしぼり取る (木造・薩婆訶)
■だらだらと禁煙ガムに金をかけ (弘前・まこと)
■喫煙所探して今日も税払う (むつ・雑種犬)
■タバコやめ食事うまいと三杯目 (青森・研坊)
■禁煙を先生がして生徒吸い (弘前・工藤隆)
■酒タバコパチンコやめて阿弥陀顔 (弘前・義春)
■居酒屋で酒とタバコの税納め (青森・こうき)
■茶髪の娘くわえタバコでメール打ち (浪岡・三橋聖)

2004年
■酒タバコ二十歳になって全部やめ (弘前・田沢妙)
■禁煙で廊下の隅が愚痴仲間 (青森・石井若水)
■書き初めに書いてみました禁煙と (三戸・ボケ爺)
■やめたらと勧めるドクター吸うタバコ (青森・中村良栄)
■禁煙の下に小さくあしたから (青森・ゆみこ)
■あらどちらくわえタバコにイッキ飲み (十和田・保ちゃん)
■まわりの目確かめタバコに点火する (五戸・赤ネクタイ)
■ケータイとくわえタバコで駆けるギャル (青森・夢ー眠)
■昨年もやめると言った禁煙デー (尾上・松井呑吐)
■酒タバコ三日坊主のふがいなさ (弘前・工藤隆)
■禁煙を心に誓い吸うタバコ (五所川原・ぶんこう)
■払っても感謝されないタバコ税 (弘前・高瀬霜石)
■喫煙を祖父の背中で孫おぼえ (三沢・久保滉)
■酒タバコやめて健康狂いだし (黒石・白崎虎生)
■張り紙の禁煙の文字でかすぎる (小泊・永利)

2005年
■酒たばこやめて競輪やりだした (弘前・内海俊治)
■タバコ止め酒まで止めて次は何 (八戸・三浦仁士)
■罪深き人が息する喫煙所 (青森・よしのまち)

全国一律の医師配置標準見直しへ

2005年07月01日 | こども・小児科
産科医引きあげ問題で注目を集めている地方病院の医師不足と、ここ1~2年摘発されて表面化した医師名義貸し問題は根っこは同じで、その一つの解決策として私たちも(県保険医協会を中心として)厚労省に強く働きかけていた配置標準の見直しがやっと実現されることになりました。これまでの医師や看護師が基準に達していなければ診療報酬もペナルティで下げられるというのは、流行目に祟り目というか、負け犬に小便というか、そういった制度だったわけで、これが改善されることは絶対に必要でした。

ただし、これで病院医師の不足や過労問題が解決されるわけではなく、一つには病院間の機能再編、もう一つは医師の絶対数の増加について今後も対策をとっていかなくてはいけません。自治体病院の再編と産科医問題については、下記のページでも触れていました。

関連ページ
十和田でも三沢でもお産ができない(県南の産科医再編問題Part.2)
机上のプランだけでは実現困難な小児科医の配置集約
首長の地域エゴではないのか?-自治体病院再編協議打ち切り
青森県南の公的病院産婦人科、再編へ

配置標準見直し/医師名義貸し是正へ一歩
 地方の実情に合わせて都道府県知事が医師や看護師などの定員を決めることができるよう、厚生労働省は全国一律の現行制度を見直す方針を固めた。
 現地事情と無関係に、医療機関の患者数に応じ医療従事者必要数を示す全国一律の「配置標準」規制は大学医学部、医科大大学院生らが常勤医として働いているように装い、病院から報酬を受ける「名義貸し」の根源とされる。
 厚労省がこの原則を修正するのは、戦後間もない一九四八年の医療法施行後初めてのことである。名義貸し根絶への現実的第一歩として早期具体化を期待したい。
 同省は、都道府県策定の医療計画で必要な医療提供体制が整備されている地域については、知事裁量で緩和を認めることを検討する。
 有力な緩和条件として(1)病院間の支援体制強化(2)テレビ電話を使った遠隔医療導入-などを考慮している。
 医療機関には人員配置数の情報公開を促し、患者が十分な情報から施設を選択可能な体制が整えば、将来的には「配置標準」の廃止も検討する、としている。
 「配置標準」というのは、全国どこでも適正な医療を受けられるよう、医療法が病院や有床診療所に配置すべき医師や看護師、薬剤師らの人数を定めた制度である。
 だが、医師の「配置標準」は医療法施行当時のままで、病院の一般病床では入院患者五十二人までが最低三人、それ以上は入院患者十六人、外来患者四十人増えるごとに一人以上増員する、となっている。
 現行制度は「医師らの配置数が標準の六割しかいない医療機関は診療報酬の支払いを減額する」としている。だが、東北、北海道の病院の半数近くは基準を満たしておらず、名義を借りて減額を免れる病院が数多くあった。
 これが問題化し、厚労省の政策自体が批判の矢面に立つことも少なくなかった。
 文部科学省が昨年初頭まとめた医学生らの医師名義貸し実態調査によると、〇二年四月からの一年半に全国七十九大学医学部、医科大の三分の二に当たる五十一医学部、医科大在籍大学院生ら延べ計千百六十一人が名義貸ししていた。
 国立大が最多で、四十二校中二十九校、延べ八百五十四人だった。北海道大が延べ百七十人で断然トップ。弘前大は一人もいなかった。
 厚労省が医療従事者の配置標準見直しを決めたことは、遅まきながら現実を直視した正しい方向への軌道修正、と言うことができる。
 そもそも、戦後の荒廃期に決めた医療法施行から六十年近い長期間、全国一律の同じ規制を今日まで維持してきた方がどこかおかしい。
 この間、地域によっては、医師不足や看護師不足で、現実に定員確保にどれほど苦労してきたことか。
 医師過剰が目につく大都市と、今なお医師確保が困難なへき地を一律に縛るような愚は、厚労行政以外でも早急に見直すべきである。