Jikonka、漢字での表記は「而今禾」。「而今」は而して今、今この瞬間という意味で、「禾」はなくてはならないもの、命の糧という意味だそうだ。これはギャラリーの名前である。三重県亀山市関町にあり、この店の名前はオーナーのひとりでもある米田恭子さんが考案したのだという。その東京支店が今年の6月に深沢にオープンした。この東京店の店長が、かつての同僚の姉だという話を聞いたので、聞いた以上は行かないわけにもいくまい、と思い、行ってきた。
最寄り駅は東急田園都市線の桜新町。サザエさん通りで有名なところだ。そのサザエさん通りの入口を右手に見ながら通り過ぎ、深沢高校へ向かって歩くこと約10分ちょい。高校の前を過ぎたところの交差点を右に折れ、最初の交差点を左に折れ、しばらくいくと住宅街のなかに佇むように、そのギャラリーがある。住宅街のなかにあるのは当然で、ギャラリーになる前は住宅だったそうだ。
住宅だった家屋なので、中に入るときは靴を脱ぐ。スリッパは革製。玄関は半地下にあり、そのフロアで公開されているのは一部屋だけだ。大きな骨董家具と大きめのサイズの花瓶などが、ゆったりと展示されている。家具は軽みを感じさせる作りで、薄めの板を比較的無造作に使って作られた棚などが並んでいる。3階建てで、玄関から1フロア上に上がったところにレジなどがあり、店の人もここにいる。ここが企画展などの会場にもなるところで、今は陶芸作家の作品が並ぶ。奥に和室があり、そこは常設の李朝陶磁器などが並ぶ。
時々、日本民藝館で開催される朝鮮陶磁展などにも足を運ぶのだが、いつも不思議に思うのは、決して技巧的な完成度が高いわけではないのだけれど、妙に心惹かれるものがあることだ。ルーシー・リーの工房にも、バーナード・リーチから贈られた大きな朝鮮白磁の壷が置かれていたという。勿論、誰もが気に入るわけでもないだろうが、あの独特の魅力はどこからくるものなのだろうかと思う。
最上階も、今日は企画展に使われていた。あと、奥が常設の布製品の展示販売スペースだ。衣類は女性物だけだが、皮の鞄も何点か置かれている。
このところ、自分の個展で作品を並べるときに敷こうと思い、布地を物色している。これまでのところ、勤務先が入居しているビルの中にある雑貨店でフランス製の生地を数点調達し、「かまわぬ」で90センチ四方の風呂敷を数枚買ってみた。今日はここJikonkaで上海で織られたという布地を見つけたので、ランチョンマット風に加工されたものを3点購入した。
個展のタイトルが「ふだんのちゃわん」なので、普段っぽさが出るようにしたいと思いながら布地を選んでいる。ランチョンマットやテーブルクロスを使うのが必ずしも一般的ではないだろうが、テーブルの上に器だけ並んでいるというものも愛想が無いと思い、何かを敷いた上に器を並べようと思っている。敷くものが布だけでよいのか、和紙なども使ってみたほうがよいのか、気にはなっているのだが、最終的には会場で並べてみないとわからないので、多少の余裕を持って敷物類を準備しておくつもりでいる。和紙については、鳩居堂でコースターを少し調達してある。案内状に写真を載せることも考えたので、その写真に使うつもりで和紙に漆を塗った取皿状のものも3枚、小津和紙で調達した。
ところで、深沢のJikonkaだが、感じの良い店長さんだ。店は住宅として使うには、少しばかり冷たい感じがするが、店舗に使うにはこの程度の余所余所しさがちょうど良いように思う。
実は、今日は陶芸で、自分が削った器を素焼きに出す棚に置いてくるのを忘れてしまった。そのことを帰宅して昼食を済ませてから思い出し、慌てて教室に戻ってみると、先生のアシスタントとして、いろいろ我々受講生の世話をして頂いているスタッフの方が、室に仕舞っておいてくださっていた。それを事情を話して素焼きのほうへ移して頂いて、教室を後にした。そんなわけで、出勤には早すぎる時間だったので、たまたま昨日聞いた深沢のJikonkaを訪ねることにした次第なのである。店に着いたのは3時半くらいで、店長さんへのご挨拶を含めても30分くらいで店を出るつもりでいたのだが、予想していたよりも店が大きかったので、結局1時間近くも滞在することになった。出勤時間さえ気にしなければ、もう少し李朝の陶磁器を眺めていたかったのだが、後ろ髪を引かれる思いで出勤することになってしまった。近いうちに是非、再訪したいと考えている。
最寄り駅は東急田園都市線の桜新町。サザエさん通りで有名なところだ。そのサザエさん通りの入口を右手に見ながら通り過ぎ、深沢高校へ向かって歩くこと約10分ちょい。高校の前を過ぎたところの交差点を右に折れ、最初の交差点を左に折れ、しばらくいくと住宅街のなかに佇むように、そのギャラリーがある。住宅街のなかにあるのは当然で、ギャラリーになる前は住宅だったそうだ。
住宅だった家屋なので、中に入るときは靴を脱ぐ。スリッパは革製。玄関は半地下にあり、そのフロアで公開されているのは一部屋だけだ。大きな骨董家具と大きめのサイズの花瓶などが、ゆったりと展示されている。家具は軽みを感じさせる作りで、薄めの板を比較的無造作に使って作られた棚などが並んでいる。3階建てで、玄関から1フロア上に上がったところにレジなどがあり、店の人もここにいる。ここが企画展などの会場にもなるところで、今は陶芸作家の作品が並ぶ。奥に和室があり、そこは常設の李朝陶磁器などが並ぶ。
時々、日本民藝館で開催される朝鮮陶磁展などにも足を運ぶのだが、いつも不思議に思うのは、決して技巧的な完成度が高いわけではないのだけれど、妙に心惹かれるものがあることだ。ルーシー・リーの工房にも、バーナード・リーチから贈られた大きな朝鮮白磁の壷が置かれていたという。勿論、誰もが気に入るわけでもないだろうが、あの独特の魅力はどこからくるものなのだろうかと思う。
最上階も、今日は企画展に使われていた。あと、奥が常設の布製品の展示販売スペースだ。衣類は女性物だけだが、皮の鞄も何点か置かれている。
このところ、自分の個展で作品を並べるときに敷こうと思い、布地を物色している。これまでのところ、勤務先が入居しているビルの中にある雑貨店でフランス製の生地を数点調達し、「かまわぬ」で90センチ四方の風呂敷を数枚買ってみた。今日はここJikonkaで上海で織られたという布地を見つけたので、ランチョンマット風に加工されたものを3点購入した。
個展のタイトルが「ふだんのちゃわん」なので、普段っぽさが出るようにしたいと思いながら布地を選んでいる。ランチョンマットやテーブルクロスを使うのが必ずしも一般的ではないだろうが、テーブルの上に器だけ並んでいるというものも愛想が無いと思い、何かを敷いた上に器を並べようと思っている。敷くものが布だけでよいのか、和紙なども使ってみたほうがよいのか、気にはなっているのだが、最終的には会場で並べてみないとわからないので、多少の余裕を持って敷物類を準備しておくつもりでいる。和紙については、鳩居堂でコースターを少し調達してある。案内状に写真を載せることも考えたので、その写真に使うつもりで和紙に漆を塗った取皿状のものも3枚、小津和紙で調達した。
ところで、深沢のJikonkaだが、感じの良い店長さんだ。店は住宅として使うには、少しばかり冷たい感じがするが、店舗に使うにはこの程度の余所余所しさがちょうど良いように思う。
実は、今日は陶芸で、自分が削った器を素焼きに出す棚に置いてくるのを忘れてしまった。そのことを帰宅して昼食を済ませてから思い出し、慌てて教室に戻ってみると、先生のアシスタントとして、いろいろ我々受講生の世話をして頂いているスタッフの方が、室に仕舞っておいてくださっていた。それを事情を話して素焼きのほうへ移して頂いて、教室を後にした。そんなわけで、出勤には早すぎる時間だったので、たまたま昨日聞いた深沢のJikonkaを訪ねることにした次第なのである。店に着いたのは3時半くらいで、店長さんへのご挨拶を含めても30分くらいで店を出るつもりでいたのだが、予想していたよりも店が大きかったので、結局1時間近くも滞在することになった。出勤時間さえ気にしなければ、もう少し李朝の陶磁器を眺めていたかったのだが、後ろ髪を引かれる思いで出勤することになってしまった。近いうちに是非、再訪したいと考えている。