熊本熊的日常

日常生活についての雑記

普遍性

2010年12月21日 | Weblog
別に蒐集しているわけではないのだが、葉書でおもしろいと思ったものを手元に残してある。少し整理をしようと思い、陶芸の帰りに無印でA4サイズの葉書ホルダーを3つ買ってきた。それぞれ80枚収納できるようになっている。一冊を工芸品関係、一冊を写真、一冊をその他、というようにして葉書類を収めていったら3冊ともほぼ一杯になり、追加が必要になってしまった。

葉書には自分宛に送られてきたものもあれば、カフェなどに置かれていたものもあり、なかには買ったものもある。整理して眺めてみると、それなりに楽しいが、やはり買ったものに良いと感じるものが多いように思う。特にHouse of Shiseidoで買った古い広告類をあしらったものがいいと思う。戦前のものが多いが、今の時代でも十分に使えるのではないかと思えるほどだ。

広告には、その時代の空気と印刷技術が反映されているはずだ。そうしたことを超えて、今、この瞬間でも目を引くのは、人の感覚というものがそれほど変わるものではないということだろう。

House of Shiseidoのミュージアムショップには、ここ1年近く、買おうか買うまいか迷っているものがある。復刻版の香水「菊」だ。勿論、香水に興味があるのではなく、その瓶に興味がある。公式にはあくまでも資生堂という組織の作品なのだが、その瓶のデザインを担当したのが小村雪岱であることは公知のことだ。雪岱の作品であるという先入観があるから欲しいと思うのかもしれないが、丸みを帯びた薬瓶のような姿が妙に艶かしい。

ちなみに、私が使っている砂糖と塩の容器は、理科の実験器具を扱っている売り場で調達した薬瓶だ。妙な自己主張が無く使いやすさに徹している姿が美しいと思っている。