2月のある日のことだった。
長崎自動車道を走っているバスの中で突然目覚まし時計が鳴り出した。
鳴っているのは前の方の席で、なかなか鳴りやまない。
早く止めればいいのにと思っていたが、誰も荷物を開ける風がない。
なんて無神経な人達だろうと思って見ていると、突然バスが路肩に停まり、運転手が何やら点検を始めた。
「ご迷惑をおかけします。非常ベルが鳴っているものですから点検をします」
そう言って乗降口のドア回りや社内トイレのドア、非常口辺りを点検している。
どうやらどこかのドアがきちんと閉まってないので警報が鳴っていると考えたようだ。
ところが、いくら点検しても異常箇所が見当たらなかったらしく、再び運転席に戻ると
「点検の結果、どこにも異常は見つかりませんが、非常ベルが鳴りやまないので非常ベルのヒューズを外します。ご迷惑をおかけしますが、この先のパーキングで少し停まりますのでご了承下さい」
とアナウンスしてバスを走り出させたのだ。
おい、おい、大丈夫か。
とにかくパーキングエリアに着くまでは気が気ではなかった。
パーキングエリアに着くとヒューズの取り外し。
要するになんら根本原因の解決にならない、警報装置のヒューズを取り外して鳴らなくするという措置に非常に不安を覚えた。
もし、本当にどこかが異常だったのなら、どうなる。
機械が異常を察知しても、今度は警報すら鳴らないのだ。
一応、運転手とともにバスを降り、バスの下回りを見て回った。
オイル漏れその他がないかどうか。
まあ、気休めにしかならないだろうが。
しかし、警報装置は鳴りやまない。
何と警報装置のヒューズが分からないのだ。
本社と連絡を取り合ってヒューズの場所を確認しているが、いくら外しても鳴りやまない。
後続のバスに乗り換えを要請するよう他の乗客も言い、運転手も後続車に寄ってくれるように伝えています、と答えていたが、後続バスは目の前を通過して言ってしまった。
「バスは通り過ぎていったじゃないか」
という乗客の声に
「満席だと言っていましたからね」
と運転手。
まあ、なんだかんだやってて20分後に警報装置のヒューズ取り外しに成功。
なんということはない、ヒューズボックス2つの蓋が取り違えてあったらしくて、いくら蓋で警報ヒューズの位置を確認しても分からなかったというお粗末な話だ。
この20分間、寒風吹きすさぶ中で運転手の手助けをしていたのは私ともう一人の年輩の紳士2人だけ。
他の乗客は車内でノンビリしていたが、実はバスは三菱ふそう製。
そのことを乗客は知っていたのかどうか。
「お急ぎの所ご迷惑をおかけしました。20分遅れましたが、急いでいきますのでお許し下さい」
そのアナウンスを聞いた紳士と私は「急がなくていいから安全運転で言ってくれ」と声を掛けた。
遅れを取り戻そうと急いだ挙げ句エンジンから火でも噴かれたら大変だ。
実はこの日、当初は列車の予定だった。
それをバスに変更したのだが、なんとも不安な旅だった。
やっぱり三菱製は怖い。
長崎自動車道を走っているバスの中で突然目覚まし時計が鳴り出した。
鳴っているのは前の方の席で、なかなか鳴りやまない。
早く止めればいいのにと思っていたが、誰も荷物を開ける風がない。
なんて無神経な人達だろうと思って見ていると、突然バスが路肩に停まり、運転手が何やら点検を始めた。
「ご迷惑をおかけします。非常ベルが鳴っているものですから点検をします」
そう言って乗降口のドア回りや社内トイレのドア、非常口辺りを点検している。
どうやらどこかのドアがきちんと閉まってないので警報が鳴っていると考えたようだ。
ところが、いくら点検しても異常箇所が見当たらなかったらしく、再び運転席に戻ると
「点検の結果、どこにも異常は見つかりませんが、非常ベルが鳴りやまないので非常ベルのヒューズを外します。ご迷惑をおかけしますが、この先のパーキングで少し停まりますのでご了承下さい」
とアナウンスしてバスを走り出させたのだ。
おい、おい、大丈夫か。
とにかくパーキングエリアに着くまでは気が気ではなかった。
パーキングエリアに着くとヒューズの取り外し。
要するになんら根本原因の解決にならない、警報装置のヒューズを取り外して鳴らなくするという措置に非常に不安を覚えた。
もし、本当にどこかが異常だったのなら、どうなる。
機械が異常を察知しても、今度は警報すら鳴らないのだ。
一応、運転手とともにバスを降り、バスの下回りを見て回った。
オイル漏れその他がないかどうか。
まあ、気休めにしかならないだろうが。
しかし、警報装置は鳴りやまない。
何と警報装置のヒューズが分からないのだ。
本社と連絡を取り合ってヒューズの場所を確認しているが、いくら外しても鳴りやまない。
後続のバスに乗り換えを要請するよう他の乗客も言い、運転手も後続車に寄ってくれるように伝えています、と答えていたが、後続バスは目の前を通過して言ってしまった。
「バスは通り過ぎていったじゃないか」
という乗客の声に
「満席だと言っていましたからね」
と運転手。
まあ、なんだかんだやってて20分後に警報装置のヒューズ取り外しに成功。
なんということはない、ヒューズボックス2つの蓋が取り違えてあったらしくて、いくら蓋で警報ヒューズの位置を確認しても分からなかったというお粗末な話だ。
この20分間、寒風吹きすさぶ中で運転手の手助けをしていたのは私ともう一人の年輩の紳士2人だけ。
他の乗客は車内でノンビリしていたが、実はバスは三菱ふそう製。
そのことを乗客は知っていたのかどうか。
「お急ぎの所ご迷惑をおかけしました。20分遅れましたが、急いでいきますのでお許し下さい」
そのアナウンスを聞いた紳士と私は「急がなくていいから安全運転で言ってくれ」と声を掛けた。
遅れを取り戻そうと急いだ挙げ句エンジンから火でも噴かれたら大変だ。
実はこの日、当初は列車の予定だった。
それをバスに変更したのだが、なんとも不安な旅だった。
やっぱり三菱製は怖い。