栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

なぜ福岡BMWはヤナセに全株式を売却したのか(1)。

2007-07-09 16:51:46 | 視点
 4月6日、BMWの正規ディーラー、富士モータース(株)(福岡市)がヤナセグループに全株式を売却し、ヤナセバイエルンモーターズ福岡(株)として再出発したが、このニュースは地場企業にある種の驚きを持って迎えられた。
 というのは、輸入車販売の中でも唯一好調なBMWの老舗販売会社が身売りしたからである。また、M&Aがここまで身近になったということに驚きを隠さない経営者もいた。いままでM&Aは大企業同士のもの、あるいは地場企業にはまだ縁遠いものと考えていたのが、地場の中小企業でさえその対象になる時代だということを思い知らされたからだ。

 富士モータース(株)とヤナセバイエルンモーターズ福岡(株)からBMWのユーザー宛に届いたハガキには次のように記されていた。
 「平成19年4月6日をもちまして、ヤナセグループの100%子会社として、新たな経営体制にてBMWディーラー業務を再スタートすることとなりました。新体制におきまして、当社拠点は引き続き『ヤナセバイエルンモーターズ福岡株式会社』の拠点として、お客様への従前と変わらぬ販売およびアフターサービス活動を実施してまいります・・・」
 「弊社は、富士モータース株式会社よりBMW車のディーラー業務を継承し、平成19年4月6日より『ヤナセバイエルンモーターズ福岡株式会社』に社名を変更し、福岡本店(旧本店)・福岡東支店(旧東支店)・福岡西支店(旧西福岡支店)・太宰府支店・久留米支店・福岡アプルーブドカーセンター・賀茂アプルーブドカーセンターの7拠点にてBMW車の販売、およびアフターサービス活動を展開することとなりました」

 通常、会社を身売りする理由はそう多くはない。
一つは


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赤城農相に代わって懸命に説明する安倍首相はおかしい。

2007-07-09 08:35:31 | 視点
 昨日の各党党首討論をTVで見ていてとても奇異に感じた。
赤城農相の事務所費が問題にされた時だ。
安倍首相が懸命に擁護するのだが、まるで自分が当事者であるかのごとき弁明の仕方なのだ。
挙げ句には他の政党にも高額な人件費を計上している人がいると言うに至っては開き直り以外の何ものでもないだろう。

 本来は赤城農相がきちんと説明すれば済む話で、それを首相が替わって弁明する必要はない。
「もう一度本人にきちんと説明させる」の一言で済むのに、まるで自分のことのように説明するものだから、聞けば聞くほど、もしかするとこの人も同じことをしているのではないだろうかと疑ってしまった。
それほど本人に成り代わって説明していたのだ。

 一方の小沢民主党党首は「万が一の場合、政界にいる必要はないと思っている。自分自身の心の内ではそういう決意だ」と、参院選に負ければ党首辞任だけでなく政界からも引退する、それ程の覚悟で臨んでいると実に明快だった。

 安倍さんは「美しい国づくり」などと耳当たりのいい言葉をまるでコピーライターのように使うが、中身がさっぱり伝わってこない。
見てくれはいいが、歯ごたえがない食べ物のようで、どうも物足りない。
選挙に負けたときの自身の責任の取り方についても明言を避けるし、消費税は上げるといいながら、選挙後の秋から考えると、言を左右にするなど実に男らしくない。
 選挙対策で消費税を据え置き、選挙で勝てば消費税を上げるのでは国民を愚弄している。

 公明党も与党の立場がよほどいいのか、いまや自民党を支持するだけの政党に成り下がったようだ。