先月、中国・北京、天津に旅行で行ってきた。
北京は7、8年振り。天津は初めてだったが、その変わり様には眼を見張るものがあった。
中でも驚いたのはホテルの変化。
北京で泊まったのは市内でも西の外れの「北京美泉宮飯店(Schonbrunn Hotel Beijing 海淀区西四環北路)」。
数年前に建てられた新しいホテルのようだが、驚いたのは室内の備品。
ベッドサイドのテーブル上になにやら置かれていたが、これがサービス品なのか有料なのかがよく分からない。
よく見ると価格表示がしてあるものが2つ。
68元と48元で、右のひげそりセットのようなものは48元と書かれていた。
洗面場に歯ブラシ、歯磨き粉、そして無料サービスのミネラルウォーターは置いてあるのに、なぜかひげそり用カミソリはなかった。
カミソリはないのか、と思いつつ、持参のカミソリで髭を剃った後、ベッドサイドにあるのを見つけたのだ。
他に何が入っているのかよく分からなかったが、ヒゲソリセットだとしても48元は高すぎる。
金儲け主義だなと思いながら、一緒に並べられていた他のものを見てみたが、何かよく分からない。
「ICE-COOL」という英語表記が目に入ったので、クールグッズかと思ったが、その横には「HOT」と書かれた同じような品物が置いてあった。
どうやらクールグッズではなさそうだ。
価格はともに10元。
さらにその横のものを見ると「VIBRATED & CONDOM」の文字が。
なんとコンドームを含む夜のおもちゃ類のようだった。
北京市内の西方とはいえ、ここは北京市内の一流ホテルだ。
ツアーガイドには「5つ星ホテル」と表記されていた。
いわゆるラブホテルではない。
それなのに、なんともサービス(?)が行き届いていると、妙なところに感心というか、なぜこのようなものが置かれているのか、中国のホテル事情が変わったのかと好奇心が湧いてくる。
以前、北京に来た時も、5、6年前に上海に行った時も、ホテルにこのような常備品はなかった。
どこのホテルでもこのようなものを置いているわけではないとは思うが。
実際、天津で泊まったホテルにはこのような備品はなかった。
天津で泊まったホテルは天津空港側の「天津空港格蘭曇天大酒店(Grand Skylight Hotel Tianjin)」。
昨年11月にオープンしたばかりのホテルで、空港まで車で10分以内という便利さが売りだ。
1階のレストランは、とてもオシャレな感じで、ここが中国のホテル内レストランとはとても思えなかった。
さすがに最新のホテルだけのことはある。
だが、もっと驚いたのは室内だった。
まず窓側に入口の方を向いて机が置かれてある。(写真の一番手前に)
シティ、ビジネスを問わず、デスクは壁際に置かれるのが普通である。
ところが、ここでは机のどこも壁に接していない。
まるでボスのビジネスルームのようにガラス製の机が窓を背にする形で配置されている。
そして机の上には電話もあり、室内に入るとすぐ仕事を始められるようになっている。
もちろん、インターネット接続LANケーブルが付随し、インターネットが無料で接続できるのはいまや中国のホテルの常識である。
驚いたのは部屋の広さや、豪華な内装だけではない。
なんとバスルームや、その隣りのトイレスペースまで全てがガラス張りで、ベッドルームから丸見えの構造になっていることだ。
これにはツアー客の全員が驚いたようだが、幸いにもスクリーンを下ろし完全目隠しにできるようになっていた。
それにしてもなぜ、ガラス張りにする必要(需要)があったのだろうか。
北京のホテルのコンドーム常備といい、天津のホテルのスケルトンのバスルームといい、どこを模範にしているのかがよく分からなかった。
少なくとも日本のホテルを真似たのではないことだけははっきりしている。
すでに彼らの目線は日本を通り越し、ヨーロッパを見ているのだけは間違い。
驚いたことはまだあった。
天津のホテルに着いた直後、ツアーの中国人ガイドが自信たっぷりに次のように言った言葉だ。
「このホテルは昨年11月にオープンしたばかりの新しいホテルです。いままで日本人旅行客もたくさん利用しました。いろんな問題もありましたが、全て解決済みです。昨年、お湯が出ないという問題がありました。ですが、すでに解決済みです。お湯が出ない時は20分程出し続けて下さい。そうすると必ず温度が上がります」
昔、そう、いまから30年余りも昔にはよく聞いた話だ。
ホテルでお湯が出ない、と。
でも、最近のホテルでお湯が出ないなどということはありえない、と思っていた。
お湯の方をひねればお湯が出るのは当たり前で、昔の中国ではそういうこともあったかもしれないし、ホテルでお湯が出なくて困ったという話を聞いたことは確かにある。
しかし、最近のホテルではありえない話だ、と思っていた。
だが、数年前にも似たような話を聞いたことがあった。
中国のホテルでお湯が出なかった、と。
その話を聞いた時、笑い飛ばしてしまった。
それはよほど古いホテルに泊まったのでしょう。少なくとも都市部ではそんなことはありませんよ、と。
実際、いままで何度か北京、上海に行っているが、そんな目に遭ったことは一度もない。
だから、この時の中国人ガイドの話も、それはそうだろう、すでに解決済みだよ、という感覚で聞いていた。
こんな最新のホテルでお湯が出ないことなどありえない。オープンしたてのゴタゴタの時の話に決まっているだろう、と高をくくっていたのだ。
さて、いざ風呂に入ろうとした時、ガイドの言葉を思い出してしまった。
「その問題はすでに解決済みです」と妙に自信たっぷりに言った言葉を。
それから約20分、お湯の蛇口を捻って流し続けた。
たしかに時間が経てば蛇口から出る水はお湯になった。
それでも熱くはならなかった。
さらに出し続けると熱くなるのかどうか。
そこまで確かめるほど我慢強くはなかったから、ぬる湯に入ったが、入りながら考えた。
いまは夏だから温度は低めでいいし、水シャワーでもOKだが、冬にこのホテルに泊まると風邪を引くのは間違いない。
設備もインテリアも豪華な最新ホテルでお湯が出ないという笑えない話。
良くも悪しくもこれが中国。
まさか中国を離れる最後の夜にこんな経験をするとは・・・。
これからの季節に天津を訪れる人は、このホテルを避けた方がいいかもしれない。
冬場はいつまで待っても温度が上がらない可能性の方が強いだろうから。
北京は7、8年振り。天津は初めてだったが、その変わり様には眼を見張るものがあった。
中でも驚いたのはホテルの変化。
北京で泊まったのは市内でも西の外れの「北京美泉宮飯店(Schonbrunn Hotel Beijing 海淀区西四環北路)」。
数年前に建てられた新しいホテルのようだが、驚いたのは室内の備品。
ベッドサイドのテーブル上になにやら置かれていたが、これがサービス品なのか有料なのかがよく分からない。
よく見ると価格表示がしてあるものが2つ。
68元と48元で、右のひげそりセットのようなものは48元と書かれていた。
洗面場に歯ブラシ、歯磨き粉、そして無料サービスのミネラルウォーターは置いてあるのに、なぜかひげそり用カミソリはなかった。
カミソリはないのか、と思いつつ、持参のカミソリで髭を剃った後、ベッドサイドにあるのを見つけたのだ。
他に何が入っているのかよく分からなかったが、ヒゲソリセットだとしても48元は高すぎる。
金儲け主義だなと思いながら、一緒に並べられていた他のものを見てみたが、何かよく分からない。
「ICE-COOL」という英語表記が目に入ったので、クールグッズかと思ったが、その横には「HOT」と書かれた同じような品物が置いてあった。
どうやらクールグッズではなさそうだ。
価格はともに10元。
さらにその横のものを見ると「VIBRATED & CONDOM」の文字が。
なんとコンドームを含む夜のおもちゃ類のようだった。
北京市内の西方とはいえ、ここは北京市内の一流ホテルだ。
ツアーガイドには「5つ星ホテル」と表記されていた。
いわゆるラブホテルではない。
それなのに、なんともサービス(?)が行き届いていると、妙なところに感心というか、なぜこのようなものが置かれているのか、中国のホテル事情が変わったのかと好奇心が湧いてくる。
以前、北京に来た時も、5、6年前に上海に行った時も、ホテルにこのような常備品はなかった。
どこのホテルでもこのようなものを置いているわけではないとは思うが。
実際、天津で泊まったホテルにはこのような備品はなかった。
天津で泊まったホテルは天津空港側の「天津空港格蘭曇天大酒店(Grand Skylight Hotel Tianjin)」。
昨年11月にオープンしたばかりのホテルで、空港まで車で10分以内という便利さが売りだ。
1階のレストランは、とてもオシャレな感じで、ここが中国のホテル内レストランとはとても思えなかった。
さすがに最新のホテルだけのことはある。
だが、もっと驚いたのは室内だった。
まず窓側に入口の方を向いて机が置かれてある。(写真の一番手前に)
シティ、ビジネスを問わず、デスクは壁際に置かれるのが普通である。
ところが、ここでは机のどこも壁に接していない。
まるでボスのビジネスルームのようにガラス製の机が窓を背にする形で配置されている。
そして机の上には電話もあり、室内に入るとすぐ仕事を始められるようになっている。
もちろん、インターネット接続LANケーブルが付随し、インターネットが無料で接続できるのはいまや中国のホテルの常識である。
驚いたのは部屋の広さや、豪華な内装だけではない。
なんとバスルームや、その隣りのトイレスペースまで全てがガラス張りで、ベッドルームから丸見えの構造になっていることだ。
これにはツアー客の全員が驚いたようだが、幸いにもスクリーンを下ろし完全目隠しにできるようになっていた。
それにしてもなぜ、ガラス張りにする必要(需要)があったのだろうか。
北京のホテルのコンドーム常備といい、天津のホテルのスケルトンのバスルームといい、どこを模範にしているのかがよく分からなかった。
少なくとも日本のホテルを真似たのではないことだけははっきりしている。
すでに彼らの目線は日本を通り越し、ヨーロッパを見ているのだけは間違い。
驚いたことはまだあった。
天津のホテルに着いた直後、ツアーの中国人ガイドが自信たっぷりに次のように言った言葉だ。
「このホテルは昨年11月にオープンしたばかりの新しいホテルです。いままで日本人旅行客もたくさん利用しました。いろんな問題もありましたが、全て解決済みです。昨年、お湯が出ないという問題がありました。ですが、すでに解決済みです。お湯が出ない時は20分程出し続けて下さい。そうすると必ず温度が上がります」
昔、そう、いまから30年余りも昔にはよく聞いた話だ。
ホテルでお湯が出ない、と。
でも、最近のホテルでお湯が出ないなどということはありえない、と思っていた。
お湯の方をひねればお湯が出るのは当たり前で、昔の中国ではそういうこともあったかもしれないし、ホテルでお湯が出なくて困ったという話を聞いたことは確かにある。
しかし、最近のホテルではありえない話だ、と思っていた。
だが、数年前にも似たような話を聞いたことがあった。
中国のホテルでお湯が出なかった、と。
その話を聞いた時、笑い飛ばしてしまった。
それはよほど古いホテルに泊まったのでしょう。少なくとも都市部ではそんなことはありませんよ、と。
実際、いままで何度か北京、上海に行っているが、そんな目に遭ったことは一度もない。
だから、この時の中国人ガイドの話も、それはそうだろう、すでに解決済みだよ、という感覚で聞いていた。
こんな最新のホテルでお湯が出ないことなどありえない。オープンしたてのゴタゴタの時の話に決まっているだろう、と高をくくっていたのだ。
さて、いざ風呂に入ろうとした時、ガイドの言葉を思い出してしまった。
「その問題はすでに解決済みです」と妙に自信たっぷりに言った言葉を。
それから約20分、お湯の蛇口を捻って流し続けた。
たしかに時間が経てば蛇口から出る水はお湯になった。
それでも熱くはならなかった。
さらに出し続けると熱くなるのかどうか。
そこまで確かめるほど我慢強くはなかったから、ぬる湯に入ったが、入りながら考えた。
いまは夏だから温度は低めでいいし、水シャワーでもOKだが、冬にこのホテルに泊まると風邪を引くのは間違いない。
設備もインテリアも豪華な最新ホテルでお湯が出ないという笑えない話。
良くも悪しくもこれが中国。
まさか中国を離れる最後の夜にこんな経験をするとは・・・。
これからの季節に天津を訪れる人は、このホテルを避けた方がいいかもしれない。
冬場はいつまで待っても温度が上がらない可能性の方が強いだろうから。