栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

カメラは軽い方がいい。

2013-10-21 00:37:41 | 視点

 一眼レフカメラは重いという常識がある。
特にカメラ通と称する人達(販売店の人も含め)ほど一眼レフの重さに肯定的である。
むしろ軽いとチャチだ、と小バカにする傾向がある。
たしかにしっかりとした作りにすれば大きく重くなる。
では、本当に大きくて重いカメラが「いいカメラ」だろうか。
答えはノーだ。
いいカメラには大きくて重いカメラが多いが、大きくて重いカメラがすべていいカメラとは限らないからだ。

 例えばデジカメが出始めの頃、30万画素のデジカメはいまのコンパクトデジカメに比べると写りは比べ物にならないくらい悪かったが、サイズはこれまた比べ物にならないくらい大きかった。
以来、デジカメの進歩は著しく、高画素化が進み、その一方で小型・軽量化してきた。

 この流れはコンデジだけでなく、デジタル一眼レフカメラでも同じだ。
フルサイズと呼ばれるデジタル一眼レフ(ハイアマチュア~プロ用と呼ばれることが多い)でも小型・軽量化は進んでいる。
メーカー自身が小型・軽量化の流れを進めているわけで、この流れは今後更に進むだろう。
ただ、カメラ本体はかなりの速さで小型・軽量化が進んでいるが、レンズは逆に大口径化する傾向にある。
その結果、レンズは大きく重くなるという、カメラとは逆の動きになっているのだ。
 例えばキャノンのフルサイズカメラ、EOS6Dは重量680gとフルサイズカメラでは最軽量(発売時)だが、レンズEF24-105mm F4L IS USMと組み合わせるととたんに最軽量という謳い文句は霞んでしまう。
 とはいえ全体の総重量は軽くなる方向に動いていかざるをえないだろう。
特にエントリークラスのカメラセットは。

 ごくために、それも1日1時間ほどしかカメラをぶら下げないという人なら、カメラの総重量はそれほど問題にならないかもしれない。
だが、1日数時間も撮影したり、旅行でカメラを持ち歩く人にとっては、この重さが問題になる。
肩から下げていたり、首に掛けていれば、ほぼ間違いなく肩こり、腰痛の原因になる。
実は、先日、長崎くんちの撮影を6時間も行ったところ、数日肩こりに悩まされた。

 こうした個人的な体験からも言えることは、女性や年配者はカメラを選ぶ時、販売員やカメラ通を称する人の意見に左右されずに、できるだけ軽いカメラを選んだ方が後々後悔しない。
逆に重いカメラを買うと、その重さに耐えられず段々カメラを持ち出すのが億劫になっていき、やがて一眼レフはお蔵入りになる。
これではなんのために高価なカメラを買ったのか分からなくなるというものだ。
私の身近にもこういう人は何人かいる。

 長く使い続けるものだから、初心者でも最初からいいカメラを買っておいた方がいい、という意見もある。
たしかに一昔前のアナログ時代なら、その意見はご尤もといえる。
しかしデジタル時代になり、製品の寿命は格段に短くなった。
技術進歩も速いから、数年で持ち物は時代遅れ(品質レベルで)になる。
デジタルカメラで言えば5年前に680万画素だったものが、いまでは2000万画素の時代である。
もはや「一生モノ」という考えが通用しなくなっている。

 カメラもパソコンも
数年で買い換える時代になってしまった。
特にパソコンは高額な高級機を買ってもOSが変わると使えなくなるし、数年で速度も遅くなる。
そうすると、そこそこのものを買って数年で買い換えるやり方の方がいいということになる。
デジタル一眼レフカメラも同じだ。


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