栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

自転車が「盗られた」と思ったら、まずここを探せ!

2018-12-20 12:15:23 | 視点
 このところ福岡市で自転車の「盗難」が相次いでいる。
「盗難」に遭う場所は天神、博多、中洲などの中心部だ。

時間は昼夜関係なし。
鍵をかけている、いないも関係ない。
駐輪時間も関係ない。


 実際、1時間前に駐めた自転車が戻ってみると影も形もなくなっていたという話を耳にする。

 その時、誰もが「盗難」と思うに違いない。
次に取る行動は警察(最寄りの交番か警察署)への被害届だろう。

 防犯登録をしているから出てくるに違いない。
見つかれば警察から連絡があるだろう、と考えて待つ。

 防犯登録をしてなかった人は、あの時しとけばよかった、と後悔するに違いない。
自転車が新しければ尚のことそうだろう。
古い自転車なら諦める人もいるかもしれない。

だが、これで自転車が出てきた人はよほどラッキーな人で、まず出てこないと思った方がいい。

 理由はいくつかあるが、警察官が忙しく自転車捜しのような「些細な」(失礼)事件にかかる余裕がないということが1つ。

 もう1つは意外な人間が「盗難」し、意外な場所に「保管」しているからだ。

しかも、その場所には大量に「盗難」された自転車が置かれている。

よくもまあ、これだけ「盗み」に「盗んだ」ものだと思うほど大量の自転車が、そこにある。

 これでは警察官が発見できないのも納得できる。

 それにしても誰が、何の目的で、と思うだろうが、次のことを聞いて怒らない人がいるだろうか。

自転車「盗難」犯人は福岡市

 なんと、自転車をこっそり持って行ったのは福岡市。

理由は「放置自転車の撤去」

撤去と言っても事前通告も警告もなく、いきなりである。

普通、張り紙なりなんなり事前通告をするだろう

仮に500歩、1000歩譲るとしても、「窃盗」でなく「撤去」だというなら、「保管場所」を知らせる通知書を付近の目立つ場所に貼り付けておくべきだ。

 そういうこともせず、所有者に無断で「撤去」するのは「窃盗」以外の何物でもない。

 放置自転車を撤去しているのは市の何課なのか調べると「道路下水道局」だった。

市のホームページ内に「放置自転車対策」として次のように記している。

「放置された自転車は、禁止区域内では即時、禁止区域外では3日経過後撤去」

 果たしてどれだけの人がこのホームページを閲覧し、この事実を知っているだろうか。

 http://www.city.fukuoka.lg.jp/doro-gesuido/cycle/hp/removal.html


保管場所

 市によって「盗難」された自転車はどこに保管されているのか。

 ホームページによれば市内10箇所に保管場所(野ざらし)があるようだ。

 詳細は下記HPをご覧いただきたい。

 http://www.chari-angels.com/info/info_6.shtml

 保管期間は1か月でそれ以後は処分すると記載されている。

引き取りには「身分証明書」「自転車のカギ」のほかに「保管料2,500円」を要求される。

 もちろん保管場所までの移動費は自己負担だから、3000円~4000円の出費を覚悟しなければならない。

 注意しなければならないのは保管期間が1か月と短い

 その期間を過ぎると勝手に処分される。

 防犯登録をしていても、市から持ち主に連絡があるわけではない。

 勝手に持って行って、勝手に処分するのだ。

 いくらなんでもこれは行政の横暴だと思うが。