新国立競技場のデザイン選定で予期せぬ注目を集めている建築家の安藤忠雄氏だが
彼の作品を九州で目にすることができるのは1箇所のみ。
熊本県山鹿市鹿央町の県立装飾古墳館だ。
建設されたのは1992年。
当時県知事だった細川護熙氏の肝煎りで始められた「くまもとアートポリス」プロジェクトの参加作品。
同じ山鹿市内には前方後円墳で全国的にも有名なチブサン古墳もあり、
鹿央町も田園風景が広がるのどかな場所だ。
そこに突然現れたコンクリートの打ちっ放しの建物が県立装飾古墳館。
蓮の季節や藤の季節には周辺から花を楽しむ観光客が訪れ、
しばしの憩いをとり、食事もできる物産館があり、その脇の道を登っていけば
目の前に県立装飾古墳館が見えてくる。
周囲の景色を楽しみながら歩いていけるように考えられたアプローチは
オープン当時、ボードで出来ていた。
オープン直後に訪れて感じたのはボードとボードの段差が少し広かったこと。
この階段を上がっていくのは年配者にはきついはず。
それから10数年後、再び訪れた時にはボードは写真のような階段に替えられていた。
そして段差も狭まり上りやすいものに。
今回訪れたのは3度目。
物産館前の古代ハス園で蓮の写真を撮るのと、今一度安藤氏の作品を見てみるためだ。
当初感じた疑問点は年数が経ち、私の見方・感じ方に変化が生じているか
それとも変わってないかを自分自身でも確かめたかった。
安藤忠雄という男をきちんと評価するために。
結果はオープン当時に感じたものは何一つ変わっていなかった。
「まぐまぐ」に「建築家・安藤忠雄に二度ならず失望」と題して書いているので
そちらも併せて一読頂きたい。