栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

なぜ、地方にコンビニが増えているのか

2018-05-02 16:38:21 | 視点
 都会=人、モノが多くて便利、田舎=過疎・高齢化が進み、不便な生活、
という考え方に変化が見られだし、若者の地方移住が少しずつだが見られるとは前回書いたが、
最近、地方の風景が変わってきた。

 地方の「ファスト風土化」(三浦展氏)が言われたのは15年前だが、
それは地方と言ってもまだ幹線沿いの話。
大型ショッピングセンターのオープンで地方商店街・店舗が閉鎖に追い込まれていた時代から
状況はもっと進み、地方の風景も随分変わってきた。

過疎地に相次いで開店する小売り店舗

 いまや郊外(に限ることではないが)の大型ショッピングセンターは閉鎖に追い込まれ、
地方はますます商店過疎地になり、買い物困難者・地域が増えているーー。
そう思われがちだが、必ずしもそうではない。
たしかにそういう傾向にはあるが、逆に利便性が高まった地域もある。
要は都市と地方の二極化だけでなく、都市、地方それぞれの中で二極化が進んでいるのである。

 例えば私の田舎(岡山県、鳥取県、兵庫県の県境)はこの数年で進出する店舗が増え、
買い物は以前に比べ随分便利になった。
車で20、30分も出かけなくても、最寄りの店まで数分、どうかすると徒歩でも行けるのだ。
とはいえ、そうなったのはこの数年のことだが。

 元からあった小さな商店が次々に廃業してなくなり、不便になったと思っていた頃に
食品スーパーが出店し、やっと生鮮品が買えるようになった。
しかし、それも束の間で、スーパーの営業は長続きせずに廃業。
これが第1の波である。

 以後、長い間ほぼ無店舗状態が続いたが、総菜・弁当・丼物などを提供する食品コンビニ
とでも言うべき店がオープンし無店舗状態が解消されたのが第2の波。
その状態が10数年続いただろうか。

 異変が起き出したのは数年前だ。
近くにホームセンター、コンビニ、ドラッグストアが次々にオープンしてきた。

 最も早くオープンしたのはホームセンターの「コメリ」。
以前にも触れたが、同社の戦略は同業他社とは少し違い、いきなり郊外に大型店を出店させる
のではなく、小型店が先行し、いくつかの小型店が拠点を築くと、それらに商品を供給する
基地の役割も果たす母店を造るという出店方式である。
その小型店が車で数分の距離に出店している。
ついでに言えば大型店は隣県の兵庫県佐用町に出店している。

 そして1年前に相次いで出店したのがコンビニのローソンと兵庫県姫路が本社で
兵庫県内を中心に店舗展開しているドラッグストアのゴダイ。
ゴダイはコメリの隣接地にオープンした。

 人口過疎、無店舗状態で買い物にも不自由していた田舎に店舗が急に増え、状況が一変した。
一体、田舎で何が起きているのか。

出店戦略を変えたコンビニ

 注目したいのはコンビニとドラッグストアの出店である。
この2業種はホームセンターと違い都市型。人口集中地への出店というのが従来の戦略である。
特にコンビニは24時間営業。田舎の店で夜中に来店する客がいるのだろうか。

 初期のコンビニの営業時間(午前7時~午後11時)にした方が効率がいいと思うが、
なにしろ全国一律オペレーションで動いているから例外を認めるわけにはいかない。

 そんな堅いことを言わずにもう少し柔軟に対応すればいいではないと他人事ながら思ってしまう。
実際、そういう動きもあるが、そこは本部と加盟店の力関係。
地方の力が弱い加盟店が営業時間を変えます、売れ残りそうな弁当は値下げ販売をします
などと言おうものなら、商品供給を止めると脅され(?)るのがオチかもしれない。

 それはさておき、なぜコンビニやドラッグストアが次々に田舎へ出店しているのか

       (以下 略)

向かいにオープンしたコンビニの影響

客の嗜好を覚えている若い店長



   全文は「まぐまぐ」内の「栗野的視点」あるいはリエゾン九州のHPからお読み戴きたい。


   

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