リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

若者の未来に関わる奨学金の選考委員の責任は重い

2022年03月18日 | 日々の風の吹くまま
3月17日(木曜日)。🌧🌧。ゆうべは月夜だったのに、朝起きてみたら、まあよく降っていること。大雨注意報は出ていないけど、今日も明日も雨、雨、雨という予報。やれやれ。先月末から故障中のエレベーターは、到着した部品を取り付けてモーターを稼働させたところ、煙が出て来て、根本原因はモーターの故障だったと判明。ヒューズが飛んでいて通電できなかったために最初の調査では分からなかったらしい。じゃ、モーターを取り替えればいいだろうということになるけど、装置全体の取り替えが必要で、その装置が特殊なために特注で製造しなければならないんだそうな。ありきたりの分譲マンションのエレベーターに特殊なモーターが使われているってのは何だか納得が行かないけど、とにかく何とか動いているエレベーター1台がこの先の数週間持ちこたえてくれることを祈るばかり。

雨の中をウォーキングに行って来たら、後は演劇ワークショップの時間まで特にすることがないので、おととい送られて来たArts ClubのBill Millerd Artist Fundの2022年度奨学金の応募書類をまず読む作業に着手。応募者は全部で45人で、ワタシは「観客の視点」から書類を読んで評価するようにと言われているけど、コロナのおかげで全国で劇場が閉鎖されて、仕事が途絶えた演劇人にはこの2年が芸術的にも経済的にもいかに厳しいものだったかがよくわかるもので、みんなにあげたくなってしまう。でも、申請額を合計したら軽く1千2百万円を超えてしまうから、今年度予算に収まるように選考委員会で検討するわけで、どれも熱烈なアピールに圧倒されながら、とにかく「応募の目的」に集中して、一応読み通しては、ワタシなりに星をひとつ、ふたつと付けて評価。

奨学金の使途も、大学の学費、セットや衣装、照明などの特定分野のワークショップ、有名な演劇コーチによるマスタークラスや個人指導と実に多彩で、へえ、演劇人はこんな風に研鑽を重ねるんだなあと感心することしきり。さらには受講料だけじゃなくて、飛行機代を含む交通費、受講期間中の宿泊費や食費まで含めた金額を申請している人が多いのにもびっくり。まあ、これからキャリアを磨いて行くという若い人たちがほとんどだから、とにかくお金がないってのはわかるし、不定期な職業だから、地元での研修でも受講中は仕事もしにくい(稼げない)だろうから、わからないでもないかな。そんな中から選ばれるのはたぶん半分以下だろうから、演劇への情熱に燃えている若い人たちの将来を左右するかもしれない選別作業に関わっているわけで、これは慎重に慎重を期してやらないといけないと、ぐっとおなかに力を入れ直して、今日は21人分。責任、重いなあ。

午後のワークショップでは今日から同じパートナーとのペアワーク。ワタシの相方は22歳のアビーで、ヒラ先生が候補に上げた3つの場から、現実の空間と仮想現実の空間が交錯するおもしろそうな第18場を選ぶことで意見が一致して、ワタシは現実空間から仮想空間に迷い込む一家の妻の役、アビーは引きこもりの娘の仮想現実空間での友だちと後から現実空間で出て来る夫の役。妻が引きこもってロールプレイングゲームに没頭している娘の部屋に入ってゴーグルを付けたとたんに娘のアバターになって友だち(のアバター)に出会うという設定で、アラカンで専業主婦の妻は現実空間の日常語、友だちは仮想現実空間のデジタル語(アルファベットの略語満載)でしゃべるところがおもしろい。これから4回のセッションでキャラクターを分析して役作りをして行くわけで、佳境に入って来たというところかな。将来芝居の脚本を翻訳するのに役立てられるようにがんばろうっと。奨学金を受け取った人が将来ワタシの翻訳作品の上演に関わるということだってあり得るかもしれないしね。