私は テニスン を好きだが、 時々、彼は私を怒らせる。彼は美しい ―― けれども完全なる芸術家 キーツ のように 余りに美し過ぎはしない。(中略) キーツ は余りにも美に満ちている。 彼の詩を読んでいると、 まるで薔薇の中で息詰まるような気がして、 冷たい空気を吸いたくなったり、 山の頂きの厳しさを恋しく思ったりする。 【「エミリーはのぼる」 第19章】 |
今日は、カラッとした五月晴れ。
昨日のような黄砂もありません。
気持ちの良い一面の青空が
広がっていたものです。
そう、これなんです。
私の待ち望んでいた季節は。
5月は私の季節。
と申しますのも、
今月は私の誕生日。
つい3日前に迎えたばかりですが、
あの アン が焦れた月でもありますね。
「もし、あたしの両親が
あたしに相談して
くれたのなら、3月には
ならなかったでしょうよ。
勿論、あたしは春の盛りに
生まれたいと言ったでしょうからね。
さんざしや菫の花と一緒に
この世へ現れるのは素晴らしいわね」 【「アンの青春」 第13章】
さて拙庭に、ご覧のように薔薇が、
あっちにもこっちにも咲き、嬉しい悲鳴を上げています。
『アンの世界』 では、薔薇のみならず、
様々な花の宝庫です。勿論、自然の美しさも。
それは、「春には誰でも詩人になれる」 そうですから、
詩人の話題にも事欠きません。(日常会話に良く出て来ます)
次に紹介する ジョン・キーツ もそうですが、
ミルトン (アンの幸福)や 、ロングフェロー (アンの青春)等など・・。
英国風の紅茶を頂きながら、時にはこれらの詩を朗読してみる・・。
いいえ、アンのように、すらすら暗誦出来るなんて、大層素敵な事に思えます。
空想は 夏の季節の喜びを ごっそりと運んで来る。 露の芝草、灌木の小枝から 5月のあらゆる花の蕾や 釣鐘草を。 静かに こっそりと忍びながら 積み上げられた 秋の全ての豊饒を。 空想はこれらの愉しみを 一つのカップの中に 3色の葡萄酒のように 混ぜ合わせ お前は それをぐっと飲み干す 又お前は、 遠くから穫り入れの唄を 手に取るように聞くだろう 刈り取られた麦の さらさら鳴る音、 楽しい小鳥たちが 朝の唄を歌うのを。 丁度その時 ―― 耳を傾けるのだ ―― それは 4月初めの揚げ雲雀、 又枝屑や 麦藁を漁って せわしく鳴く 深山烏だ。 お前は一目で 雛菊や 金盞花に気付くであろう。 白い羽根飾りのある百合と、又垣根に 初めて咲いた桜草を。 萎れたヒアシンス、いつも 5月半ばの青玉色の女王花を。 全ての木の葉や 花々が 同じ季節の雨を浴びて 真珠の玉で飾られるのを。 ~「ジョン・キーツ詩集」 より |