【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

初夏に舞う妖精たち

2011-05-18 15:58:28 | ハーブと香り雑学



ジャイルズはゆったりと
ローラーに寄りかかっていた。
グエンダは 薔薇 の芽をはさみで切っていた。
ミス・マープルは少し奥に引っ込んで
蔓草 にかがみこんでいた。
マニング老人は熊手を杖代わりにしていた。
全て昔ののんびりした朝の話し合いと
古き良き時代の庭作りに向いた道具立てであった。
(中略)
「ご近所のユール夫人は、イチイ の垣を
リスの形に刈り込ませたものでした ――
それからランバート大佐 ――
いつも ベゴニア の綺麗な花壇を作っていましたよ。
花壇作りも今じゃ流行遅れですがね。
あっしがこの6年間、何度前庭の花壇を埋めちゃあ
を植えたか話したくもありませんや。
皆もう ゼラニウム や素敵な ロベリア
縁どりなんかに見向きもしなくなったようでさあ」
          【A・クリスティー作 「スリーピング・マーダー」】


   昨日と違って今日は、快晴の朝を迎えました。
  カラっとして爽やか、ヒンヤリ。こんな時の定番の言葉は、そう高原の朝。
  その5月の爽やかさは、この時間になっても続いています。

   実は、その予感は昨夜から。
  思いの外、冷えた事と休む前に眺めた満月のお月様が、
  ハッとするほど綺麗でしたから。それは、この季節には珍しい青褪(ざ)めた月。

   しかも丁度、カーテンとカーテンの隙間から
  顔を出しているという、おまけ付きです。
  (暖かくなってからは雨戸を閉めていませんので)

   こうなれば勿論、お月様と共に眠りに着けるという数少ない幸運にも。
  ただ昨夜は月明りが、やけに明るく感じられたものです。
  従って勿体ないけれど、すぐに閉じる羽目に。

   そう言えば、どなたかが言っていらっしゃいましたね。
  震災以来、街は暗くなったけれど、月明りや星明りがある事に気付いたと。

   自然は、天災という不幸を時にもたらしますが、
  その同じ自然に私達人間は、どれだけ癒やされて来た事でしょう。
  改めて考えさせられます。





   さて、薔薇に現(うつつ)を抜かしている間に、
  拙庭では着々と世代交代が行われています。

   蔓日々草(ツルニチニチソウ)の青い花は、まだまだ現役ですが、
  そのお隣には同色の花菖蒲が顔を覗かせました。(冒頭の写真)
  
   かと思うと、あれほど席巻(せっけん)していた、
  西洋十二単(セイヨウジュウニヒトエ)は、そろそろ終焉に。
  
   代わりに登場したのは、ワイン色の蕾を付けた 「羽衣ジャスミン」。
  いつも思うのですが、真っ白な花を咲かせる花とは思えないような蕾の色。
  尤も下の地域では、既に満開のお宅もありましたけれど。

   それに忘れてならないのが、ハーブの可憐な花たち。
  ローズマリー、チェリーセージ等、お馴染みの花も続々です。

   それにしても・・。小さなハーブの花は、妖精が舞っているようにも見え・・。
  その上、奇しくも花菖蒲は 「初夏の妖精」 とも呼ばれているのだとか。
  従って今日のタイトルは、これで決まりです。