⇒ こちら
以下抜粋
安倍首相の“腹心の友”が加計孝太郎氏なら、さしずめ 元TBSワシントン支局長、山口敬之氏 のことは、“腹心のジャーナリスト”と呼んでみようか。
NHKの岩田明子氏と、産経新聞の石橋文登、阿比留瑠比のご両人もさることながら、昨今では山口氏への総理の寵愛が目立ち、どうやら官邸と警察がつるんで山口氏の卑劣なレイプ犯罪まで帳消しにしてやったのではないか、という疑いまで出てきたのである。
山口氏の罪状を告発したのは、ほかでもない、レイプされたと訴える被害女性自身だ。顔と名前をさらして、弁護士とともに記者会見するため司法記者クラブに現れた。
所轄警察が山口氏への逮捕状をとりながら、警視庁の司令で執行できず、結局は不起訴処分になったことについて、検察審査会に不服を申し立てたのだ。
就職をエサにおびきだす
2015年4月3日の夜、ジャーナリスト志望の詩織さんは「あなたならTBSのワシントン支局であれば、いつでも仕事を紹介する」と言う当時のTBSワシントン支局長、山口氏の言葉を信じ、就職相談のため東京で会った。
二人は恵比寿の串焼き店で落ち合い、詩織さんはビールをコップで2杯、グラスのワイン1杯を飲んだ。その後、山口氏が予約していた行きつけの寿司店に移動し、そこで異変が起きた。
「約1時間ほど経ってから、突然めまいがしたので私は2度目のトイレに立ちました。そして、給水タンクに頭をもたれたところで、その日の私の記憶は途絶えています」
寿司店では日本酒2合を山口氏とシェアした。アルコールには強いようで、「私はこれまで酔って記憶をなくしたことがありません」と言う。だから彼女は「デートレイプドラッグを混入されたと思っている」と日刊スポーツのインタビューに答えている。デートレイプドラッグといえば睡眠薬だ。
「私の意識が戻ったのは翌朝の午前5時ごろ。ホテルのベッドの上でした。私は裸にされており、山口氏が仰向けの私の上にまたがっている状態でした。事件から数時間後、近くの婦人科に行きました」
この事件を最初に報じた週刊新潮の記事によると、ホテルは、シェラトン都ホテル東京。ツインルームで、ベッドは一つしか使われた形跡がないという。
詩織さんは高輪署に訴え出た。当初、警察は応じてくれなかったが、4月30日になって、ようやく受理された。
「捜査員の方から君の人生が水の泡になる、などと言われ、考え直すように説得されました。ホテルの防犯カメラを調べてもらえれば私の言っていることが本当だとわかるはずです、と訴えました。そして映像の私が山口氏に抱えられ引きずられていく様子を確認し、ようやく捜査に取り組んでもらえるようになったのです」
その後の捜査で、午後11時ごろ寿司店を出てホテルにタクシーで向かったことや、車内での二人の様子もわかってきた。
「私と山口氏を乗せたタクシーの運転手の方によると、私は車内で、近くの駅で降ろしてくださいと何度も訴えていたのに山口氏がこれを聞き入れず、何もしないから、仕事の話をするからと、ホテルに向かう指示を出したそうです」
詩織さんの話をもとに、ここまでを素直に解釈するなら、山口氏は計画的にコトを進めたといえる。
所轄 から 捜査一課へ
「6月8日、複数の捜査員が逮捕状を手に成田空港で、帰国する山口氏を逮捕するために待ち受けていたそうです。今でも、捜査員の方が私に電話を下さったときのことを鮮明に覚えています。それは、『今、目の前を通過していきましたが上からの指示があり、対応することができませんでした、私も捜査を離れます』と言う内容のものでした」
「上からの指示」を出し、異例にも捜査担当を高輪署から警視庁捜査一課に移したのが、当時の警視庁刑事部長、中村格氏である。第二次安倍政権発足時に菅官房長官の秘書官をつとめ、現在は警察庁組織犯罪対策部長だ。共謀罪法案の可決を待ち望んでいる一人であろう。
官邸に他の記者より深く食い込んでいることを自慢する山口氏は、TBSを退社後の昨夏、参院選直前に「総理」というタイトルの安倍ヨイショ本を出版した。検察が不起訴処分にしたのは、その直後のことだ。
警察官僚がやったこと
安倍官邸は、よく知られているように、経産省とともに警察官僚が力を持っている。
事務方の官房副長官が元警察庁警備局長、杉田和博氏であり、中村格氏らと連携して、秘密保護法や共謀罪などの政策決定に関与してきたと推測される。
元警察庁警備局外事情報部長で、現在、内閣情報調査室を統括する内閣情報官、北村滋氏も安倍シンパの警察官僚といえるだろう。
週刊新潮5月25日号によると、どうやら山口氏が詩織さんのことで直接、相談していたのは北村氏のようだ。記事の一部を引用しよう。
(山口氏に)その取材依頼書をメールで送った後のこと。「北村さま、週刊新潮より質問状が来ました。○○の件です」というメッセージが、なぜか本誌に届いた。「北村さま」に転送しようとし、誤ってそのままこちらへ返信してしまったのだ。○○には被害女性の苗字が記されている。その文面から、かねてより山口・北村間で今回の事案が問題視され、話し合われてきたことがわかる。北村と聞いて頭によぎるのは、北村滋内閣情報官を措いて他にない。
このように、自らの事件について安倍官邸と、関係する警察官僚の世話になってきた山口氏が、森友学園問題などで数多くのテレビ番組に出演し、安倍首相に有利なコメントをしてきたのは、人情論としてはよくわかる話であるが、少なくともジャーナリストのとるべき姿勢ではない。
山口氏の逮捕とりやめ事件は、“アベ友”特別扱いの一つではないかとして、官邸に疑惑のまなざしが向けられている。国民へのきちんとした説明が必要だ。
アベ友の犯した性犯罪も取り締まろう
その点、国会での質疑が不足し、マスコミの報道がいささか及び腰であるのは、きわめて残念である。
性犯罪を厳罰化する刑法改正案が衆議院で審議入りしたばかりである。権力の恣意によって処罰の適否が左右されないよう、国会、メディアともに、この事件を矮小化せず、性犯罪被害者の心に寄り添う政治や捜査のあり方を突き詰めていくべきだろう。
アベ友は豪華に暮らせる
週刊現代6月17日号によると、ザ・キャピトルホテル東急の15~17階にある超高級賃貸マンションの一室に月額200万円の賃料を払って事務所をかまえる山口氏。いくら最近、テレビ出演のオファーが相次ぎ、「総理」などの著書を出し、雑誌に記事を書いているとはいえ、とてもそれだけで、ジャーナリストらしからぬゴージャスな生活を維持できるとは思えない。
今回の疑惑について、山口氏はフェイスブックなどで「私は法に触れる事は一切していません。…1年4ヶ月にわたる証拠に基づいた精密な調査が行われ、結果として不起訴という結論が出ました。よって私は容疑者でも被疑者でもありません」などとコメントしているが、「不起訴」だから問題ないという態度はジャーナリストの資質として、いかがなものだろうか。
山口氏が今後もジャーナリストとして仕事を続けていきたいのなら、権力の走狗となって庇護されるのではなく、一般市民の側から権力を客観視する姿勢をとるべきであろう。権力に肉薄するのはよいが、心まで売り渡してはならない。
山口さん 応援します。心を入れ替えてくださいね。ボロは着てても心はニシキだよ。
。