昨年より大規模修繕工事が開始され、今後も長期に渡る活躍が約束された小田急1000形ですが一方で6両編成6本が在籍するワイドドア車については更新の対象から外され、先が見えてしまった感が否めなくなりました。既に先頭車を中間車化する大規模な改造を施している事や、新宿駅の可動式ホーム柵設置に伴い他形式と連結しての急行運用からも外れたことから中途半端な存在になってしまっているので止むを得ない措置と言えるのですが・・・。
以前に用事で多摩線を利用したときに丁度1751Fが運用に入っていたので、軽く撮影してみました。すっかり郊外線の各停専用車として定着した感がありますね。写真は上り側なので特に差異は見られませんがクヤ31の牽引に対応している為、下りの小田原寄り先頭車には電連が存置され、スカートには切り欠きが入っています。
クヤ31検測の伴走車として運用中の姿(後部6両)。クヤ31は運用の際に1000形の電源供給を受ける必要がある為、対応改造を受けた1051F4両、1751・1752Fの何れかの編成が新宿側に連結されます。近年は1051Fが他の編成と連結しての10両運用が目立つ為、このようにワイドドア車が検測に充当されることが多いようです。もしもワイドドア車が廃車になる日が来たら、1751・1752Fを事業用電車として残してくれないものでしょうか。幅の広いドアは座席や吊り手を撤去すればホームドアや工事用の資材を輸送するのに丁度良いと思うのですが、是非とも検討願いたいですね。
改造工事を受けた車内設備です。1751F・1752Fは当初から6両編成で製造されており、中間化改造車は編成内に含まない他、LED表示器を標準装備している一方ドアチャイムの設置は見送られるなど相違点が目立ちます。
1000形ワイドドア車両を特徴付ける奇妙な側扉です。2メートルの開口幅だった扉は後年の改造で1.6メートルに縮小されたものの、外側には一切改造を行わず引き残しを設けているように見せています。ステンレスの外板なので改造が困難なことからこのような改造になったようです。ちなみに、扉上部に設置された手掛けは引き残しのある外観上の違和感を最小限にするための物で、特に深い意味は無いとのことでした。
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