去る5月17日を以て、長きに渡り大山・ヤビツ峠へのアクセス線として親しまれてきた大山ケーブルの「たんざわ号」「おおやま号」の両車が引退しました。大山ケーブルは大山阿夫利神社への参詣を目的に1931年に開通した大山鋼索鉄道を前身とする路線ですが。1944年に一時不要不急路線として営業を休止してしまい、1950年に設立された大山観光(1953年に現在の大山観光電鉄に名称を変更)の手で再び開通することになり1965年に営業運転を開始しました。「たんざわ号」「おおやま号」はこの1965年の開通時からの車両で、実に50年間の長きに渡り活躍して来ました。筆者は最終日には行けませんでしたが、以前に御名残乗車も兼ねて撮影を行ってきたのでアップしたいと思います。
中間の大山寺駅で。写真でも判るように、係員がドア扱いを行っていますが大山ケーブルでは乗降用ドアが手動になっており、乗り降りの際には乗務員が手でドアを開け閉めする近年では極めて珍しい光景が見られました。
大山ケーブル駅に停車している赤い車体の「たんざわ号」です。相方の「おおやま号」とともに、一時期は小田急ロマンスカーと意匠を揃えた装いでしたが、後にこのカラーに変更されています。この時から既に引退を知らせるヘッドマークを掲げていました。
たんざわ号の車内です。座席は秋をイメージして紅葉をあしらったモケットになっています。中間の大山寺駅での降車時に鳴らすバス用ブザーが目立ちますね・・・。
緑の車体の「おおやま号」こちらにも引退を告げるヘッドマークが取り付けられました。両車共にデザインは共通のようです。
こちらは青紫の地色に鹿と大山の民芸品の独楽をデザインしたモケットです。
今後は新型車両搬入と、設備の大規模改修の為長期運休に入り、新型車両での運行開始は2015年10月1日を予定しているとのこと。今度の新型車両のデザインは小田急50000形・60000形を手掛けた岡部憲明氏が担当するとのことで、早く実物に御目にかかれる日を楽しみに待ちたいと思います。