E233系の後継として開発され、続々と山手線に導入され、遂に車種統一を果たしたE235系ですが、2020年下旬には早くも横須賀線・総武線快速への導入が決定し、今後も順次他路線への拡大も計画されていることから、早くも東京エリアの新しい顔になっています。イラストで概要が発表された時は独特な正面デザインが物議を醸しましたが、登場から4年余りが経過して、すっかり違和感も薄れ定着しつつあるようですね。
今年3月14日に開業し、その駅名が物議を醸した高輪ゲートウェイ駅先端で外回り運用中のトウ17編成を捉えました。山手線に於ける名撮影地が爆誕し話題になりましたが、同駅周辺では品川ゲートウェイ地区の開発が進められており高層ビルが建設される為、綺麗な順光で撮影出来るのは期間限定かも知れないですね?
JRのポスターなどでも使われたことがある定番撮影地・御徒町駅にて。こちらは編成全部は入りませんが、迫力あるカーブ構図が魅力です。丸みを持たせたふくよかな造形のE233系から一転して平面的になった正面は、ラインカラーを帯ではなくグラデーション模様で表現する今までに無いスタイルです。一部からスマホのようだと揶揄されたこのデザインは、「人と人、人と社会を繋ぐ情報の窓」をイメージしているのだそうで。正面ガラスは分割式になり、破損した時の交換の手間を軽減しています。
E233系をベースに更に改良された車内設備。ラインカラーと同じウグイス色の抗菌吊り手や半透明化半透明化された袖仕切り、広告用のデジタルサイネージが目立ちます。手すり類は枕木方向に連続的な曲線で接続するロールバー構造とし側面衝突時の強度を向上させています。当初の計画では紙媒体の広告を廃する予定でしたが、広告主からの強い要望で結局残されることになりました。
ドア上には当然のごとく17インチワイド液晶画面を設置。三菱電機セサミクロを導入するものと思っていましたが、E235系では側面窓上部と妻面貫通扉上にも動画広告用画面を設置するため、日立製作所が駅に設置されているデジタルサイネージをベースに新規開発した製品を搭載することになりました。戸閉装置も左右の扉が押し付け合う方式のラック式がこれまた新規に設計されており、これまでの電気式ドアとは動作音が異なります。
今後は横須賀線・総武線快速の他、宇都宮線、高崎線に導入しE231系の初期車置き換えも視野に入れているようですが、捻出される同系は4両・6両に組み替えられ残存する211系・205系置き換えに充当されることが予想され、また首都圏とその周辺線区で大きな動きが見られるでしょう。
※本記事は2019年10月23日分を修正し、写真を差し替えました。