本日12月15日は富士急行(富士山麓電気鉄道)1000系が31年に渡る活躍に終止符を打ちました。本形式は1993年より、小田急電鉄から譲受した5700形と自社発注の3100形を置き換えるために京王帝都電鉄(当時)より初代5000系の譲渡を受け、2両ユニット化と営団3000系の廃車発生品の台車を組み合わせる改造を施し登場した形式で最盛期は2両編成9本の18両が在籍し、主力車両として運用され、老朽化と6000系導入により2011年から廃車が開始されていました。晩年期に入ると様々な塗装バリエーションが登場しカラフルな装いでファンを楽しませていましたが、最後に残ったのは京王時代のカラーに戻された1001編成でした。
種車となった初代京王5000系が2013年で登場50年を迎えることから、その記念企画で2012年10月28日より京王線在籍当時のカラーにされた1000系モハ1001+モハ1101。京王時代の番号であるデハ5113(モハ1001)とクハ5863(モハ1101)を原寸大の切り文字で車体に再現するなど近年のリバイバル塗装車にしては非常に凝った仕様でした。
車体カラーを5000系時代に戻してからは、他編成の廃車が進行しながらも生き残り京王線当時のヘッドマークを掲出しての運転や撮影会の実施など度々イベントに登用され注目の編成でしたが、元JR東日本の205系の6000系増備後は平日に不定期に運用されるのみになった他、全く運用に入らない日も多くなっていました。
2021年度の撮影会で「迎光」のマークを掲出した1001編成。定期運用最後の2日間と最終日の臨時列車では「高尾」「迎光」と、さよならヘッドマークが掲出され、幕引きに花を添えました。
車内は京王時代からのロングシート仕様ですが、譲渡時には室内更新も行われているため化粧板や床材仕上げ、座席モケットなどが新しくなった他、袖仕切りも新設されたためイメージが変化しました。なお、観光需要が高い路線ということもありロングシートを維持していた編成は少数派で、ドア間を固定クロス+転換クロスシートとし1200形として区別される編成が多数を占めていました。
京王時代は5113Fとして1966年に新製され、26年に渡り運用された後1992年の廃車後に富士急行に譲渡され京王時代より長い31年間も在籍し、その活躍は57年余りに及びました。老朽化も大分進んでいたと思いますが、ここまで長く運用され無事に勇退を迎えたことに先ずは敬意をを表したいですね。