京成電鉄では普通鋼製車体で抵抗制御の3200・3300形とセミステンレス車体で老朽化が予想以上に進行し、更新工事を打ち切った3500形の置き換えを進めるべく2002年12月より、京成本体のみならずグループ会社も含めた標準車両とすべく2代目となる3000形を導入しました。京王9000系、小田急3000形と同様に日本車輌製造ブロック工法を用いた軽量ステンレス車体で、京成初となるIGBT-VVVFインバーター制御を採用し自社線内から都営浅草線・京急線直通など幅広い運用を可能にした汎用性を持ち10年以上に渡り増備が続けられ現在は8両編成14本と6両編成27本の274両が在籍しています。増備が進行するごとに改良が加えられ相違点が生じていますが、今回は8次車〜10次車を記事にします。
京急線内で快特運用に就いている3029F。10次車に当たる編成で2014年度鉄道設備投資計画で増備が発表され、3030Fと共に2015年より運転を開始しました。基本仕様は9次車準拠ですが、側面ガラスがUVカット化され夏季のジリジリ感を和らげる仕様に改められています。このグループの導入で3300形が全廃され更に代替で3700形1編成が北総鉄道にリース、玉突きで7260形が運用を終了しリース元の京成へ返却・廃車されかつては赤電として親しまれた車両が消滅しました。
8次車3026F。3027Fと共に2013年導入車で、成田スカイアクセス用の7次車で採用された仕様を反映し、15インチ液晶画面を全ドア上に設置しました。このグループの登場から3300形の編成単位での廃車が進められました。
車内設備。3700形よりも淡い色調の化粧板ですが、同系の3868Fで採用されたラベンダー系の座席を踏襲しています。1〜6次車では車内案内表示にLED表示器を配置していましたが、現在は17インチワイド液晶画面に換装されており、新製時から15インチ画面を搭載する写真の8〜10次車とは識別可能です。
現在では小振りな印象の15インチ液晶画面、従来編成同様にドアチャイムも鳴動します。1〜6次車では案内表示が設置されていない部分に路線図を掲出していましたが、7〜10次車では広告と路線図を交互に掲出しているようです。
この3000形導入で、すっかり整理されてしまった京成通勤車ですが、よく観察すると意外にバリエーションがあり、これはこれで結構面白いですね。