1986年の登場以来、関東地方では初となる直流1500V電化鉄道線向けの量産型VVVFインバーター制御車として活躍していた8800形ですが、2016年2月に8803編成が三菱電機のフルSiC適用の最新型インバーターに換装されて出場しました。翌年からは8807編成が走行機器と共に車内設備も大規模更新され出場し本格的なリニューアルが施工されるようになりました。
8800形の中では一番最初に機器更新を受けた8803編成。当初はVVVF制御装置の換装のみだった為、しばらく幕式の行先表示器・菱形のパンタグラフを維持していましたが後年(2020年施工)のリニューアルで行先表示のフルカラーLED化・シングルアームパンタグラフへの換装を実施しました。同編成は中間車を先頭車化して誕生した編成です。
京成千葉線に乗り入れた8803編成。京成線内でも普通列車のみの運転ながら種別+行先を表示しますが、新京成線内では一枚目の写真のように「京成津田沼方面 京成線直通」と表示します。
化粧板・床材・座席モケット・吊り手などは全て新品に交換され、印象が大幅に変化した車内設備。車体のカラーであるジェントルピンクに併せて、ピンク系の配色で纏めています。
車内案内表示器もLEDスクロールに代わり、コイト電工の“パッとビジョン”に換装されました。また乗客の目に入らない部分として戸閉装置も更新され、動作音が変化しています。これ程手を加えられても、古めかしいデザインの関東型ドアステッカーがそのまま継続使用されているのが素晴らしいポイントですね。
新京成電鉄公式の発表によると、1年に1編成のペースでこの更新を実施し、最終的に9編成に施工されるとの事です。8800形は全16編成在籍しており、7編成については未更新のまま廃車になることを示しています。姿は大幅に変わりましたが、やはり一時期の新京成の代表車種であり、尚且つ関東初のVVVFインバータ制御車という栄誉があるだけに、長い活躍を期待したいものです。(いつか8801編成の旧塗装化や欲を言えば保存なども検討して頂きたい…!)