町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

文教地区を駆け抜ける2代目虹色電車・京王1000系(1・2次車)

2021年04月01日 | 京王電鉄(電車・バス)

レインボーカラーの電車が走る路線として利用者に親しまれる井の頭線に1000系が就役したのは1996年のことで、1962年登場の3000系以来実に34年振りの新車導入でした。井の頭線向けの車両としては初の20メートル級車体に4扉のVVVFインバーター制御車で、社名変更前の京王帝都電鉄としては最後の新形式車になっています。現在は19962004年に製造された編成に対し大規模修繕と機器更新が施行されており、大きな変化を見せました。

ブルーグリーンの塗装を纏う1708F。この編成は2次車に当たり、1998年に増備されました。偶数編成と奇数編成で制御装置のメーカーと半導体素子が異なっていたのも特徴で、偶数編成は日立製作所製IGBT、偶数編成は東洋電機製GTOサイリスタのVVVFを搭載していました。3次車では番号に関係なく東洋電機のIGBTとなり磁励音も異なっていましたが、機器更新で1〜3次車は全て東洋電機のIGBT(1C4M方式)と全密閉式主電動機に統一が図られています。側面帯の2色化や正面のパノラミックウィンドウは3000系リニューアル車にも反映されました。尚、前頭部と側面の太帯はブルーグリーンですが濃い細帯はグリニッジブルーと称しています。

アイボリーホワイトの1次車1702F、側面細帯はキャメルブラウンです。12次車は2M3T組成でしたが雨天や降雪時に空転が多発した為3次車から3M2Tに変更され、12次車も更新の際に中間のサハ1500を電動車化してデハ1050に改めています。

サーモンピンクの1703F、帯はチェリーピンク。1998年に登場した2次車で、この後3次車増備までは4年の間が開きます。1701F1710Fの増備で3000系の内、電力回生ブレーキを持たない抵抗制御車が全廃されました。

ライトグリーンの1704F。側面はオリーブグリーンの組み合わせで、落ち着いた緑系のカラーリングはかつてグリーン車として親しまれた京王旧型車に通じるものがあります。

バイオレットの1705F。帯はジェンシャンパープルで、梅雨時に沿線を彩る紫陽花をイメージさせるカラーです。

京王電鉄と東京都交通局のコラボ企画、鉄道探偵のヘッドマークを掲げたオレンジベージュの1706F。側面はバーシモンオレンジです。本来この編成はベージュでしたが、明度不足を理由に変更されました。また、正面貫通扉と助手席側窓のピラーが銀色で目立ちますが、本来の100012次車はこの形態で3次車から3000系により近いイメージにするべく黒色化されるようになり、近年は初期車にも及ぶようになっています。

吉祥寺駅で並ぶライトブルーの1707F5次車の1728F。共に側面はマリンブルーの組み合わせです。2本並ぶと前頭部の形状の違いが良く分かりますね。

更新工事で大幅に印象を変えた車内設備。床の本来は不要な主電動機点検蓋がこの車両が登場した年代を伺わせます。京王線の8000系の大規模改修では一般的な四隅が曲線のドアに交換されましたが、1000系では四隅の角ばったE233系タイプのドア窓になり、図らずも6000系で確率された京王の伝統的スタイルを踏襲しています。

また、沿線に咲く紫陽花をモチーフにした座席に化粧板は艶のある白で桜の模様が入り、蝸牛やハートの隠し模様がどこかに配置されるなど遊び心と沿線の魅力を押し出した上質な空間になり、本線格の京王線車両とはデザインやコンセプトの違いが一層際立つようになりました。

大規模改修も完了し、今後も長く活躍する事と思いますが新車をも凌ぐ上質な車両に生まれ変わったことは手放しで喜びたいですね。

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