長らく海老名電車基地の格納庫で保管されて来た初代3000形SE車も収蔵され、常時その姿が見られるようになりました。日本では初となる本格的特急車として、登場時の1957年当時狭軌鉄道では世界一の145キロを記録し新幹線開発の基礎を築いた極めて重要な車両でもあり、ロマンスカーミュージアムの展示車両の中でもハイライトと言える存在です。
登場直後の姿に復元された新宿側のデハ3021+3022。引退以来ずっと保存用の車庫の中に収容されていましたが、初めて太陽の下に姿を見せたのは2007年のファミリー鉄道展でのことでした。
小田原側のデハ3025は御殿場線直通改造・5両編成化後の馴染み深いスタイルです。本来はサハ3023とデハ3024を含む3両が晩年の姿でしたが、この2両はミュージアムへの収容に当たって解体されてしまいました。
NSEと共に小田急ロマンスカーの名を全国に広め不動の地位を確立したこの2形式はマスメディアへの露出も多かった為、昭和世代にとって小田急の特急といえばこの2形式というファンも多いのではないでしょうか。
回転式クロスシートが並ぶ車内。1984年の車体修理後の為、登場時とは座席や化粧板の配色が異なるほかファンデリアに代わり冷房が設置されています。車体のみならず座席も旅客機に設置される物を参考にし極限まで軽量化に拘った仕様になりました。日本の鉄道のだけでなく、産業考古学上も極めて重要な車両ですが、引退が始まった頃は保存計画が無く後に役員会議で決まったのだそうです。