町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

京急1500形、置き換え計画が浮上。

2021年08月11日 | 京浜急行電鉄

現在の京急の旅客車両の中では最古参になり、遠くない将来に置き換えが予想されていた1500形ですが、東洋電機技報第143(100020次車電機品)に於いて、令和4(2022)年度以降も、順次1500形置き換えによる製造が予定されている旨の記述がありました。これにより1500形の代替車両は新1000形になる事が判明し、更なる増備が続くことが確定しています。先ずは普通鋼製車体・界磁チョッパ制御の4両編成が最初の廃車になるかと思われますが、アルミ車体・VVVFインバーター制御車の処遇にも注目が集まります。

都営浅草線から直通の快特運用に就くアルミ車体・新造VVVFインバーター制御の1713編成。京急川崎行きなのは撮影当日に人身事故発生で三崎口行きから急遽変更した為です。1990年からの増備車は界磁チョッパ制御からGTOサイリスタによるVVVFインバーター制御に変更され、正面にはスカートを設置するようになりました。1713編成は1992年度の落成で、東洋電機製の制御装置を搭載していますが中間のデハ1715+デハ17162両のみ三菱電機製となっており、発する磁励音が異なっています。なお、1500形初の廃車は2012924日に追浜〜京急田浦間で発生した土砂崩れで脱線したVVVF車第一陣の1701編成で、現在は1706のみが残され金沢検車区構内で訓練機材に使用されています。

別の日に成田スカイアクセス線アクセス特急に充当される1713編成。原則として京成本線・成田スカイアクセス線乗り入れは停車駅予報装置を設置している車両に限定されている関係で600形・新100010次車以降の編成が使用されていましたが、列車無線のSR化に伴い他編成にも新設され10次車以前の新1000形や1500形も充当できるようになりました。自社線内でも幅広い運用に使用されている1500形ですが、京成線・北総線内では普通列車が原則だった為白眉とも言える運用です。

更新工事を施工された車内。前回記事にした元界磁チョッパ制御車と比較すると、主電動機点検蓋が不要になり廃止され、駆動装置点検蓋のみ設置されるようになりました。近年はホームドア用のQRコードを貼付けの為、一部のドアの注意を促す特徴的な円形ステッカーが剥がされています。

界磁チョッパ車同様、更新工事施工の際にドアチャイムと共に新設されたLEDによる車内案内表示。京急線・都営浅草線のみならず乗り入れ可能な区間全てに対応しています。

他形式に比べるとやや地味な印象がある1500形ですが、汎用性の高さと共に初のVVVFインバーター制御車両という京急の車両史では大きな転換点となる形式でした。運用範囲の更なる拡大という明るい話題の一方で、置き換え発表は残念なことですが、気になるのは鋼製車は真っ先に置き換えられるとしてVVVF編成の動向です。京急の方針ではアルミ車の寿命は(方針が変わりなければ)45〜50年程度と位置付けられていますが、「再度の更新は無い」と明言されているため寿命を待たずメンテナンス省力化の為に20次車以降の新1000形で置き換えてしまうのか、また京急車を多数譲受している高松琴平電気鉄道がバリアフリー対応新型車の導入を計画していることも発表しており、この1500形が譲渡になるのかなど色々目が離せない形式になりました。

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次期標準車両として幅広い活躍を見せる西武鉄道40000系(50番台)

2021年08月09日 | 西武鉄道

西武鉄道初のデュアルシート装備車として20173月に登場した40000系は、有楽町線・副都心線との直通を行う有料座席指定列車「S-TRAIN」と、日中はロングシートモードで線内運用中心に運用されて来ました。2019年からは50番台に区分されるオールロングシート・トイレ設備無しの編成が登場し、6000系と共に日中は運用が設定されていなかった副都心線〜東急東横線・みなとみらい線にも姿を見せるようになりました。

前面の非常用貫通扉にLONGのマークを掲出する4000050番台。東急東横線内でFライナー特急運用に就く姿です。50番台は6000系同様に副都心線系統の他、有楽町線内折り返し列車や平日限定で元町・中華街〜渋谷間で完結する運用も存在し、幅広い活躍が時間帯を問わず見られます。デュアルシート装備の0番台同様に10号車に設置の車椅子・ベビーカー向けパートナーゾーン、半自動機能付きドアも引き継がれました。

自社線運用にも充当されており、池袋〜飯能間で地下鉄に関連しない優等列車に就く姿も。30000系のコンセプトを発展させた「人にやさしい、みんなと共に進む電車」として今後の標準車両に位置付けられている為、更なる増備が予定されています。

車内設備。座席は首都圏の標準車両で見慣れた片持ち式ですが、背凭れ形状が変化し独自性を出しました。白を基調にした清潔感のある配色で、袖仕切りのガラス部や青いロングシートのモケット、妻面貫通扉部分に桜の模様が描かれ瀟洒ながら楽しく華やかな雰囲気を併せ持っています。

ドア上には左右一体型ワイド液晶画面(西武スマイルビジョン)を設置。この装備は15インチ画面を搭載する30000系初期車や池袋線所属の6000系にも波及し換装された編成が登場しています。

西武鉄道の標準車両という事で地上線から地下鉄直通まで幅広い活躍を見せており、ペースは非常に緩やかながら今後も増備が予定されています。将来的には地下鉄用のATOを省略した新宿線用車両の登場も期待されますね。

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全廃まで残り僅か、数を減らす東急8500系(初期車)

2021年08月07日 | 東京急行電鉄

2020系増備開始に伴い廃車が再開され、田園都市線のヌシ的な存在だった8500系も大幅に激減し、土休日は朝夕のみの運用になる日もあるなど、いよいよ最後の活躍に入っています。膨大なバリエーションも今はすっかり整理されてしまいましたが、かろうじて20218月現在でも初期に製造された車両が活躍しています。

現役最古参の8619F。1976年に新玉川線開通を控えて増備されたグループですが一時期8000系を中間に組み込んで東横線で営業運転を行っていた実績があります。その後も編成組み替え・増結を繰り返し1985年に現在の編成組成になりました。20008月には13号車(861987258936)910号車(88188519)に対して室内更新工事が施工され車内設備に差異が生じています。近年には座席モケット交換(オレンジ+ブラウンからワインレッド単色へ)を受けました。

東武伊勢崎線内を激走する8622F。上の8619Fとは同時期の登場で、やはり新玉川線開通まで東横線で暫定的に営業運転を行っていた時期がありました。この編成も室内更新が施工されましたが8619Fより少なく、13号車(862287288942)10号車(8522)の僅か4両に留まっています。

2014年中頃より、連結面には視覚障害者への注意喚起と思われる黄色い警戒テープ貼り付けが開始され外観上に変化が生じました。効果の程は疑問ですが、全廃間近の形式にも全て波及しています。

室内更新工事が施工された初期車の車内(シートモケット交換前)。座席の7人掛け+バケット化と袖仕切りの新設で近代化されました。とはいえ首を振る扇風機や台形に張り出した冷房の吹き出し口など流石に古さは否めなくなって来ましたねもう全廃まで1年もありませんが、最後まで無事故で活躍してくれることを願うばかりです。

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神奈川県で活躍する東急バスの標準尺ノンステップ・エアロスター

2021年08月03日 | 東急バス

2014619日に三菱ふそう・エアロスターのモデルチェンジが発表され、東急バスでは短尺仕様で世田谷区の淡島営業所と神奈川県横浜市の新羽営業所に配置されました。それから間が空いた20153月に青葉台営業所にも新製配置される事になりますが、同営業所には標準尺車が導入され、東急バスに於ける大型ノンステップ車では久々の事例でした。

青葉台駅で待機するAO1564号車(QKG-MP38FM2015年式)。同営業所には以前記事にしたような長尺車なども在籍しており朝夕の通勤ラッシュ対策で標準尺を選択したと思われます。車体が伸びた為、短尺では固定式だった前中扉間の窓が逆T字型になりました。

小田急バスの新百合ヶ丘駅へ乗り入れた虹が丘営業所所属のNJ1666。上と同型式で、ワンステップ仕様車と並行して導入されました。こちらも長い車体の収容力を活かし桐蔭学園へのアクセスなどで混雑する新23系統を中心に運用されています。

短尺ワンステップ車の代替で導入されたAO1972(2PG-MP38FM2019年式)号車をリア部から。20171011日より販売開始された型式で、車体外観こそ大きな変化はありませんが平成28年度排ガス規制をクリアーし、アイドリングストップの方式が自動戻り・手動切替の2種類が用意されている他、左側のバックミラーに側面監視用カメラが装備されました。今後も引き続き導入されるものと思われます。

車内は後部を1人掛け座席中心の配置にしたラッシュ対応仕様です。座席のモケットは以前記事にした虹が丘のワンステップ仕様車と同じですね。

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空港輸送に就く京急新1000形(17次車・1200番台)

2021年08月01日 | 京浜急行電鉄

2021720日にシーメンス製のVVVFを搭載する歌う電車で親しまれた最後の編成が運用を終了して話題を呼び、新たなバリエーションとしてデュアルシートとトイレ設備を備えた20次車が登場するなど現在話題の尽きない新1000形ですが、ステンレス車体ながら塗装仕上げに改められた17次車(1201編成)に京急・都営・京成・北総の4社相互直通を記念したヘッドマークが6月まで掲げられました。

成田スカイアクセス線からのエアポート快特運用に充当される1201編成。京急らしさを引き出す為に2017年、5次車以来11年振りとなる塗装車体で登場したグループです。運用開始当初は搭載機器が三菱電機フルSiC適用VVVFに改められたことで都営浅草線方面には運用されず、自社線内で完結する列車に充当されていました。しかし20205月より直通運用が解禁され、現在は京成本線・北総線方面から成田スカイアクセス線アクセス特急まで幅広く活躍する姿を見せています。登場が京急の創立120周年であったことから、8両は1200番台の車号が与えられました。

羽田空港〜逗子・葉山間のエアポート急行に充当中の1217編成、直通解禁までは専らこの列車を中心とした運用が組まれていました。現在は自社線専用の6両編成(1600番台)が充当される場面が頻繁に見られます。

車端部の片側をボックスシートにした車内。ボックス部にはスマートフォンやノートPCの充電用コンセントが設置され、長時間利用の際に重宝します。20次車では貫通式正面のトイレ付きデュアルシート車という事で話題になりましたが、そのうち駅間距離が長いアクセス特急や線内快特用に荷物置き場やトイレを備えたロングシート車の登場も期待したいですね。

車内案内表示は左右一体型のワイド液晶画面で情報量は更に充実し、国際空港アクセス列車には相応しい設備に。近年の車両では動画広告を表示する画面は省略されたのが意外です。

車体材質や搭載機器の変更を繰り返して、初代1000形を凌ぐバリエーションになった2代目新1000形ですが今後も更なる増備が予定されているようです。初期車と最新車では別形式にならないのが不思議なレベルで設計変更されていますが、いつまでこの流れが続くのか在来車の動向も合わせて注目して行きたいですね。

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