石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

データベース更新のお知らせ

2020-07-01 | データベース追加・更新
下記データを更新しましたのでご利用ください。

・世界及びMENA主要国のソブリン格付け比較(Standard & Poors:2020年7月 vs 2020年1月)

*追って本ブログで解説します。

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吸い上げる米国と中国、吐き出す日本:UNCTAD「世界投資レポート2020年版」(4)

2020-07-01 | 今日のニュース
(世界ランクシリーズ その9 2020年版)

2.FDIアウトバウンド(FDI Outflows, 対外直接投資)
(日本が2年連続で世界一の投資家!)
(1)2019年のFDI outflows(FDIアウトバウンド) 
(表http://rank.maeda1.jp/9-T02.pdf 参照)
 2019年の世界のFDI Outflows(アウトバウンド)の総額は1兆3,100億ドルであった。流入額が最も多かったのは日本であり、金額ベースでは2,270億ドル、世界全体の17%を占めている。日本に次いで流入額が多い米国とオランダが1,250億ドル(9.5%)で並んでいる。第4位は中国(1,170億ドル)、第5位ドイツ(990億ドル)である。これら上位5か国がFDI Outflows全体に占める割合は53%に達しており、直接投資の資金供給源が一部の富裕国に集中していることがわかる。

5位のドイツ以下は投資額が1千億ドル以下であるが、韓国は355億ドルで世界10位の資金供給国である。またロシアとインドのFDI Outflows額はそれぞれ225億ドル及び121億ドルである。中東の主要国ではUAEが最も多い159億ドルであり、世界で20番目にOutflowsが大きい国である。またサウジアラビアのFDIアウトバウンドは132億ドルでインドを上回っている。UAE、サウジアラビア以外で中東の主要な対外投資資金の供給国はイスラエル(86億ドル)、トルコ(28億ドル)などである。これに対してエジプトのFDI Outflowsは4億ドルにとどまり、イランの場合は1億ドルを下回っている。イランは米国の経済制裁のため対外投資もままならないようである。

2019年のFDI Outflows総額は前年(2018年)の9,900億ドルに比べ3,300億ドル、33%の大幅な増加であった。日本は1,430億ドルで2年連続で世界一である。一方、米国の前年のFDI Outflowsは▲906億ドルであった。Outflowsがマイナスであることは、動燃は過去の海外投資の引き揚げが新規の投資を上回ったことを意味している。

中国及びドイツは2018年のOutflowsでも世界2位と5位を占めており、日本と並ぶ資金の供給源である。2018年の対外投資額が3,600億ドルであったロシアの2019年の対外投資額は4割近く減少しているが、FDI Inflowsは2.4倍拡大している(前章参照)。このことからロシアでは2019年は国内外の投資資金が国内に向かったことをうかがわせる。

中東の主要国ではUAEのOutflowsは2年連続150億ドル台で安定している。サウジアラビアは2018年の230億ドルから2019年は4割減少しており、一方イスラエルは4割増加している。両国の投資家の姿勢は対照的である。また金額は小さいがトルコもサウジアラビア同様2019年の対外投資は前年を2割下回っている。イランの2018年の対外投資は7,500万ドルであり、2年連続で極めて低い水準である。
 
(続く)

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前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp
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