夕方の風景です。後ろの丘がまるっきり見えない白黒の世界に遮断機の赤だけが鮮やかに光っていました。
昨日、NHKのあさイチを見ていたんです。
東日本大震災で被害を受けた南三陸町の馬場中山集落の、震災直後から最近までの復興の様子が紹介されていました。
物資の援助も無い状態で、集落の人たちが、考え工夫して復興に向かう姿は、感動というより驚きでした。
被災した直後、比較的きれいな井戸水を探し、津波で流れてきた食料を食べ、流れてきた車からガソリンや、タイヤを外し、物資の援助があるまでの2週間を懸命に生きてきました。
そこにはAさん(名前を忘れましたm(__)m)というワカメ漁師がリーダーシップを執っていました。
親族が何人も亡くなったにも関わらず、お葬式にも行けず、地域のために奔走していました。
援助が入ってからは、まず仮設の広い避難所を建て、全戸が仮設住宅に入れるように奔走します。
仮設住宅に決まって住民がバラバラになる前のお別れ会での彼の涙は、胸が打たれました。
「一緒に暮らしていたのに、バラバラになるのが寂しい・・」
自分の事は省みず、住民のために寝る間も惜しんで走り続けた彼らは、大きな家族だったんですね。
船を調達し、そして新しい道路まで作る・・・・
道路って、お役所しか作れないと思っていました。
そしてその道路は、孫子の代まで安全に暮らせますように・・・という願いを込めて
「未来道」と名づけられました。
Aさんは、若い人たちの出来る仕事は若い人に任せ、ネットによる情報発信を行いました。
これだけ人を動かせて、地域の事を考えるAさんを見て、リーダーシップって何だろう?って思いました。
自分の名誉とか利権とか財産とか派閥だとか、そんなことに囚われている人たちに何が出来るのだろう?
日焼けした漁師のAさんが、だんだん恰好良く見えてきました。
ワカメ養殖の再開に、今後も心から応援したくなりました。
何かに寄りかかるのではなく、やれることは自分でやろう。
諦めないことが未来につながる。
震災はとてもとても辛い出来事だったけど、「幸せってなんだろう?」「生きて行くってどういうことだろう?」と考えるきっかけを作ってくれたと思います。
受け身にならず、自分から発信してみる。
年の初めに、元気になれる番組でした。