☆★今日のショット★☆

綺麗なお花や美味しいたべものなどあれこれあれこれ載せて行きたいと思います。

パーフェクト・センス

2012-02-20 21:45:51 | 映画・演劇・美術館



イギリス映画が好きだから、観ました(^^ゞ

恋人に「横に誰かがいると眠れないから」と言って彼女から離れるマイケル(ユアン・マクレガー)。
彼はレストランのシェフ。
漠然と石を投げたい衝動に駆られるスーザン(エヴァ・グリーン)。
彼女は感染学の科学者。

ある日、隔離された「嗅覚を失った患者」のもとにスーザンが呼ばれます。
世界の国々で同じ症例が起こっているので、感染病ではないかと疑います。
原因が分からず、世界中で暴動が起き、24時間以内に次々と感染して行きます。

そんな時、レストランの外いたマイケルは、このビルの上階に住んでいるスーザンに「タバコは無いか?」と声を掛けることから、二人は知りあいます。

二人も嗅覚を無くし、世間も荒れて行きます。
レストランは無理かと思ったけれど、シェフの彼らは、味や辛味を強くして、人気を保っていきます。
少しずつ落ち着きを取り戻した頃、世界中が飢えていき、食べられるもの何もかも奪いあって口に入れます。
それが治まった時、今度は味覚を失います。

五感が少しずつ失わる恐怖心、緊張感の中でマイケルとスーザンは互いを確かめ合います。

味覚が失われ、また落ち着きを取り戻すと、マイケルは堅かったり柔らかかったり、感触を味わう料理を創作し、人気を得ます。

そして今度は、気性が荒荒しくなり、罵声を送ります。
人を傷つける言葉を平気で吐きます。

お互いがお互いを傷つける罵り合いをした後、聴覚が失われます。
スクリーンから音が消えました。

そして、視覚も・・・・

とっても不思議な想いをした映画です。

時に不快な臭いから逃れたかったり、ある匂いで昔を思い出したり。
嗅覚には気づかないところで脳を蘇らせる力があると思います。
このシーンを観ているとき、映画館の中でクンクンと臭いを嗅いでいる自分がいました。
映画館って、臭いが無いのかな?それともわたしの嗅覚も無くなったんじゃ・・・とも思いました。

少しずつ失われる五感に、残っている感覚を少しでも働かせようとする。
何かを失っても逞しく生きる人間を、映画の中で見つけました。

映画が終わって、後ろの席の方のコートを着る音や、ビニール袋をしまう音が、妙に新鮮に聞こえました。
当たり前に思っている五感も、失ってわかる大切なもの。

曇ったような少し暗めの独特なスクリーンの中、SFチックでありながら、人間臭さを感じる映画でした。

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しあわせのパン

2012-02-20 20:39:19 | 映画・演劇・美術館

テレビ番組で映画の宣伝で見た主演の原田知世。
その清潔感と透明感に魅かれ、書き下ろしの本を買い読んでみました。

何度か映画館に観に行こうと計画を立てるも、吹雪の影響で行けなくなり、やっと観ることができました。

父子で暮らしていたりえさん(原田知世)、父亡き後、なんだかいろいろ大変で、生きていくのが大変で、そんな時、水縞くん(大泉洋)に「月浦に行きませんか?」と誘われたのです。

洞爺湖を見下ろすcaféマーニ ここは泊まれるレストラン「オーベルジュ」
水縞くんが薪で焼くパンと、りえさんが淹れるコーヒーが、スクリーンを通しても香ばしさが伝わってきます。

待ち合わせた彼氏にドタキャンされ、沖縄に行くはずが真逆の北海道、月浦に来てしまった斎藤さん。
背伸びをし、見栄を張り続けてきた彼女が、マーニで癒され、自分を見つめ直す。
最高の誕生日を祝ってもらい、素敵な笑顔で東京に帰ります。

両親が離婚し、父親と暮らすみくちゃん。
お母さんの作ったかぼちゃのポタージュが食べたいという。
ある日お父さんとみくちゃんがマーニでかぼちゃのポタージュを食べます。
「お母さんのとは違うね」・・でも二人はパンにポタージュを付けて食べます。
みくちゃんは大泣きします。
「思い切り泣きたかった」

月浦でプロポーズして結婚し、神戸で銭湯を営んでいた老夫婦。
妻がパンを食べられない、ということでお米を買いに吹雪の中車を出す水縞くん。
留守の間に、老夫婦は吹雪の中、外に出ようとします。
りえさんと、ちょうど帰って来た水縞くんに止められ中に入ります。
妻が病気で、二人でここで死にたかったのです。
炊いたご飯を食べ始める時、そこで焼いていたパンの香りに誘われて、パンを食べてみる老妻。
「美味しい」
老夫は気づきます。
「人間は最後の最後まで変化し続ける」ことを。

洞爺湖の四季の美しさと、自然の恩恵を感謝しながら生きる人々。
こんなにゆったり、のんびり、暮らせるわけはない、と田舎暮らしのわたしは思う。
どこに住んでいても生活がある訳だし、そこにはいろんな戦いだってある。
都会の人たちはこういう生活に憧れるかもしれない。
でも生半可な気持ちじゃ暮らして行けない。

そこにはそこに住むための信念や、強さが必要なのだと思います。

冬の厳しさ、春の喜び、吹き荒れる嵐、遅霜、猛暑 人とのお付き合い、等、いろんなことを経験しながら人は成長する。

人の人生を変えられるほど大きなお手伝いは出来ない、いや、しない。
ほんのひと時、安らぐ時間を共有する人になりたい、と、観光業の私は思ったのでした。

※大泉洋っていう俳優は「イナダ組」の時から知っていたけど、そんなに好きじゃなかったんです。彼の映画は初めて見ました。自然な佇まいがいいです。

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