反対
僕は、少年の頃
学校に反対だった。
僕は、いままた
働くことに反対だ。
僕は第一、健康とか
正義とかが大嫌いなのだ。
健康で、正しいほど
人間を無情にするものはない。
むろん、やまと魂は反対だ。
義理人情もへどがでる。
いつの政府にも反対であり
文壇画壇にも尻をむけている。
なにしに生まれてきたと問われれば
躊躇なく答えよう、反対しにと。
僕は、東にいるときは
西にゆきたいとおもい、
きものは左前、靴は右左。
袴はうしろ前、馬は尻を向いて乗る。
人のいやがるものこそ、僕の好物。
とりわけ嫌いは、気の揃うということだ。
僕は信じる。反対こそ人生で
唯一の立派なことだと、
反対こそ、生きていることだ。
反対こそ、じぶんをつかんでることだ。
金子光晴さんの「反対」という詩は、Cafeの日記でも紹介されていましたが、良い詩だとつくづく思います。
金子光晴さんは、愛知県津島市の出身とのことですが、生まれが愛知県だけのようです。
逸話として、長男に召集令状がきた時、金子さんは長男を応接室に閉じ込めて、松葉でいぶしたり、リュックサックに本をいっぱい詰めて夜中に走らせたり、雨の中を裸にして1時間もたたせたりして、何とかゼンソクの発作を起こさせ、徴兵忌避させたらしいです。
日本国民全員が戦争に協力している時代に、よくそこまでできたと思う程、徹底した反戦詩人だった。
八十歳まで生きられましたが、とても人間らしいスケールの大きな詩人に思えます。
僕は、少年の頃
学校に反対だった。
僕は、いままた
働くことに反対だ。
僕は第一、健康とか
正義とかが大嫌いなのだ。
健康で、正しいほど
人間を無情にするものはない。
むろん、やまと魂は反対だ。
義理人情もへどがでる。
いつの政府にも反対であり
文壇画壇にも尻をむけている。
なにしに生まれてきたと問われれば
躊躇なく答えよう、反対しにと。
僕は、東にいるときは
西にゆきたいとおもい、
きものは左前、靴は右左。
袴はうしろ前、馬は尻を向いて乗る。
人のいやがるものこそ、僕の好物。
とりわけ嫌いは、気の揃うということだ。
僕は信じる。反対こそ人生で
唯一の立派なことだと、
反対こそ、生きていることだ。
反対こそ、じぶんをつかんでることだ。
金子光晴さんの「反対」という詩は、Cafeの日記でも紹介されていましたが、良い詩だとつくづく思います。
金子光晴さんは、愛知県津島市の出身とのことですが、生まれが愛知県だけのようです。
逸話として、長男に召集令状がきた時、金子さんは長男を応接室に閉じ込めて、松葉でいぶしたり、リュックサックに本をいっぱい詰めて夜中に走らせたり、雨の中を裸にして1時間もたたせたりして、何とかゼンソクの発作を起こさせ、徴兵忌避させたらしいです。
日本国民全員が戦争に協力している時代に、よくそこまでできたと思う程、徹底した反戦詩人だった。
八十歳まで生きられましたが、とても人間らしいスケールの大きな詩人に思えます。