中日新聞の日曜版「おじさん図鑑」に「自尊心」というタイトルで、飛島圭介さんがエッセイを書かれていました。
「一寸の虫にも5分の魂」ということわざがある。
体の大きさの半分も魂(誇り=自尊心)だというのだから、並大抵のことではない。
虫でさえこうなのだから、人間だったらその大きさは、あだやおろそかには扱えないほどだ。
一方、「うぬぼれと瘡気(かさけ)(皮膚病)のない者はない」ということわざもある。
人は例外なく多少なりともうぬぼれの気持ちを持っている。
表に出さずとも「オレ様」の意識は誰にでもあるのだ。
ただ、自尊心とうぬぼれとが際限なく拡大すると、非常に厄介なことになる。
よく例に出されるのが、「オレを誰だと思ってるんだ」というセリフだろう。
「あなたが何者であるのか知らないし、しろうとも思わぬ」と返されたら、どう対応するのだろう。
おじさんが若い時、実際に経験したことがある。
業界では一目置かれていると常に自慢している知人が、少し雑な扱いをした店の従業員に本当にこのセリフを吐いたのだ。
「オレを誰だと思ってるんだ!」と。
うわー、と若きおじさんは首をすくめて恥ずかしさで顔を赤くしていた。が、その従業員は驚いた顔をして、「どなたですか?」と尋ねたのだった。
以上です。
私も西新宿の喫茶店でアルバイトしていた時、店に来るなり「オレは国会議員だ!」と偉そうに入って来たお客さんがいました。
地方の国会議員なのか、私は全く知らない国会議員でした。苦笑
また参議院議員の市川房枝さんが、コーヒーを飲みに来られたことがありました。
先ほどの国会議員と違って、狭い二人席に秘書と思われる女性と静かにコーヒーを飲まれました。
私でもよく知っている高名な方なのに、少しも偉ぶった態度を取られませんでした。
先程書いた国会議員と大違いでした。
人間の格が違うんでしょうね。
Bee Gees - Massachusetts (One For All Tour Live In Australia 1989)