五木寛之さんの「百歳人生を生きるヒント」という本を少しづつ気の向いた時に読んでいます。
今回は八十代の自分ファーストという項目に「思い悩んでも仕方がない経済問題」と
いうことで書かれていました。
長寿社会に備えて年金を差し引いても約4100万円の足りないというファイナンシャルプランナーもいますし、
経済評論家の萩原博子さんは夫婦で最低1500万円老後資金として用意しなさいと言います。
いくら十分にお金があっても、何事かあれば一挙に消えるのが、お金というものではないかと思うのです。
それは敗戦の時、一夜にして家も財産も奪われ、身一つで放り出された経験が、今でも私の思考の根底にあるからです。
「有事の金」と言われ、戦争になっても、インフレにも強いといわれる「金」ですが、そうとは思えません。
国にお金がなくなり、どうしても必要になると、時の政府は、国民の持っている金を供出させることも可能なんです。
預金封鎖や新円切り替えなど、あらゆる手段で、国民のささやかな財布に国が手に入れて持っていく・・・・ということが、
実際にあったのです。
そういう時、老後の備えとして、コツコツ貯めた預金も、個人年金も全て、水泡のように消えていくのです。
朝鮮半島や、中東の問題から、第三次世界大戦が起こる可能性も、真剣に論じられています。
遠い国の出来事だと思っていた危機が、実際現実のものとなった場合、難民として国を出ることもあり得るでしょう。
その時、金を持って逃げればいいと言いますが、不可能です。
金は重たくて、命からがらというケースでは、とても無理。
それに治安が悪くなると、貴金属を持っているということが、命を狙われるリスクになるのですから。
何をオーバーなことを言って脅かしているのかと、反発されるかもしれませんが、何が起こってもおかしくないのが、人生です。
人生は、常に想定外のことの連続だと、覚悟を決めておいたほうが良いのではないでしょうか。
この項目の途中まで記述しました。
五木寛之さんが言われるのには、長い老後のために、いくら備えておけばいいのか、思い煩うこともしない。
「明日のことを思い煩うな」ということです。
私の母方の祖母がよく言っていました。
「軍から持っている指輪・貴金属を提出するよう言われて、全て吐き出してしまった。
私は隠そうとしたけど、お父さんが気が弱いので全て出してしまった」。
男はダメですね〜、お国のための言われると素直に出してしまうんですね。(苦笑)
軍も怖いですしね。
よく祖母がこぼしていました「あの貴金属があったら」と。
また戦後まもなく行われた預金封鎖や新円切り替えで、
おばあさんが、戦前に持っていた現金や戦時国債は無価値になったとも言っていました。
五木寛之さんの言われていることは、間違いないです。
大滝詠一「風立ちぬ」