ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

7月15日(土)はトルコの歌を歌います。

2006-07-14 02:12:42 | 音楽

今回のアラディーンのライブ(7月15日(土))では、またしても新曲、しかもトルコの歌を歌います。

古い歌謡曲や民謡ではありません。今一番トルコで流行っている曲です。

歌手は「DEMET AKLIN(デメット・アカルン)」曲名は「Afedarsin(アフェダルスン)」 
http://www.demetakalin.net

まだ日本ではリリースされてないみたいです。(しかもHMVのサイトではトルコ文字ではなく間違った文字で登録されてるし・・・)

何でこの曲をやろうと思うのかというと、TVつけても、街を歩いてもこの曲が必ず1日に数回は耳に入り、しかもキャッチーなので覚えしまい、挙句の果てにはこの曲の入っているCDまで買ってしまったからなのです。

なんか言い訳がましいですが、私は大好きになってしまったのです。

タルカンといい、現在のトルコの歌手は皆世界を向いています。やっぱそういう気持ちでなきゃぁね。何故かそういった熱意が彼女のアルバムから伝わってくるのです。

アラディーンで演奏すると、どんな感じになるのか今から楽しみです。

しかも久しぶりにギターを弾く予定です。

その上、ダンサーはおなじみのキキちゃん、ベリーダンス界のウルトラ芸人の「タカダアキコ」、アルミスタルミスからは「モトカ」を招き、しかもアコーディオンは東京イフティファールでもお世話になった田ノ岡三郎を迎えます。

乞うご期待!!

「ベリーダンスと音楽の夜 vol.6」
@中目黒 楽屋
TEL/FAX 03-3714-2607
http://www.rakuya.net
Open/19:00~
Show/19:30~ 2stage
Charge/3,000yen

ベリーダンス /タカダアキコ、大藤キキ、モトカ

テディ熊谷/フルート
ミン・ケンキ/ヴァイオリン
及川景子/ヴァイオリン
松尾賢/ウード
今井龍一/ウード
田ノ岡三郎/アコーディオン
空中紳士/ダラブッカ
平井ペタシ陽一/ダフ&ドホンラ


トルコ滞在日記(1)

2006-07-08 02:59:07 | インポート

Nileken Gar Concert

トルコから帰国しました!!

今回念願だった初トルコ訪問。親しくしているトルコ人ベリーダンサーのフィリースにくっついて彼女の実家に滞在しながらいろいろとやってきました。

まず今回のトルコ滞在の目的は、

1.銅製のダラブッカを買うこと。
2.トルコ式のダラブッカ奏法を習う事。
3.伝統的なトルコ・ダラブッカの奏法を習う事。
4.トルコ製のウードを買うこと。

の4つを最低達成することでした。

今回も、運良く以上の4つの目的は達成する事ができました。

特に昔から知りたかったトルコのダラブッカの奏法。トルコのダラブッカは、とにかく細かい装飾音符が入ってくるので、どんな風にソロ・ダラブッカを叩いているのか実際に見て見たいと思っていたので、まさに千載一遇のチャンスといった今回の滞在。

去年エジプトに滞在していた時、これまた偶然にもトルコのアンカラ大学の院生が一緒のホテルにいて、「ムスール・アハメットという凄いダラブッカ奏者がいて、彼は独自の奏法を編み出して本当に凄い!!パコ・デ・ルシアなんかと共演したりして、今スペインにいる」といった事も聞いていたので、その独特な奏法とは如何に?

イスタンブールの楽器屋街は、ガラタ塔からテュネルという世界最古の地下鉄駅に向かって伸びる坂道周辺に密集していて、その中のお店にはサズ奏者のフジさんが写真に写っていました。

この滞在時のトルコ・リラのレートは1リラ=約76円。物価は日本の2割安といった所で、あまり日本と差がありません。

さて、そこで見つけたダラブッカの先生は、セゼン・アクスのバックも務めたこともあるというナイル先生。

ナイル先生、ドイツ滞在が長かったそうで、ドイツ語はペラペラらしいのですが、英語はほとんど話せません。

ナイル先生、非常にアカデミックな教え方をする人で、基本中の基本からトルコ式指パラ奏法まで丁寧に教えてくれました。

左手の薬指の2回打ちを多用するエジプトに対し、トルコは人差し指と薬指を使うので、スピードのコントロールなどはこちらの方が理にかなっています。ただし、相当練習しないと音量を出すのが難しいな、と思いました。

ナイル先生は伝統的なダラブッカの叩き方も知っていて、指パッチンの方法も教えてくれました。やっぱり実際に習う、見る、ということが大事だな、と思います。

さて、そのナイル先生以外に、現在のトルコ・ダラブッカ界のトップ・プレーヤーからも手ほどきを受ける機会に恵まれました。

彼は現在タルカンの専属ダラブッカ奏者として活躍していて、名前はブンヤミン。「パッション オブ パーカッション Vol.1」というCDで技を披露しているのですが、この彼のテクニックが、ちょっと真似できないぐらい速いのなんの!!

ブンヤミンが叩くダラブッカのテクニックは、ムスール・アハメットのテクニックと同じだそうで、左手の人差し指と薬指を、インド・タブラの右手のテクニックと同じように使うといったもので、これが素晴らしいコントロールなのです。

音も半端なくデカイ!!トーン、音量、アイデア、全てに置いて「参りました」って感じでした。

「このテクニックは最近のものだから秘密にしとけ」と言いながら惜しげもなく、いろいろなパターンを教えてもらいました。

ていうか、かなり練習しないと、まずマスターするの無理じゃないの??

トルコでは最近編み出されたこれら新技をもっと発揮できるように打面のデカイ「バス・ダラブッカ」が最近流行りだとか。

恐るべし「ムスール・アハメット」。インド・タブラ界のスーパースター「ザキール・フセイン」からヒントを得たそうです。トルコのダラブッカ・ヒーローですね。

理にかなった方法で叩くトルコ式奏法は、ある意味「練習すればかなり高いレベルまで行く」のですからそれ以上のレベルに行くのは想像を絶するほど大変。

「上手いギタリストになるのは簡単だが、1番になろうとすると、これは話が別だ。」というパコ・デ・ルシアの非常に深い言葉が思い浮かんだトルコ滞在だったのでした。

*写真
右:ナイル先生と私
中:フィリースの計らいでバンドと一緒に叩かせてもらった高級レストラン「GAR」
左:19世紀に設立された養護施設でのコンサート。ナイル先生の仕事についていったら、ダラブッカとテフを叩く事になり「日本人が叩いている」ということで盛り上がった。しかも雑誌社が来ていて、記者曰く「来週写真を載せるよ」との事(ホントかな?)