本日は常味さんのウード・レッスンの日。
今回で、とりあえず一通りのマカーム、すなわちラスト、バヤティ、ヒジャーズ、サバァを終え、次回から曲に移ることに。
実際、エジプトでも色々と習ってきたのですが、詰め込み、詰め込み、という感じで、日本に帰ってきてから、本格的にウードの弾き方をおさらいしています。
さて、レッスンの最中、どうも「ドの弦」が安定せず、指板(しばん)に接したネックの組木が、微妙に開いているので、
「いつも演奏中、汗をかいているから微妙に削れてきたのかな?」
なんて、あまり気にしなかったのですが、家について今日のレッスンのおさらいをやろうとした時、実はその微妙な開きが、なんと、「亀裂」だということが判明!!
ここで解説すると、ウードは組み木でできている楽器です。
特に、良い楽器だと、ネックが反らないように、ネックまでが組み木になっています。
実は、このメインのウード、エジプトを出国するときに、空港スタッフによってネックを折られてしまったという、不運な経歴があります。
日本に帰国してから、それを直したものの、今になってそのときに入った微妙なヒビが、弦の張力によって徐々に広がって、今回の目立った亀裂になった、ということのようです。
なるほど、通りで最近、ネックが反ったわけだ。
指板だけで弦の張力を支えてたんだものね。
で、すぐにホットボンドという楽器にも使える強力な木工用ボンドを、その亀裂部分に注入し、修理し、ネックをぐっと曲げていたら・・・。
なんとその力がボディに伝わって、ちょうど楽器の背面、真ん中に亀裂が入ってしまったのです!!!
わぁ~~~!!ウードがバラバラになる~~~!!
で、結局その亀裂にも接着剤を注入して、亀裂が接着されるようにボディを紐で固定し、ひと段落着きました。
う~ん、うまくいけば、ネックの反りも解消するのだが、やっぱり、これ一本をメインにするのは将来的にしんどいかも。
ということで、もう一本のエジプトで購入した「イラキアン・スタイル・ウード」の弦を釣り糸弦&アルト・ギター弦に張り替え、こちらもメンテナンスし、この時間となってしまいました。
こういうのを怪我の功名というのでしょうか??
災い転じて福と成す、になれば良いのですがね・・・。