最近は忙しすぎて、日記も疎かになりがちなんですが、
意外と私の拙い、この日記を読んでくださっている方々も多いので、
また何とか、頻繁に更新したいと思います。
さてさて、11日のノーベンバー11thで行った、サリとミラ主催のライブ、
続く、12日、Emel ベリーダンス・スタジオとフラメンコの阿部碧里さんとのライブ、
そして、13日の Izumi Oriental Dnace World in AFR でのライブと
3日連続、しかも全部内容が違うという、久々に凝縮した3日間でした。
11日では、ヴァイオリニストのミン君のオリジナル曲あり、ウンム・クルスームのカクテル・ヴァージョンをやったり、こちらは、アラディーンでは普段演奏しない曲目が多数で新鮮でした。
更に、ミン君のヴァイオリンも以前よりも磨きが掛かっていてなかなか心地よかったです。
12日は、先の日記にも書いたように、日本屈指のフラメンコ・ギタリストである片桐さんとの共演で、こちらも素晴らしい経験をさせていただきました。
やっぱり本物の実力のある人は謙虚だなと思いました。
そして、13日は Izumi さんのオリエンタル・ダンス・スクールの生徒さんの発表会&伴奏。
Izumi さんからの依頼で、生徒さんにバンドとの演奏の経験をさせてみたいとのオファーがあり実現した訳ですが、やってみると、これが意外に難しかったのです。
アラディーンの主催のライブの場合、レパートリーの参考音源を渡して、曲を選考してもらい、その希望曲を、我々が実際に演奏をし、それを聞いてもらってから、ああでもない、こうでもない、とやっていく訳ですが、
勿論、生徒さんにとっては「初めて」な上、どうやってバンドを操っていいかも分からない訳であって、そうなると、必ず出てくる言葉は、
「CD通りに演奏してください。」という言葉です。
この言葉は、勿論プロのダンサーからもしばしば出てきます。
この場合、CD通りというのは二つ意味があって、「CDで演奏されている構成どおり。」という意味と、「CDの演奏を完璧にコピーしてください。」という二つの意味。
勿論、後者を強く希望するダンサーには「だったらCDで踊った方が、テンポも演奏も絶対に間違わないから、そちらにしてください。」と、私はいつも言います。
CDというか、出来上がった音源というのは素晴らしいもので、
リハーサル代は掛からない、ミュージシャンに対するギャラは掛からない、音響関係の機材なども必要ない、
ましてやプライドが高くて、気難しいミュージシャンに頭を下げて色々注文する必要もないわけで、
な~んにもストレスなく、自分の踊りと、音のタイミングと、見せるための照明だけ考えれば良い訳です。
では、なぜ、そこまで苦労して、実際のバンドとの演奏と踊る意味があるのかを考えてみると、これはやってみないと分かりませんが、音源以上のマジックが起きるのです。
特に、オリエンタル音楽には必ずといって良いほど出てくる即興演奏。
リズムの伴奏のない、ひとつの楽器が朗々と即興演奏を繰り広げる「タクシーム」
その曲を更に素晴らしいものに仕立て上げる曲間の即興演奏部分。
ここには、その瞬間にしか現れない、理性だけでは絶対に説明できない、踊り手と、奏者との魂と魂の触発の空間が存在していて、それぞれの個性が宝石のように輝く瞬間があるのです。
勿論、この瞬間のために、演奏家も、ダンサーと同じく、毎日ひたすら練習を繰り返し、常に努力をつづける訳です。
そうしないと、素晴らしい即興は出来ないのです。
つまり、ダンスと同じですね。
Izumi さんも言っていましたが、「ダンサーがあまりにも音楽のことを知らなさ過ぎるから」といういことでこの企画が実現した訳ですが、
ともあれ、我々と共に踊った皆さんは、しっかりと踊っていましたし、逆に色々とやり取りをする中で、私も勉強になりました。
こんな感じで、ダンサーもミュージシャンも共に成長していければ良いなぁ、なんて思った一日でした。
しかし、Izumi 先生の、あの二刀流の剣のせ、凄すぎ!!きっと世界一だと思いました。