まず初めに、大阪の地震に加え、今回の平成30年7月豪雨で被災された皆様にお見舞いの言葉を申し上げ、一日も早い復旧が行なわれるよう心からお祈り申し上げ、お題目を送らせていただきます。
さて、やっと出来上がりました!2枚目のアルバムのジャケット用のイラストです。
久しぶりに本気で描いてみましたが、やっぱり時間が掛かります。描き始めてから9日目にして仕上がりました。
スキャナーで取り込んだ画像は、やはり原画とは違った感じになりますが、修正して大分近い感じにはなります。
さぁ、ジャケットのデザインに取り掛かります!
ちなみに今回は紙に鉛筆で下書きして、ペン入れ、透明色鉛筆で色を付けました。
割と上質な画用紙を使ったのですが、ケント紙ではなかったので、思った以上にペン入れの時に作業がはかどらず悩みましたが、色付けの際は割と素直に色付けが出来ました。
下の写真は途中経過の様子。
さて、今回制作した不死鳥の配色は日本の寺社仏閣に彫られている伝統的な鳳凰の彫刻を元にしています。
炎の様子は、不動明王像の光背を元にしていますが、この不死鳥のデザイン自体は私のオリジナルです。
不死鳥は500年に一度、寿命が尽きる時に炎で自らの体を焼き、その灰の中から復活する、と言われていますが、
様々な文献にあたってみると、鳥自体を魂の象徴、つまり死後の魂として捉える考え方が世界に広く分布しているようです。
仏教では、生命は輪廻転生を説き、死についても、新たな生に向けての、いわば「睡眠」のようなものだと説きます。
そういう意味で言えば、あらゆる困難に負けない不屈の精神を具現化した象徴が「不死鳥」であると捉える事が出来ると思います。
今回、2枚目のアルバムを作成するにあたり、様々な試練や困難を乗り越えて来た事を思い返し、それを見事に跳ね除け、乗り越えて来た象徴として「不死鳥」という奇想曲、長年私が望んできたライフワークとしての初の1曲目の奇想曲を作曲しました。
この曲のベースはフラメンコのファンダンゴの形式を一応とっていますが、これについてはアラブ音楽と、フラメンコの共通性を意識した上で作曲しています。
フラメンコは、スペインがアラブ世界に属していた時の影響で生まれた音楽であり、フラメンコで耳にするスパニッシュ・スケールは、元々はアラブ音楽で使う「ヒジャーズ」というスケールと同じであり、また、アラブのマグレブ地方では3拍子の複合的なリズム・モードがあります。
その上で新たにスペインという土地で、ジプシー達によって育まれ、ウードからギターに代えられて発展された来た訳ですが、
それこそイベリア半島でその後起きるレコンキスタによってアラブ的な文化は排除されたとはいえ、死せずして生き残り、弾圧されても生き残り、その後、現代において世界中に広まった芸能となった事実は、
正に不死鳥の如く蘇ったと思えるのです。(ついでにフラメンコの語源は炎(フラマ)から来ているそうです。)
どんな困難や試練があったとしても、それに負けない不屈の精神を現す図像的象徴が不死鳥であり、
その不屈の精神は、炎のように燃え立つ生命力であると思います。
そうした意図を元に今回の「不死鳥」と題する絵を制作しました。
我ながら気に入っていますw