ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

ベリーダンスと音楽の夜 第七十六夜 後記

2012-08-27 03:58:44 | 音楽

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久しぶりの満席御礼!!お越しいただいた皆様、真にありがとうございました!!

最近はベリーダンス自体の大規模なイベントが目白押しで、しかも、ディーナなどの、エジプトの大スターとか、海外で活躍しているダンサーが大勢来日していいたりする訳で、中々イベントを主催する側としては厳しい環境ではありますが、

日本で(というより、東アジアで)一番大きな、オリエンタル・オーケストラとのベリーダンス・ショーと言うことで、参加してくださるダンサーの皆様のおかげで、毎回大勢のお客様にお越しいただいています。

本当に皆様、ありがとうございます。

さて、今回は、Mihoさん主催のStudio Ritam のインストラクターである、Maysoon さん、Sana さん(今回初共演でした。)、大御所のSadia さん、その生徒のLayla さんに出演して頂きました。

Maysoon さん、Sana さん、Layla さん、いずれも「アラディーンのショーに出演できて本当に嬉しい」と言ってくださっていて、主催する私も、そういってくれて嬉しいなぁと思っています。

Sadia さんとは、旧知の仲であり、私がこの音楽を始めたばかりの頃からの関係で、今回、私の方から依頼した「Sawah(サワー)」は、実は、大分以前にリクエストされた曲でもあり、

その頃は、歌を歌うほど余裕が無かった時期でした。

それから数年経った「第七十六夜」で歌まで歌っている訳で、我ながら進歩してきているなぁ、と感じていました。

Sadia さんも、「Sawah の生演奏で踊ったのは本当に久しぶりだけど、初めて生演奏で踊ったのも、Sawah だったのよ」と話してくれました。

「第七十六夜」では、私としても、本当に久しぶりで演奏するFarid Al Atarash (ファリーダル・アタラシュ)の「ヌーラ・ヤ・ヌーラ」をLayla さんの伴奏で演奏しましたが、

このヌーラ・ヤ・ヌーラは、私が初めて歌ったアラビア語の歌でもあるので、感慨深かったです。

その当時(2005年)は、アラビア文字が読めなかったので、アルファベット表記の歌詞を元に歌っていました。

また、その頃は、どんなに検索してもアラビア語で書かれた歌詞をインターネットで発見できなかったのですが、

アラビア語の学習が進むにつれて、アラビア語の歌詞を検索できるようになったきたので、この点も進歩して来ているのを実感しました。

ともあれ、トルコ風、アルフ・レイラで踊った初共演のSana さんといい、今回3度目の共演となるMaysoon さんの切れのあるダンスといい、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

Maysoon さんのファンの方々は、関東近県から大勢お越し頂いていた様で、年齢層も高い方々が多かったようですが、本当に楽しんで頂いたようでした。

ベリーダンスの生演奏のショーであれば、本当に老若男女、全ての世代で楽しんで頂けると思います。

「女性は、美しく綺麗なダンサーに魅了され、男は、演奏を奏でる楽団に興味と目が行く」

というのが私の経験知から来ているセオリーなのですが、それを体現しているのがアラディーンの「ベリーダンスと音楽の夜」であり、

日本人であるからこそ、バルカン・ジプシー・サウンドも、トルコ音楽も、エジプトの音楽も演奏できる訳で、

これからも、豪華なオリエンタル音楽とベリーダンスのショーをプロデュースして参りたいと思います。



当日席あります~!「ベリーダンスと音楽の夜 第七十六夜

2012-08-25 13:13:51 | インポート
昨日の常味さんのソロ・コンサートは、本当に本当に素晴らしかったです。

常味さんは、音楽に真摯に向かい、常に進歩し続ける人のなのだと、感動しました。この辺りのお話はまたいずれ。

さて、今日はアラディーンの月例イベント「ベリーダンスと音楽の夜 第七十七夜」です。

当日席あります!お時間のある方は是非ともお越しください。

初共演のStudio Ritam のSanaさんを始め、

Maysoonさん、そして、大先輩でもあるSadia 、とその弟子のイラン系アメリカ人のLayla

ウンム・クルスーム、アブドゥル・ハリム・ハーフェズ、ファリダル・アタラシュの名曲と、ジプシー音楽まで、

盛りだくさんの夜です。

お楽しみに~。


8月25日(土)
「ベリーダンスと音楽の夜 vol.76」
@中目黒 楽屋
TEL/FAX 03-3714-2607
http://rakuya.asia/top.shtml
Open/18:00~
Show/19:30~ 2stage
Charge/3,500yen
ご予約はお店に直接お願いいたします。

ベリーダンス /Maysoon, Sana(Studio Ritam), Sadia, Layla

松尾賢/ウード
瑞穂/ヴァイオリン
平井ペタシ陽一/ダラブッカ
安藤亮輔/ダブル・ベース
未知子/カヌーン

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夏風邪~本日、常味さんのウード・ソロ・コンサートがあります。

2012-08-24 02:02:46 | 音楽
珍しく、夏風邪(ウィルス?)にやられ、吐き気、熱、下しと、8月8日から12日まで寝込み、いつものように回復するまで2週間ぐらい掛かりました(笑)

散々な目に会いましたが、振り返ってみると、8月4,5日のショーの前まで、結構自虐的な生活スタイルだったので、これを機会に、自分の生活を見直す良い機会になったと思います。

今年は、自身の掲げた目標に対して、到達する気配の見えたものもあり、まだまだスタート地点の見えそうも無いものもあり、様々ですが、

ロンドン・オリンピックに参加した選手の皆さんを見習って、日々挑戦して参りたいと思います。

ちなみに、本日、日本の誇るウード奏者の常味先生のソロ・コンサートがあります。

私も、ちょこっと参加する予定です。

ウードって楽器が、こんなにも素晴らしい楽器なのか、と感嘆するチャンスです。

ウードは、世界的に流行した楽器であり、現在ではアラブ世界を代表する弦楽器であり、オリエンタル音楽に無くてはならない基準楽器でもあります。

是非とも見に行きましょう!

8月24日(金)
アラブ古典、ウード・ソロ
常味裕司
料金:2,300円
http://www2.u-netsurf.ne.jp/~otokin/


怒涛の演奏週間終了!(その4~大阪観光)

2012-08-12 15:28:26 | 音楽
かなりの強行スケジュールの8月5日を終え、メンバーは、いつもの通り、各々現地解散した後、

珍しく、ヴァイオリンの瑞穂嬢と、カーヌーンの未知子と共に、大阪万博公園に向かい、国立民族博物館へ。

9歳のころ、太陽の塔を、高速道路を走るバスの窓から見た時、何が凄いのかいまいち分からなかったのですが、

今回、間近で見た太陽の塔は、圧巻でした。

良く利用する京王井の頭線渋谷駅に展示されている壁画「明日の神話」という、長らく行方不明になっていた作品のあの迫力といい、岡本太郎と言う芸術家は、彼のみにしか表現できない芸術を確立し、それを提示し切った稀有な存在だと痛感するのです。

大学4年の時、作品の制作に没頭し続けていた時に、美術書に紹介されていた岡本太郎の記事と、本人によるインタヴュー記事は、読み応えが合って、その当時、自分の記憶に生命に焼き付いた思い出があるのですが、

あの太陽の塔を、間近で見たり、公園内の離れた場所から見たりしてると、

チョー馬鹿でかくて、おもちゃのような可愛らしい「太陽の塔」が、森の木々の間から「にょきっ」と存在している事自体が、見ている者の時間を超越させてトリップさせるような感覚を起させる装置のような働きをしている気がしてなりませんでした。

この太陽の塔を晴れた日に、じっくり見れただけで、その日一日満足してしまいそうでした。

その後、国立博物館の一部を観覧した後、新大阪の駅に向かい、たこ焼きを食べ、うどんを食べ、お土産を買い、

エスカレーターに乗って新幹線乗り場に向かう途中、なんと、そのすぐ後に「あら!皆さんじゃないですか!」と声をかけてきたのは、木村カスミさんと、長崎に行った時にお世話になったシノさんでした。

お土産のチーズケーキを買うかどうか、15分ぐらい、ミッチーが迷っていたおかげ(?)で、本当に、物凄い偶然と言う必然でカスミさんと再会した訳ですが、

カスミさん、今回のダラブッカ奏者の名古屋を中心に活躍している森君の一所懸命さを褒めて頂きました。

カスミさんは本当に耳が良いので、毎回音合わせになる時は、かなり緊張するのですが、今回のオーケストラへの指示も非常に的確で、瑞穂嬢は「カスミ先生にレッスンを受けたい」と言っていました。

カスミさんは、「日本のミュージシャンは、メロディの演奏のレベルは高いけど、ダラブッカが凄く大事なんですよ。ダラブッカは、いつも一緒にやっている人でないと呼吸が合わないんです。」と話してくれましたが、確かに、そうなのだと思います。

そういう意味では、森君は今回、非常に良い経験をしたし、また素晴らしい演奏と技術を披露してくれました。

とはいえ、今回はドラム・セットの秀村君と佐野君、ドホンラ&ダフを叩いた森内君の優れた演奏者が3人も基底部を支えたから余計に良かったわけで、

日本でも、ダフ、ドホンラという、音楽のグルーブとメロディを支える楽器を好んで演奏したい人が現れることを期待します。

ともあれ、一緒に観光している瑞穂嬢とミッチーとは、7月の「ベリーダンスと音楽の夜」以来、6日間も一緒でしたが、こちらもかなり珍しいことでした(笑)

後で聞きましたが、この1日後、安藤君も万博公演を観光したそうです。一緒に来ればよかったのに(笑)

写真:京阪線の列車の中
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写真:太陽の塔と3人で記念撮影(笑)
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写真:太陽の塔の裏の顔「黒い太陽」。トライバル系(笑)?

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写真:新大阪駅近くのたこやき屋にて
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怒涛の演奏週間終了!(その3)

2012-08-10 03:39:32 | 音楽
そして次の日、遂にやってきた8月5日(日)。

ここに至るまで、数々の山場があり、それを乗り越えてたどり着いたのがこの日。

朝の9時半よりスタジオ・コンスタンティノープルのスタジオ入りして、午前中はドニアさんチームとの合わせ。

そして木村カスミさんの振り付けで踊る、スタジオ・コンスタンティノープルのインストラクターの皆さん&参加するダンサーの皆さん、そして木村カスミさん、と言う流れで、あっという間に4時過ぎ。

その後、会場の帝国ホテルに到着して、11名のオーケストラのセッティング&サウンド・チェックを短時間で仕込み、残りのカスミさんの曲の打ち合わせと、Yokoさんの場当たり、などなどをやり終えて、開場まで20分という、ぎりぎりまで時間を使って本番に臨みました。

こうやって書くと短いものですが、実際あっという間でした。これも、オケのメンバー、出演者、スタッフの皆さん全てが団結していたからだと思います。

ところで、私は、昨日からずっとオーケストラへの指示などでずっと喋っていた上、前日のライブで何曲が歌ったこともあり、

その疲れが出たようで、生憎、朝から喉がしゃがれてしまっており、最悪、シャービーの曲のハイ・トーンが出ない可能性があって、それが気がかりでした。

ともあれ、本番は、満席のお客さんを前に、オケのメンバーは、誰一人あがる事無く、素晴らしい演奏を披露してくれました。

今回のショーで、個人的には、シャービー、いわゆるアラブの大衆歌謡曲を歌ったことが、大きな進歩でした。

正直言って、ベリーダンスで使われているCDの音は、安っぽいキーボードの打ち込みの音で構成されているので好きになれないのですが、

シャービーと呼ばれるエジプト大衆歌謡曲にしろ、ウンム・クルスームにしろ、元の音源はオーケストラを使った音楽で、豪華な感じ。

今回歌った、Muhammad Roshidy の「Ya Lilit Ma Gaani'l Ghaaly」にしろ、Rouhu'l Fuaad の「Dinga Dinga (Souq Bina Ya Astaa)」にしろ、元音源をYouTube で見つけてからは、やる気になりました(笑)

Muhammad Roshidy「Ya Lilit Ma Gaani'l Ghaaly
http://youtu.be/ovSZde7FZEs

Rouhu'l Fuaad 「Dinga Dinga (Souq Bina Ya Astaa)」
http://youtu.be/mKgvFCEIrpA

上記2曲と、Eshuta Ya Amar のアラビア語の歌詞については、東京四谷にあるエジプト屋のマゲドさんに大変お世話になりました。

マゲドさんのおかげで、シャービーの歌詞の面白さが分かりました。

さて、5日のショーでは、5曲も歌ったわけですが、一番大変だったのは 「Dinga Dinga (Souq Bina Ya Astaa)」

リハでは一度も成功しなかった、曲の最初で朗々と歌う所は、本番直前まで練習し、更に、うがい(笑)を続けた結果、自分でも上出来の仕上がりでした。

喉を痛めていた事が功を奏して、偶然ですが、声も良い具合にしゃがれ、皆に「その声の方が良い」と無責任な評価を頂きました(笑)。

ともあれ、ドニアさんチームのオリエンタル、ジプシー曲、カスミさんのオリエンタルの曲目、群舞など、どれも演奏していて実に楽しい仕上がりでした。

関西チームのヴァイオリニスト、秦進一君は、音程も素晴らしいし、西洋クラシックも、ジプシーも、オリエンタルも、即興も、本当に素晴らしかったです。

アラディーンの瑞穂嬢と共に、二人の卓越したヴァイオリンの音は、オーケストラの音を豪華にしていました。

また、オーケストラ最年少である、ダラブッカ奏者の森君も、良い音を出していて、カスミさんも褒めていました。

今回、このような素晴らしい機会を与えていただいたスタジオ・コンスタンティノープルの皆様、大変ありがとうございました!

また出演者の皆さん、お疲れ様でした!

写真:リハの間の小休止中。パーカッションの多さに注目!後は、忙しすぎて撮れず(笑い)
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