ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

サマーイ・バヤティ~本日は「ベリーダンスと音楽の夜 Vol.46」

2010-02-27 05:06:54 | 音楽

この最近、ライブや音楽の仕事はそんなに多くは無かったものの、色んなことで忙しくて日記どころではなかったのですが、

今日の朝に光回線が開通してインターネットの状況も好調になり、久々の日記です。

本日はアラディーンの月例イベントの「ベリーダンスと音楽の夜、第四十六夜」です。

今回は、中東のラクス・シャルキィ、つまりオリエンタル・ダンスの優れたダンサーである、Sadia(サディア)と、

横浜で活躍する Izumi さんと、その生徒さんであるJasmine さん、

水戸で活躍するCaren さんをお招きいたします。

今夜の特筆すべき点は、Izumi さんからのリクエストで、サマーイ・バヤティ・イブラヒム・ラーリヤーンを演奏し、Izumi さんが、それを踊る所です。

このダンスは、知る人ぞ知る、エジプトの伝統的な舞踊を調査し、それらを舞台芸術として発展し、完成させたマフムード・レダ直伝のダンスだそうです。

マフムード・レダの詳細は、以下のリンクへ↓
http://<wbr></wbr>www.geo<wbr></wbr>cities.<wbr></wbr>jp/Iraq<wbr></wbr>NewsJap<wbr></wbr>an/Japa<wbr></wbr>n-Arab/<wbr></wbr>arab_ni<wbr></wbr>ght/20.<wbr></wbr>html

Izumi さんは小松芳アラビア舞踊団に在籍し、インストラクターをしていたこともあり、レダからそれを習った時は、「10拍子??」と言うことで、踊りこなしていはいたものの、

その頃は、日本でその曲を演奏できる人がいることも知らず、フォルクロアー(民族舞踊)ということもあり、小松舞踊団在籍時以外では披露する機会も無かったそうですが、

今回は、またとない機会ということで、小松先生に許可を得て、アラディーンの伴奏で披露いたします。

このイブラヒム・ラーリヤーン(Ibrahim Al Ariyan) 作曲のサマーイ・バヤティは、名曲中の名曲であり、私がエジプトにいたときに、一番最初に習ったサマーイの曲でもあります。

その時は、譜面を追うだけで精一杯で、10拍子も良く分からず、なんか不思議な曲だな、ぐらいしか思えなかったのですが、

帰国した後、常味さんから、じっくりと教わったことで、やっと「良い曲だ!」と理解できたいきさつもあり、

私にとっても感慨深い曲です。

現在のアラディーンのメンバー的にも、また楽器の編成的にも、この曲を完全に再現することは困難な訳ですが、そこはオーケストレーションのアレンジメントでカバーします。

勿論、おなじみのジプシー物、オリエンタルの名曲も演奏いたします!

既にキャンセル待ち状態ですが、毎回ドタキャンが10名ぐらいありますので、当日お越しになりたい方は、開演前にお店に連絡してみてください。

では、今夜もご期待ください!

2月27日(土)
「ベリーダンスと音楽の夜 vol.46」
@中目黒 楽屋
TEL/FAX 03-3714-2607
http://<wbr></wbr>www.rak<wbr></wbr>uya.net
Open/18:00~
Show/19:30~ 2stage
Charge/3,500yen

ベリーダンス /Sadia、Izumi、Caren、Jasmine

松尾賢/ウード
テディ熊谷/フルート
瑞穂/ヴァイオリン
佐々木憲/アコーディオン
平井ペタシ陽一/ダラブッカ
安藤亮輔/ダブル・ベース
宮城康夫/ダフ


昨日の日記への反応

2010-02-02 04:27:45 | 音楽

さて、あの日記に大層反応された方がいまして、要約すれば、

「ダンサーを見に来たのに、聞きたくも無い曲だけの演奏中に騒いだからって、何で叱られなきゃいけないの?」

とか、

「要は、演奏が面白くないから、しゃべっちゃたのよ。」

等等。

以上の二つは、この4年間、私の注意に対する「言い訳」として散々聞かされた代表的な意見です。

確かに、ひどい演奏を聴かされるのは苦痛であって、私も、ひどい演奏を聴くときは、じっと我慢しています。

しかし、我々は酷い演奏はしていません。

逆に「ダンサーよりも演奏を見入ってしまいました。」と言うお客さんも多いのです。 

確かに、アラディーン主催の「ベリーダンスと音楽の夜」は、中目黒の楽屋も、横浜のサムズ・アップも、共に、おいしい料理とお酒も飲め、更に、普段一緒にレッスンに通っている人とも楽しく会話でき、先生のパフォーマンスも見れ、

そりゃ、会話も弾むのは当然ですが、

インストの演奏を聞き入っている隣の人のことを想像できれば、インストの演奏中に馬鹿騒ぎなどできるわけが無いのではないでしょうか?

お客さんの中には、習っている先生の絶対的ファンと言うのがいて、その先生以外のダンサーのパフォーマンスは見ないは、演奏は聴かないは、というのが、時々いますが、

こう言った人々が、良く「言い訳」として出してくるのが、先に述べた意見です。

もちろん、その日のコンディションと言うものはあれ、アラディーンの演奏は、世界で通用するレベルです。

「音楽が入っていこない」と言う意見がありますが、初めて聴く音楽と言うのは中々入りづらいもの。

特に、サマーイといった古典音楽に関しては、メロディも複雑で、捕らえ所も無い上、一体何を聴いていいか分からないかも知れません。

ベリーダンスで良く使われる、打ち込みのCDで慣れている人達にとっては、完全に別ジャンルの音楽です。

それを我々がなぜ演奏するかと言えば、ダンサーにもこういった音楽の美しさを知ってほしいからです。

単純に盛り上げたいだけであれば、タラフのトルコ風みたいな、イケイケの曲ばかりを演奏すると言うことで終わりますが、それでは、演奏側の成長も無く、意味がありません。

最近、ベリーダンスの教室で、ダラブッカの演奏を披露することがありますが、ダラブッカすら知らない教室の生徒が多くて驚いています。

それだけ、ベリーダンスを習う人々の裾が広がった訳でしょうが、最近は、インストラクターですら、CDで使われている楽器の音色を指摘できない人が多い。

つまり、あの「ドパッ、ド、ドッパッ」という打ち込みの電子音で構成されたCDしか聞いたことが無い人が、生演奏の音の良さを分かるわけがない。

ちなみに、エジプトでは、もっとマナーの悪い客ばかりがいるため、隣の人との会話の声ができないぐらいの爆音で演奏します(笑)。

私が見に行った場末のベリーダンス・ショーはそんな感じでした。

ともあれ、「金出して見に来てやってるんだから、馬鹿騒ぎして何が悪いの?文句ある?」みたいなマナーの悪いお客は、我々の「ベリーダンスと音楽の夜」のショーには出入り禁止です。

こんなことを、私のブログで何度も書くほど、一部のベリーダンサーのファンの程度が低いと言うことです。

誤解の無いように確認ですが、ほとんどのお客さんは、マナーをしっかり守りながらも、盛り上がるところは盛り上がる素晴らしいお客さんばかりです。

昨日書いたのは、毎回あるダンサーの時に来る、常連のおばさん達や、ある生徒たちのことです。

こういったお客さんは、そのダンサーに対しても迷惑であるばかりか、我々ミュージシャンにも、周りのお客さんにも迷惑です。

このブログを読まれた方は、そこを誤解しないようにしてください。

読んでいるあなたの事を言っているのではありません。

(もちろん、心当たりがあれば、素直に反省してください。)

ともあれ、一般のお客様は、我々のショーを、今まで通り楽しんでください。

今年は、新曲も盛りだくさん、色々と毎回趣向を変えていきます!