ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

トルコ・カーヌーンの再リペア終了~。

2012-05-31 02:49:32 | 音楽
先日のベリーダンスと音楽の夜にお越しくださった皆様、真にありがとうございました!

後記は明日書きます~。

それよりも、兼ねてからカーヌーンのミッチーの家でお蔵入りしていたトルコ・カーヌーンのリペアを、日、月、火、水と、4日間も掛けて行っていました(笑)。

本日、やっと終了。

何故お蔵入りしていたかと言うと、答えは簡単。

部分的な音のビビリがひどくて使い物にならなかったから。

購入したトルコ・カーヌーンは、きっとそんなに高くない代物のようで、以前の日記に書いたように、知り合いのトルコ人から購入した物で、キリムがうず高く積まれた倉庫に、本当にお蔵入りしていました。

実際、調弦して見ると(調弦できるまでに、部品をわざわざトルコから取り寄せたりと、色々なドラマがありましたが、詳細は割愛)、ボディが物凄くひん曲がってしまいました。

つまり、弦の張力にボディが耐えられなくなり、ギターのネックの順反りのようにボディが曲がってしまった訳です。

こうなると、モンダルと言う、音程を変える板に弦が微妙に離れてしまい、弦をはじくと、「ビーン」と弦が唸って、綺麗な音が出ない上、

ひどい場所だと、モンダルが全く弦に触らない始末。

また、ミッチーも、どうリペアして良いかわからず、途方にくれていたようなので、再度私がリペアにチャレンジ。

今回は、モンダルの板の下に 0.5、1、1.5mm の3種類の薄い木の板(東急ハンズの組木細工のコーナーにありました。)をかましてモンダルの高さを調節する作業は勿論の事、

カンナでブリッジを5mm以上削ったり、

更には、場所によって、かなりいい加減なモンダルの位置(つまり、正しい音程が出ない)を変える作業まで行いました。

つまり、元のモンダルを外して、新たに正しい位置に付け直す作業です。

これが神経を使いましたが、なかなか楽しい作業でした。

また、エジプトのカーヌーンを修理した時と同様、モンダル(真鍮製)の表面を、小型ヤスリ、紙ヤスリ、などで綺麗に研磨して、ツルツルに磨る作業など、

本当に時間が掛かりました。

今回の経験から、部品がそろえば、自分でカーヌーンを組み立てられます(笑)。

ともあれ、カーヌーンが高い理由は、つまり人件費の手間が殆どなのでしょうが、やっぱり楽器は高くて良いものを購入すべきですね。

ところで、今回の発見。

カーヌーンのブリッジの下が皮張りなのは、きっと音を共鳴させて音を増幅するのは勿論だと思うのですが、

皮の伸び縮みを利用して、ボディの反りを軽減する機能もあるような気がします。

土曜日にはミッチーに引き渡す予定。アラディーンでお目見えする日も遠くは無いと思います~。

しかし、疲れた!我ながら良くやった自分に褒美を上げたいと思います(笑)

写真:約1cm以上そりあがったボディ。使った彫刻刀ケースがスポッと入ります(笑)。1日、完全に調弦してボディの反りの様子を見ましたが、一応ボディはこれ以上は反らないようです。表面版は杉材のようで音はしっかり鳴ります。

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当日席あり!ベリーダンスと音楽の夜 第七十三夜

2012-05-26 05:20:41 | インポート
Alla120526

さて、今月は、なんだかんだと色々忙しくて、あっという間にアラディーン主宰の月例イベント「ベリーダンスと音楽の夜 第七十三夜」になりました。

お席に余裕がありますので、お時間のある方は是非お越しください!

今回は、久しぶりに新曲です。

エジプトの伝説的なベリーダンサー、ナーイマ・アーキフの主演した映画「Ahbebak Ya Hassan」と言う映画(1958年)で歌われる「Min Hobi feek Ya Gaari - From my love for you, my neighbor」、



と同じくタヒヤ・カリオカが出演した映画(これは情報が少なすぎて題名分からず)で、アジーズ・オスマンがウードを弾きながら歌う「Tahat El Shibak - Under the Window」



の合体した曲(こういう短く編曲しなおした曲の事を「カクテル」と呼ぶようです。)を、春香さんの希望で演奏&歌います。

当然と言えば当然ですが、やはり、ベリーダンスで良く使われる曲は、エジプトの映画産業が盛んだった頃に、ベリーダンサーが出演した映画の中で踊った曲が使われている訳ですね。

私の好きなガミール・ガマルという曲も、ファリーダル・アタラシュがウードを弾きながら、サミア・ガマルが踊っているし、やはり、ダンスように作曲された曲でもある訳ですから、ノリが良いに決まっているのも、頷けます。

しかし、YouTube って、インターネットって凄いな~。

2005年にエジプトにいた頃、ホテルのテレビとかで、ウンム・クルスームのコンサートとか、専門のチャンネルみたいなので良く放送してましたが、今では、YouTube で見る事ができます。

アラブ関係の情報は、日本では、本当に入手が困難ですが、インターネットは、その点でも、本当に便利なツールです。

皆さん、本日も宜しくです!

5月26日(土)
「ベリーダンスと音楽の夜 vol.73」
@中目黒 楽屋
TEL/FAX 03-3714-2607
http://www.rakuya.net
Open/18:00~
Show/19:30~ 2stage
Charge/4,000yen
ご予約はお店に直接お願いいたします。

ベリーダンス /Namiee、Haruka、未佳

松尾賢/ウード
瑞穂/ヴァイオリン
平井ペタシ陽一/ダラブッカ
安藤亮輔/ダブル・ベース
未知子/カヌーン
濱元智行/レク



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私の作曲した「ユーラシア」が、アメリカのベリーダンス教則DVDで使用されました。

2012-05-25 00:51:04 | 音楽
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本日届いた、アメリカで発売されているベリーダンス教則DVD「Silk」

ヴェールの扱い方の教則DVDで、World Dance New York という会社が最近リリースしたもの。

何故、私がこのDVDを持っているかと言うと、このDVDに出演してるYoshina さんがアラディーンの「ユーラシア」でヴェールを使ったパフォーマンスをしている為。

このDVDは、アメリカで発売されているので、日本では、インターネット経由で無いと入手できませんが、

去年の4月に共演していただいたYoshina さんが、アラディーンのCDを気に入って頂いた縁で、今回のDVDで使用される運びになりました。

こうやって、自分の作曲した音楽が、いろんな人の縁を通して、色々な国に旅立って、何かしらの益を、聞く人に与えている、と思うと

やはり、感慨深いですね~。

これからも、更に良い作品をリリースして行きたいと思います。




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Belly's Lana 5th Anniversary (舞監後記)

2012-05-20 23:06:08 | 音楽
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ものすごく久しぶりの日記です。

公私共に忙しく、緊張感のある日々だったのですが、昨日は、ひとつの大きなお仕事を成し遂げた日でした。

去年の12月に、アラディーンの月例イベント「ベリーダンスと音楽の夜」に出演していただき、更に、春香さん主催のハテム・ハムディ公演の際に、舞台監督として関わった、ウクライナ人ベリーダンサーのLana さん。

Lana さん主宰のスクール、Belly's Lana 設立5周年公演に舞台監督として関わらせていただきました。

1月に打ち合わせをして、音響さん(おなじみの楽屋の増茂さん)、照明さん(ソライロヤ、藤岡さん)を、自分が集めて行った今回の公演でしたが、様々勉強になりました。

ソライロヤの藤岡さんは、なんと海老原先生の公演で、長年照明を担当されていると言う事で、今回のスタッフは、皆ベリーダンスと長年関わっているので、いろんな意味でショーを作り易かったです。

特に、今回の公演の第2部は圧巻で、Lana さん創作のベリーダンスは本当に素晴らしかった!

ビゼーのカルメンを下に、スクールのダンサーと、Joe (DESEOS主宰)と共に踊った20分間の超大作群舞は、ドラマチックで、ベリーダンスの良さを生かした素晴らしい作品だったと思います。

是非、他でも再演して欲しいと思いました。

圧巻の第2ステージは、Lana さんの拘りもあり、照明の色とかタイミングとか、けっこう時間を掛けた訳ですが、本番の出来を見て、無い時間を裂いて打ち合わせて良かったと思いました。

御なじみのカメラマンのナムさんのアドバイスも良かったです。

本番1週間前のリハーサルを見た後、藤岡さんと色々話したのですが、やはり照明は凝ったほうが良いと個人的に思います。

第3部のプロのステージもそうですが、ベリーダンスの音楽の事を知らないと、ここが盛り上がる所なので、照明を変えて欲しい!・・・、というような勘所が、どうしてもズレて、なんとなく演者のパフォーマンスの内容と照明がちぐはぐ、又は、単純に明るいだけ、というような舞台が結構あるわけですが、

藤岡さんも、私もベリーダンスと関わってきた経験が豊富な訳で、藤岡さんのチームの照明は、3つのステージ、全て良かったと思います。

ともあれ、発表会というのは、長い時間をかけて練習してきた成果を、観客に発表するのは勿論ですが、パフォーマーの夢を実現する素晴らしい時間でもある訳で、

その裏方役は、以下にスムーズに無事故で最高のステージを共に作るか、という役割は非常に大事であり、その統括役としての舞台監督は責任職であって、気が抜けない訳ですが、

今回も良いお手伝いが出来たと思います。

発表会に出演された皆さん、スタッフの皆さん、川崎アートセンターの皆さん、お疲れ様でした!




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コシャリというアラブ・アンサンブル

2012-05-01 01:53:03 | 音楽
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本日は常味先生のウード・レッスンの日でした。

今回は久しぶりの新曲。これが滅茶苦茶やりがいのある楽しい曲で、改めて自分のテクニック不足を感じました。何事も努力が必要ですね。

そして、その後はアラディーンでカーヌーン奏者として参加してる未知子が、ダラブッカ、レク奏者として参加している「コシャリ」というグループを見に行ってまいりました。

自由が丘の会場に到着して見ると、満員で、みんなアンサンブルに聞き入っていました。

しかも、今回は関西のカーヌーン奏者の音描き屋(ねかきや)しんご君が参加していて、本当に素敵な出音でした。

雰囲気としては学生サロンの集い(笑)のようで、フェイルーズの曲あり、アブドゥル・ハリム・ハーフェイズの曲あり、サマーイあり、で、ヴァイオリンの酒井絵美さんの音は軽快で心地よく、ハリのある表情豊かな良い音でした。

編成は、ウード(佐々木翔太郎)、ヴァイオリン(酒井絵美)、ダラブッカ&レク(未知子)、オーボエ(竹田圭輔)、カーヌーン(音描き屋しんご)の5人。

彼ら彼女たちの演奏を聴いていて、7年前には自分が一番若手だった事を不思議に感じました。

たった7年で、奏者も増え、テクニックも格段と上がっているのに本当に驚きます。

しんご君のカーヌーンは素晴らしかった!流石サーベルの弟子。このまま、どんどん育っていって欲しいと思います。

最後に、飛び入りでイブラヒム・ル・オリヤーンのサマーイ・バヤティに参加しましたが、心地良い音でした。

こうやって若い演奏家がどんどん現れていって欲しいと思う反面、自分も中堅になったもんだと感じた夜でした。

写真:コシャリのメンバーと




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