ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

サマーイ・ラースト(ムハンマド・カサブギ)のレッスンを受けて

2016-12-27 22:32:34 | ベリーダンス

今日は、今年のウード・レッスン納めでした。曲目は、復習みたいな形で、ムハンマド・カサブギ( محمد القصبجي :エジプト・カイロ出身のウード奏者でウンム・クルスームのオーケストラのウード奏者としても有名)のサマーイ・ラーストを、ここ何回かのレッスンで受けている訳ですが、どうしても入り込めず悩んでいました。


この器楽曲、メロディのフレーズがとても細かく書かれていて、ともすると、とても機械的な演奏になる為、何となくやる気が起きなかったのですが、今日、師匠の常味さんから、細かい部分のメロディの解釈について色々と教わっているうちに、「なるほど!」と腑に落ちる事があり、一気にこの曲が面白くなったのでした。


以前から「テクニックがどうのこうのではない」とか「自分もどう弾いているか良く分かっていない」とか質問する度に言われていたので、何となく煙に巻かれた感じでいたのですが、今日のレッスンで、ああ、そういう事なのだ、と分かった次第です。



オリエンタル音楽の楽譜を見ると、本当にメロデイのみが書かれていて、所謂アーティキュレーションが必要最低限のみ示されており、ともすると、とても機械的な演奏になってしまって、何だかな~、みたいな感じに陥ります。以前アラディーンに参加していたクラシック出身の奏者も、「一体、これをどう歌って良いか分からない」と良く言っていました。


やっぱり、オリエンタル音楽には、オリエンタル音楽の語法があり、こう来たら、こう歌う、という暗黙の了解がある訳で、更に、それを演奏技術的に、高度に、どう深めていくか、という過程を教えて貰えた気がしました。


何が言いたいのかというと、聞いている側からすれば、とても速い右手の正確無比な動きを要するフレーズを、いくら細かく分解して研究しても、それには届かないのに、


逆に、そのフレーズを「こう歌って表現する」と決めて、それを現実の音として出す事に力点を置くと、それが出来る。


しかも、自己練では出来なかったのに、師匠の音を聞いて、それを真似ようとレッスンの最中に行ったら、すんなり出来たw


みたいな(笑)。


やはりレッスンというモノはとても大事ですね。


自分の場合、どうしても機械的に分解して理解しようとする傾向が強い訳ですが(勿論、それは自分の長所でもあります。)、やっぱり「真似る=学ぶ」だと改めて思った次第です。


音楽に限らず、全ての芸術は奥が深いですね。


سماعي راست . محمد القصبجي Samâi Rast . Mohamed Kassabgi



ベリーダンスと音楽の夜 第128夜 後記

2016-12-26 00:32:29 | ベリーダンス

クリスマス・イブの日で、しかも連休の真ん中でしたが、「ベリーダンスと音楽の夜 第128夜」大盛況で終える事が出来ました!誠にありがとうございました!

個人的には、2016年の最後を飾るライブという事でしたが、グループとしてのアラディーンの演奏も、とても一体感があって本当に素晴らしいベリーダンス・ショーになりました。

今回は、初共演の、早知さん、Yaliel さん、VIZRYさんと、長年出演して頂いている、Azarah さん、Ayesha さんの5名の素晴らしいダンサーの皆さんに出演して頂きました。

楽曲も、バルカン・ジプシー曲あり、エジプトの歌謡曲あり、ムワッシャハ(9~13世紀にイベリア半島で興隆したアラブ歌謡)あり、アラディーンのオリジナル有り、と盛り沢山、アラディーンらしい曲目でしたし、ダンサーの皆さんのパフォーマンスも、とても素晴らしかったです。

12月は、毎回、私の作曲したクリスマス・ソングを披露するのですが、Azarahさんの素敵なコーラスをつけて貰って、更に魅力が増し、大満足のクリスマス・コンサートになりました。

更に、今回も新曲を披露できて良かったです。ウードが速いフレーズをバリバリと弾く協奏曲「天空の舞」、リハーサルで演奏していたら、Azarahさんがそれで踊ってみたいという事で、踊って頂きました。とても、好評で良かったです。

以前から、ウードという楽器の奏法について色々と考え、この「天空の舞」という曲に、それを盛り込めたかな、と満足しています。

ウードは、マカームという旋律音楽体系の中心楽器として不動の地位を築いて来た分、西洋のクラシック音楽で聞かれるような分散和音とか速いパッセージを弾く様な場合は、少しハンディがあります。

その事はアラブ世界でも分かっていて、それを逆手にとって挑戦するかのように、現代では、逆に西洋音楽的な超絶技巧を要するような音楽を演奏する奏者もいます。

この辺りの事は、ムニール・バシールや、ナセール・シャンマなど、イラク系のウード奏者の楽曲が典型でしょう。

この辺りは長くなるので割愛しますが、ともあれ、自身、10年を越えて研鑽して来た集大成として、また日本人である演奏家として、また14歳からギターを始め、ロックからジャズまで弾いて来た「引き出し」も含めて、そういった事を盛り込んで、新曲をどんどん書いて行こうと思っています。

10年、毎月続けた「ベリーダンスと音楽の夜」ですが、1月から3月は、レコーディングの為にお休みします。

4月から再開しますが、アラディーンの主催する「ベリーダンスと音楽の夜」に出演してみたいダンサーの皆さん、奮ってご応募してください。共に「ベリーダンスと音楽の夜」の歴史を築いていきましょう。

皆さん、今後とも宜しくお願いいたします!

(写真は鑑涼さんより頂きました。)


まだ席に余裕があります!「ベリーダンスと音楽の夜 vol.128」

2016-12-23 04:16:25 | ベリーダンス

毎年、クリスマスかクリスマス・イブに重なる12月の「ベリーダンスと音楽の夜」w。波乱万丈であった2016年を締めくくるアラディーンの主催のベリーダンス・ショーです。

まだお席に余裕がありますので、お時間のある方は、是非ともお越しください。

今回は、初共演となる、Yaliel Yinさん、早知さん、VIZRYさんと、このイベントと共に長年のお付き合いとなっている、Ayeshaさん、Azarahさんの5名の素晴らしいダンサーの皆さんが出演されます。

今回は、久しぶりのルーマニアのジプシー・レパートリーも含めて、エジプトの歌曲は勿論、新曲の「天空の舞」を披露いたします。

皆さん、この機会をお見逃しなく!

12月24日(土)
「ベリーダンスと音楽の夜 vol.128」
@中目黒 楽屋
TEL/FAX 03-3714-2607 
http://rakuya.asia/top.shtml
Open/17:00~ 
Show/18:30~ 2stage
Charge/4,000yen
ご予約はお店に直接お願いいたします。

ベリーダンス /Azarah、Ayesha、Yaliel Yin、VIZRY、早知

松尾賢/ウード
平井ペタシ陽一/ダラブッカ
安藤亮輔/ベース
佐々木絵実/アコーディオン
ハスィン・ジュベリ/ヴァイオリン
濱元智行/レク、ダフ


12・11は Nur vol5 - Esmeralda belly dance school 発表会でした。

2016-12-13 04:58:31 | ベリーダンス

岩手県盛岡市で行われた、Esmeralda belly dance school 発表会 Nur vol5 にペタシ君とのデュオで参加して参りました。Esmeraldaさん、始め、ファラ夫さん、スクールの皆さん、大変お世話になりました!

今回のお話は、本年の2月にEsmeraldaさんの方からのオファーを受けた事から始まり、リハーサルの為に、皆さんが9月に早起きして東京まで来て頂いたり、と長期にわたって準備をして来られた、とても大切なステージでした。

実は、曲目も、ウード1本で弾くには、かなり難易度の高い曲があり、とても演奏しがいのある曲ばかりでした。

生演奏で踊って頂いた、Naima さん、Eriko さん、Naomi さん、Yuna ちゃん、最初は、勝手が分からなかった思いますが、こういう事は、結局場数を踏むしかない訳で、本番は、皆さん、とても良かったと思います。お疲れ様でした!

最後にトリを飾った、Esmeraldaさんは、とても貫禄あるパフォーマンスで、こちらも楽しく演奏出来ました。

土日の二日間、ファラ夫さんには、本当にお世話になりっぱなしでした。ありがとうございました!

演奏も好評だったようで、良かったです!

また、皆さん、よろしくお願いいたします!