ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

ベリーダンスと音楽の夜 第四十五夜 後記

2010-01-31 17:32:02 | 音楽

2010年開幕のアラディーン主催の「ベリーダンスと音楽の夜第四十五夜」も無事に終了でした!

今回もほぼ満席に近く、お越し頂いた皆様、本当にありがとうございました!

今年もしっかりと快進撃をして行きたいと思います。

さて、第一部でのイストルメンタルの静かな曲「En Nahar Al Kharid ~永遠なる大河」では、曲が盛り上がるにつれ、

話し声も、ご丁寧に大きくされている方々がいたので、注意がてら演奏を中断し、演奏をやり直したのですが、

こういったお客さんは、正直言って、本当に来て欲しくありません。

私たち演奏者にも非常に失礼ですが、それ以上に、演奏をしっかり聞きたいお客さんにとっても非常に迷惑です。

後ろ側にいるから聞こえないとでも思っているのかもしれませんが、ステージ側から見ると、とても良く見えます。

しかも、こういったお客さんの類が40代~50代ぐらいの人が多く、この人達にとっては、またとない絶好の親睦を深めるための楽しい時間だと、もちろん、こちらも分かっているのですが、

「ベリーダンスと音楽の夜@中目黒 楽屋」では、会場から、たっぷり一時間半も時間をとって、楽しく、食事と会話をできるようにしている訳です。

それなのに、更にペチャクチャと、話題が尽きないのは分かるのですが、あまりにも周りへの配慮がない。

きっと、居酒屋の延長だとでも思っているのでしょう。

演奏が始まっているにも拘らず話さなければいけないような重要な話では無いと思いますが(笑)。

誤解の無いよう、改めて確認しますが、もちろん、ここで述べているのは、演奏やダンサーのパフォーマンスに感動したことを「ヒソヒソと内輪で話している」人々の事や、

ダンサーが踊っている最中に「キャー!!」とか黄色い声援を上げている事を指しているのでは勿論ありません。

ダンサーが踊っている時は、盛大に盛り上がるべきです。

つまりは、マナーの守れない本当にうるさい人達の事を言っています。

ある時など、インストの曲の演奏が一番盛り上がる時に、目の前の席に座っているにも拘らず「わはははは!」と馬鹿笑いした御婦人方がいて、さすがに私もプチッ切れて、

「演奏中は静かにしてください!!」と怒気を含んで言った事がありますが、

こういった人達を見て「この人達は、テレビを見ている感覚なのだろうな。」なんて冷静に考えたりしました。

仕舞いには、「ケンさんに注意されるからアラディーンのショーには行かない」とか言って、見に来たくないとか言っている人もいると聞きますが、

偉そうに聞こえるかもしれませんが、

我々が厳選し、一生懸命練習した曲の演奏中に、他のお客様に迷惑かけるほどベラベラ馬鹿みたいな大声で話したい人達は、

絶対に来ないでください!!

そういうマナーを守れない観客達が増えたところで、

私が主催するベリーダンスとライブ演奏のショー、つまり世界を繋ぐ文化芸術活動を維持する事をできる訳がありません。

パトロンがついて、一部の人間達に愛好されるサロンのような形式は、後世にまで受け継がれる文化芸術活動にはなりえない。

むしろ、能や歌舞伎、相撲といった、庶民が多数を占める観客が支えた文化芸術活動は、我々の知るとおり、日本を代表する伝統芸能になっている。

ともあれ、ベリーダンスはこの数年で一般人にも知られるようなエンターテイメントになり、大規模なショーも成功するように至った訳ですが、

一時期の馬鹿ロックみたいな、サブ・カルチャー的なノリの馬鹿騒ぎで、一瞬にして消えていくような「流行」で終わらせるのか、

もっとベリーダンサー自身がベリーダンスというものを、どう位置づけてどう発展させるのかを考える時なのではないでしょうか?

それが、中東の正統(オーセンテッィク)と呼ばれるスタイルであろうと、アメリカン・トライバルであろうと、逆に「日本人」ということを踏まえた新たなスタイルを構築しようと、

それは、アーティスト自身が個人的に考えればよいことであり、そこは自由に考えれば良い訳で、

アラディーンも、今年は、今まで通り、中東音楽の名曲レパートリーを更に増やすのは勿論のこと、

日本人としてのオリジナル・スタイルというのも確立していく年にしていきたいと思っています。

最後に、見る側も育たなければならない。

大きなエンターテイメントになった物はすべて、見方があります。

それはパフォーマンス側と、オーディエンス側との瞬間、瞬間の生命の躍動の交流に必要なマナーです。

きっと今年は、今後こういった苦言を書く必要のない、お客さんが増えてくれるものと信じています!!


1月28日のノーベンバー11th ライブ後記

2010-01-30 02:44:00 | 音楽

リハーサルから大変だったのですが、満員御礼&超盛り上がった、スタジオ・ラピス主催のノーベンバー11th でのショーでした。

ダンサーのTOMOKAさん、美温(みはる)さん、Keikoさん、そしてお弟子さんのお二人のパフォーマンスには、それぞれ黄色い声援が飛び交っていました(笑)。

さて、一観客として、それこそ6、7年前は見ていて、「凄いなぁ、この人達。」とため息をついていたミュージシャンである、パーカッショニストの海沼さん、ヴァイオリンの平松加奈さんと共演できて嬉しい限りでしたし、勉強になりました。

ラピス主催の青木香葉さんは、ベリーダンスとライブ演奏のショーを行ってきた草分け的な存在で、海沼さんはその頃からのパートナーであり、

その長年の蓄積を感じました。

今回のショーは、本当に盛りだくさんで、湾岸の音楽である「ハリージー」のレパートリーや、サイーディーのレパートリー、さらに現代的なベリーダンス音楽もあり、

私の方のレパートリーである、ジプシー系の音楽もあり、

演奏も熱演が多くて、きっと、きっと、見た方々は、相当に楽しかったと思います。

平松加奈さんのヴァイオリンの、ジプシーのソロは圧巻でした!!すぐ横で聞いていた私は、完全にノックアウト状態(笑)

海沼さんのダラブッカは勿論の事、パーカッションのセットのあの音は、本当に感動的でした。また、歌も歌われ、「Les Sexy」の時のコーラスは、本番で突然歌われたので、思わずニヤリとしてしまい、

音楽って、いいなぁ、などと一人で感動していました。

出した音が素晴らしくて、思わず共演者を見てしまう。

素晴らしい演奏家というのは、こういった人達のことを言うのだな、と、つくづく感じました。

と、同時に、まだまだ自分の実力不足も感じました。

頑張らねば~!

さて、本日は、アラディーンの2010年、開幕のショーです!

終に45回目です!

一応、満席ですが、ドタキャンは常にありますので、キャンセル待ち、立ち見といわれても、お店に問い合わせてお越しください。

今回は、新曲2曲、ウンム・クルスーム・カクテルの「ファッカローニ」、「サマーイ・バヤティ・イブラヒム・アラリアン」を演奏します!

乞うご期待!

1月30日(土)
「ベリーダンスと音楽の夜 vol.45」
@中目黒 楽屋
TEL/FAX 03-3714-2607
http://<wbr></wbr>www.rak<wbr></wbr>uya.net
Open/18:00~
Show/19:30~ 2stage
Charge/3,500yen

ベリーダンス /Milla、Huleya、Vesma

松尾賢/ウード
テディ熊谷/フルート
瑞穂/ヴァイオリン
佐々木憲/アコーディオン
平井ペタシ陽一/ダラブッカ
安藤亮輔/ダブル・ベース


Oriental Night at AFR - Izumi Oriental Dance Studio presents 後記

2010-01-26 03:23:23 | インポート

最近、忙しすぎて日記がままならない状態ではありますが、

私にとって、2010年開幕第一弾のショー、「Oriental Night as AFR 」満員御礼&大盛況で無事終えました。

皆さん、ありがとうございました!

特に、主催者の Izumi さん、お疲れ様でした!
あの二刀流の剣のパフォーマンスは、世界の誰もやっていない凄い技だと思います。

共演した Peco さんとは、実はWSで何度か会ったことはあったものの、今回が初共演で、ダイナミックなパフォーマンスで感動しました。

Milla とは、12月以来連続、1月も楽屋で共演することもあって、黄色い声援も聞け、さすが魅せるなぁ、等と思っていました。

さて、今回は、Milla さん、Izumi さんの所の生徒さんも出演したわけですが、生徒さんにとっても、良い機会だったと思います。

自分が師事する先生の実際のパフォーマンスを見ることは、自身の芸を磨く上で、最も大事な事ですが、

同じステージで共に出演して、どうパフォーマンスを組み立てるのか、等も、実際の訓練を通してしか学べないこともあり、

さらに、ダンサーがバンドと共にショーを組み立てる際に、CDで踊る場合とどう違うのか、一体どんなところを時間をかけて打ち合わせるべきなのか、等等、

「経験つむことでしか得ることができない知識」を、リハーサルを通して知ることもでき、実際のショーに出てバンドとパフォーマンスを組み、更に、先生から批評も貰えるという訳で、

こういった「育てる」という考えを持った師匠を持つことは素晴らしい事だな、と思った次第でした。

CD等の音源でパフォーマンスを行うことと、実際の演奏でパフォーマンスを行うことは、全く別次元のことです。

オリエンタル音楽を、現地のミュージシャンと同レベルで演奏できるミュージシャンが少ないのは確かですが、

それ以上に、オリエンタル音楽についての知識がないダンサーが、プロも含めて日本にはあまりにも多いのです。

兼ねてからの持論だったのですが、「ダンサーが指揮者となって引っ張る」のが本来の形であり、去年来日した世界的なダラブッカ奏者のスヘイル・カスパーも全く同じ事をいってました。

そういった意味では、海外のダンサーは立派に指揮者になっていました。

日本にもそういったダンサーが多く輩出されるよう祈るばかりです。

ともあれ、Izumi さんに感謝です~。皆さんお疲れ様でした!


遅ればせながら、明けましておめでとうございます!

2010-01-02 09:19:04 | 音楽

2009年最後の「ベリーダンスと音楽の夜 第四十四夜」もほぼ満席で、無事に終えることができ、

新たな決意を持って2010年を迎えることができました!

皆さん、今年もよろしくお願いいたします!

2010年は、オリエンタル音楽のレパートリーを増強してまいりたいと思っています。

特に、アラビア語の歌モノは増やしていきたいですね。

先日、エジプト人の前で演奏する機会があり、やっぱり歌モノを演奏すると喜ばれます。

また、トルコ人の前でも演奏する機会があり、こちらも、やっぱり歌モノを演奏すると喜ばれました。

ともあれ、今年もさらに団結していって、発展していきたいと思います。

やりたいことがいっぱいですが、実現できるよう鋭意努力していきます!

重ね重ね、皆さん、今年もよろしくです!