ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

クウェート大使館で演奏して参りました。

2013-11-29 19:46:21 | 音楽
Ken1129

昨日は、常味さんのピンチヒッターとして、クウェート大使館のレセプションで演奏してきました。

アラブの文化を紹介するという意味で、音楽でおもてなしを、と言う事でウードの演奏依頼があり、常味さんからの紹介で、私に依頼があった訳ですが、

大使館に到着した当初、大使にお会いした際に、「大丈夫かな、彼は?」という不安感が感じられ、少し壁がありましたが、「君は、Farid Al Atrash を知ってるか?」と聞かれたので、勿論ですと答え、Gamil Gamal を弾いた所、そこから一気に和やかな雰囲気になりました。

そこから、大使婦人が、「是非、この国の正装着を着て演奏して貰いたい」と言うことで、こちらも、勿論です、と一言で引き受け、写真の姿と相成りました(笑)。

大使婦人は、まさにファースト・レディーといえる、聡明で、人当たりが良く、更に物凄い美人の方で、才色兼備とは、将にこういう方を指すのだなぁ、と感動しました。

さて、迎えられた方々は、皆日本人の奥様方ばかりで、最初、私がアラブ人だと思っていたようで(笑)、大使が、クウェート国に関する説明をされた後、

「皆さんに紹介したいのですが、ウードを弾いている彼は、実は日本人です(笑)。彼は、アラブの音楽を上手に弾きますが、彼を見ても分かるように、世界は小さい事が分かります(笑)」と、紹介して頂きました(笑)。

クウェート国は、2年前の東日本大震災の時に、500万バレルの原油(約400億円相当)を無償供与してくれた大恩のある国で、他にも様々な援助をして下さっています。(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/kuwait/data.html#06

自分が、アラブ音楽を、こういう場で演奏すると言う事が、日本とクウェート国との二国間の関係に影響を与えると思うと、ちょっと緊張しましたが、ともあれ、皆さんに喜んで頂いたようです。

訪れていた奥様方は、皆さん、様々な国に行ったことがある方々ばかりのようで、様々質問攻めに会いました。

特に音楽の質問が多かったのですが、レセプション用に、明るめの曲を弾いてばかりいたので、「悲しい雰囲気の曲は無いの?」と聞かれた為、リクエストに応えてランマバダを歌った所、

「あら、お歌も歌われるの?」と驚かれたので、勿論ですよ、と応えた後、調子に乗ってユスキュダラを弾き語りした所、「ちょっと、この曲は、松尾君が(名前を覚えて頂きましたw)生まれる前に大ヒットした曲なのよ。皆さんの前でもう一度演奏して下さらない?」

と言うことで、ユスキュダラを歌った所、かなり喜んで頂き(笑)、もう1曲と言うことで、大使が喜んだGamil Gamal を歌ったところ、大使婦人がコーラスを歌ってくださって、盛会のトリとなり、

無事に大役を果たすことが出来ました。

こうやって、お互いに国の人々が知っている曲を演奏する事で、人々の結びつきが強くなる事を目の当たりにすると、音楽の力、文化の力を感じます。

日本では数少ない中東音楽の演奏家として、もっと頑張らねば、と新たに感じた一日でした。




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ウードの改造(ピック・アップ・マイク内蔵に)

2013-11-27 18:31:30 | 音楽
Oud1311

遂に、メインのウードを、内蔵マイク仕様にしました!

先日のアルテミスのショーの時に自分の取り扱いの悪さで遂に断線させてしまった、マッキンタイアのクラシック・ギター用ピックアップのCF-70を再購入して、今度こそ、パーマネントに使用するべく、ボディ内部に装着。

元々は、このピックアップは、ボディ内部のブリッジ(弦を結びつけて置く所)に、装着するように開発されているので、今までのように外側に貼って使っていた事自体が、イレギュラーだった訳ですが、

ボディに穴を空けるのに抵抗があったので「外貼り」にしていた訳です。

が、先週の師匠とのコンサートに臨んだ時に、表面板を削って以来、改造熱が宿った用で(笑)、

本日、電気ドリルでボディに穴を空けて装着致しました(笑)

とはいえ、やはりウードのボディは組み木で出来ているので、かなり恐る恐るやりました。

真似する方がいるかもしれないのでアドバイスを。

電気ドリルは、回転方向を、リバースにして、ゆっくり、徐々に行う事。

さもないと、亀裂が入って、取り返しがつかなくなりますから(泣)

ともあれ、内蔵型にしたのでサウンド・ホール内の音も拾うので、よりウードらしい音を再現できて満足です。




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ウード・デュオ・コンサート 後記

2013-11-22 18:11:53 | 音楽
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11月20日(水)は、師匠の常味さんとのデュオでした。

お越しくださいました皆様、真にありがとうございました!

実は、少し前から常味さんのソロ・コンサートを見に行く際に、時々デュオ演奏をさせて頂いたのですが、今回は、本格的にデュオ・コンサートという事で臨みました。

会場となる「音や金時」では、常味さんは、常に生音で演奏する事にこだわっていらっしゃいます。つまり、「音や金時」は、生音が大きくなるように天井がカマボコのような形になっていて、自然なエコーと、音量が大きくなるので、アコースティックな演奏にはもってこいな訳です。

とはいえ、私は、通常、アンプを通して演奏しているのですが、私の七コースのウードは、塗装の関係か生音の音量が小さい・・・。

そこで、どうすべきか考えたあげく、お世話になっている下北沢のフォルテ楽器さんに伺い、弦を購入した後、色々と、音の事について根掘り葉掘り聞いた後、

結果、「きっと塗装が厚いから音が小さいんだ」という独断の元、表面坂の塗装をサンドペーパーで削りました。

元々、ウードは、表面版は塗装されていません。トルコの製品を購入した方は分かると思います。常味さんのメインのチュニジア製のウードも表面板は生木のままです。私がエジプトで購入したウードは、セラックで仕上げてあります。

が、今メインで使っている七コースのエジプト製のウードは、ポリウレタン系の塗装になっており、ウードのような、弦のテンションが緩い楽器だと、十分に鳴らしきれない感じがずっとしていました。

ですので、遂に、というか、この機会に、と言う感じで、表面版の塗装をかなり落とした所、音が格段に良くなり、音量も稼げるようになりました!!

以上のような涙ぐましい(笑)努力をして臨んだデュオ・コンサートでした。

まぁ、聞かれた方は分かると思いますが、師匠の音は素晴らしく、自分は、まだ演奏家としては未熟だと実感した次第でした。

常味さんと一緒に演奏する時、決まって想像するのが、剣道の打ち合い稽古で、ビシバシ叩かれ「参りました!」と、思ってしまう訳です。

とはいえ、8年師事してきた努力の成果は出ていたと思いますが、まだまだ、努力が足りません。

次回は未定ですが、また、お願いして臨みたいと思います。

演奏曲目:
1部
Bint El Balad(デュオ)
Al-Medina Al-Munawwara(常味さんソロ)
Samaai Huseini(ケン ソロ)
Samaai Farahfaze Jamil Bek Tambuli(デュオ)
El Hob El Awaal(デュオ)

2部:
Balad El Mahbuub(デュオ)
Samaai Huzam Muhanmad Abdel Wahhaab(ケン ソロ)
Kull Da Kan Leh(常味さんソロ)
Samaai Bayati Ibrahim El Oriyaan(デュオ)
Aziza(デュオ)
Longa Farhfaza Riyad Sombati(デュオ)




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ベリーダンスと音楽の夜@横浜 第二十四夜 後記

2013-11-21 15:53:32 | 音楽
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11月16日(土)は「ベリーダンスと音楽の夜@横浜 第二十四夜」でした。

11月は、アラディーンの結成月であり、8周年を迎えました!また、Huleya Hiromi さん主宰のBorboleta の設立4周年と言うことで、お互いに盛大なショーを開催する事ができました。満員、御礼、お越しいただいた皆様、真にありがとうございました!

前回、参加できなかったJun さんも参加でき、今回は8人揃ってのショーでした。

さて、去年よりボルボレッタと共同開催している訳ですが、こうやって、また1年、節目を刻んでいる事は、当たり前のようで、本当は凄い事なんだと、演奏していて思いました。

今回出演したダンサーのAkane さん以外の皆さんは、私がアラディーンで活動し始めた頃からの、または以前からの知り合いなので、こうやって、1年と言う節目を通して、お互いに成長している姿を見るというのは、感慨深い物があります。

ともあれ、今回のショーも、見応えたっぷり、曲も、アラディーンの大編成にあった大曲ばかり。演奏している我々も楽しかったです。

特にNoel さんのパフォーマンスは、後ろから見ていても楽しかった。やはり、生演奏でのショーと言うのは、どう作るかと言う事が大事であって、そう意味でも、彼女のパフォーマンスは見応えがありました。

アラディーンの演奏は、CD並みに完成度が高い演奏な訳ですが、生演奏であるからこそ、色々と柔軟に対応出来る訳であって、そこをどうやって組み立てるか、と言うアイデアがあってこその醍醐味がある訳です。(勿論、それに応えられる技量がミュージシャン側に無ければ為らない訳ですが。)

ともあれ、今回も、遣り甲斐のあった楽しいショーでした。

また来年も開催したいと思いますので、皆さん、またよろしくお願い致します。




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Nahar Al Haliib vol.3 - 素敵なアラブ音楽とオリエンタル・ダンスの夜 後記

2013-11-18 02:25:36 | 音楽
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11月9日(土)は、今回で3回目となる「Nahar Al Haliib vol.3 - 素敵なアラブ音楽とオリエンタル・ダンスの夜」でした。バービーマコさん主宰のアルミスタルミスAida さん、Ayano さん、Kanako さん、Risa さんAmal さん、そしてマコさんが、我々の伴奏で踊って頂きました。

今回は、カーヌーンのミッチーが、かなり頑張って、Ya Musaafer Wahedak のカーヌーン・ソロ・ヴァージョンを披露したりと、相当活躍してくれました。

ミッチーがアラディーンに参加して既に3年。私がカーヌーン奏者が現れる事を祈り、カーヌーンを貸し与えてからの来し方を振り返って見て、

良くここまで、こんなに難しい楽器を弾きこなしたなぁ、と演奏しながら思いました。

ともあれ、今回は、最後のフィナーレでSawah 歌った訳ですが、出演した5人のダンサーさんにもコーラス部分を歌って貰いました。

この曲は、やはりコーラス部分を女性が歌うと、より一層良くなる訳で、そういう意味でも、遣り甲斐のあった楽しい夜でした。

皆様、お疲れ様でした!!




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