昨日は、常味さんのピンチヒッターとして、クウェート大使館のレセプションで演奏してきました。
アラブの文化を紹介するという意味で、音楽でおもてなしを、と言う事でウードの演奏依頼があり、常味さんからの紹介で、私に依頼があった訳ですが、
大使館に到着した当初、大使にお会いした際に、「大丈夫かな、彼は?」という不安感が感じられ、少し壁がありましたが、「君は、Farid Al Atrash を知ってるか?」と聞かれたので、勿論ですと答え、Gamil Gamal を弾いた所、そこから一気に和やかな雰囲気になりました。
そこから、大使婦人が、「是非、この国の正装着を着て演奏して貰いたい」と言うことで、こちらも、勿論です、と一言で引き受け、写真の姿と相成りました(笑)。
大使婦人は、まさにファースト・レディーといえる、聡明で、人当たりが良く、更に物凄い美人の方で、才色兼備とは、将にこういう方を指すのだなぁ、と感動しました。
さて、迎えられた方々は、皆日本人の奥様方ばかりで、最初、私がアラブ人だと思っていたようで(笑)、大使が、クウェート国に関する説明をされた後、
「皆さんに紹介したいのですが、ウードを弾いている彼は、実は日本人です(笑)。彼は、アラブの音楽を上手に弾きますが、彼を見ても分かるように、世界は小さい事が分かります(笑)」と、紹介して頂きました(笑)。
クウェート国は、2年前の東日本大震災の時に、500万バレルの原油(約400億円相当)を無償供与してくれた大恩のある国で、他にも様々な援助をして下さっています。(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/kuwait/data.html#06)
自分が、アラブ音楽を、こういう場で演奏すると言う事が、日本とクウェート国との二国間の関係に影響を与えると思うと、ちょっと緊張しましたが、ともあれ、皆さんに喜んで頂いたようです。
訪れていた奥様方は、皆さん、様々な国に行ったことがある方々ばかりのようで、様々質問攻めに会いました。
特に音楽の質問が多かったのですが、レセプション用に、明るめの曲を弾いてばかりいたので、「悲しい雰囲気の曲は無いの?」と聞かれた為、リクエストに応えてランマバダを歌った所、
「あら、お歌も歌われるの?」と驚かれたので、勿論ですよ、と応えた後、調子に乗ってユスキュダラを弾き語りした所、「ちょっと、この曲は、松尾君が(名前を覚えて頂きましたw)生まれる前に大ヒットした曲なのよ。皆さんの前でもう一度演奏して下さらない?」
と言うことで、ユスキュダラを歌った所、かなり喜んで頂き(笑)、もう1曲と言うことで、大使が喜んだGamil Gamal を歌ったところ、大使婦人がコーラスを歌ってくださって、盛会のトリとなり、
無事に大役を果たすことが出来ました。
こうやって、お互いに国の人々が知っている曲を演奏する事で、人々の結びつきが強くなる事を目の当たりにすると、音楽の力、文化の力を感じます。
日本では数少ない中東音楽の演奏家として、もっと頑張らねば、と新たに感じた一日でした。