ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

楽しかった~!「オリエンタル音楽の午後」後記

2012-06-29 07:02:18 | 音楽
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今週の前半は、ほとんど缶詰状態で、8月の大阪のショーの楽譜を用意していたので、中々書けずじまいで、先週のお話になってしまいましたが、

6月24日(日)に高円寺のイラニアン・レストラン、ボルボルで、私と関西で活躍する、ウード奏者の加藤吉樹、カーヌーンの音描き屋しんご、の3名で音楽だけのミニ・コンサートを行いました。

アラディーンでカーヌーン奏者として活躍している未知子も見に来るということを聞きつけたので、急遽、カーヌーン&レクで参加してもらったり、

見に来られていた、ノミヤタカコさんにレクを叩いて貰ったりと、

かなり贅沢な日曜日のお昼だったと思います。

曲目も、全てオリエンタル音楽の名曲ばかり。

私にとっても本当に贅沢で楽しい一時でした。

タクシームも、それぞれの曲も、本当に聴き応えのある内容だったと思います。

カーヌーンのしんご君は、期待以上に素晴らしい演奏家で、カーヌーンを始めてから2年だとは、到底思えない程。彼の横で演奏しながら、彼のカーヌーンの音に聞き惚れていました。

しんご君は、エジプトにて、二人のプロの奏者から学んだそうです。その背景も大事ですが、その学んだ事を活かして,更に研鑽している様子が、まざまざと感じられました。

加藤吉樹君は、4年ぐらい前に、ウードの基礎的な事を教えたことが1度あり、その後、私の師匠の常味先生に入門してから、今では関西では無くてはならないウード奏者として活躍しています。

彼のウードは渋くて、ゆったりした表現が素敵でした。

最近エジプトにて約1ヶ月ぐらい滞在して、大学で教えているエジプト人の先生に学んだそうです。

しんご君も、吉樹君も、それぞれエジプトの空気を吸いながら、困難な事など、いろんな事を経験しながら、更に、それぞれが演奏家として、しっかりとやって行こう、という気概が感じられるので、

本当に演奏が、しっくり行きました。

私がエジプトに行ってウードとダラブッカを学んで、早6年以上が経過しましたが、この間、信じられない位のスピードで日本でのオリエタル音楽が発展していると確信しています。

特に、上手な演奏家が増えました。レク奏者、カーヌーン奏者も本当に増えました。

飛び入りとはいえ、後半は、ほとんど一緒に演奏してた(笑)未知子のように、音大の大学院まで出ている奏者が、カーヌーンを弾くようになったり、

私も含めて、上記の二人も、元々はキーボードや、ギターなど、即興演奏も、しっかり弾きこなせていた奏者が、オリエンタル音楽に参加した訳ですから、演奏のレベルも格段に上がってきていると思います。

とはいえ、フラメンコや、インド音楽に比べれば、まだまだ奏者は少ないわけですから、もっと演奏家が増えて欲しいと思いますし、

また、こういった音楽だけの、気軽に聞けるコンサートも、今年の後半あたりには、随時行って行きたいと思っています。

写真:記念撮影。若手演奏家が一挙に集った所(笑)




ベリーダンスと音楽の夜 第七十四夜 後記

2012-06-25 23:07:54 | 音楽
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大勢のお客様にお越しいただきまして、真にありがとうございました!!!

今回は、最近縁あって良くお会いしているダンスアラベスク主宰のNenuphar さんと、アラベスクのインストラクターのAmirah さん、Khalida さん、Shamin さんにご出演して頂きました。

Nenuphar さんも久しぶりの共演でした。

Nenuphar さんと言えば、私がまだウードやダラブッカを本格的に演奏する以前から、伊藤アツ志さんの主宰していたファラオ・キングスとか、様々なミュージシャンのグループと精力的にショーを作っていらっしゃっていて、

常味さんのFarha の結成にも大きな力になった、ミュージシャンを大切にされているダンサーという印象が強く、

勿論、そういう意味で今回のリハーサルも、生演奏とのショーの作り方に「なるほど」と思えることがたくさんありました。

Nenuphar さんの選曲は、結構渋い曲が多くて、レダ風のムワッシャハあり、ジプシー的なベリーダンスあり、エジプトのオーセンティックなスタイルありと、見ていたお客さんも様々なスタイルのダンスが見れて、すごく楽しかったと思います。

3人のインストラクターの皆さんも、それぞれ曲に合わせてデュオあり、ソロあり、と色々アイデアを盛り込んでいて、こちらも素敵でした。

以前から述べている事ですが、我々は日本人であって、その日本人が中東の音楽やダンスに興味を持ち、それを演じています。

その中東的な伝統の上に、ひとつ我々のアイデンティティというか創作を盛り込むことが、芸術という意味では大事だと思う訳です。

硬く考えれば独善に陥るし、逆に軽んじて考えれば、全く的外れな物に陥る可能性があり、要はバランスが大事な訳ですが、

今宵は、そういう意味で、いろんな物が、沢山、バランス良く披露された楽しい夜でした!

写真:カメラマンのナムさんが私の携帯で撮った記念写真。やはりプロの技です!(ミッチーはトルコのカーヌーンでした!)




当日席あります!「ベリーダンスと音楽の夜 第七十四夜」

2012-06-23 14:54:29 | 音楽
本日ベリーダンスと音楽の夜 第七十四夜です。
当日席ありますので、お時間のある方はぜひお越しください~!

6月23日(土)
「ベリーダンスと音楽の夜 vol.74」
@中目黒 楽屋
TEL/FAX 03-3714-2607
http://www.rakuya.net/
Open/18:00~
Show/19:30~ 2stage
Charge/4,000yen
ご予約はお店に直接お願いいたします。

ベリーダンス /Nenupher、Amirah、Khaleda、Shamim

松尾賢/ウード
瑞穂/ヴァイオリン
平井ペタシ陽一/ダラブッカ
安藤亮輔/ダブル・ベース
未知子/カヌーン
佐々木絵美/アコーディオン
濱元智行/レク

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韓国日記、その2

2012-06-20 04:00:02 | 音楽
金曜日のショーの後、Yildiz さんと、その生徒の皆さん方+沖縄生まれのアメリカ人(日本語が上手!)と一緒に朝まで飲んで、笑って帰宅。

少し寝て、朝ごはん食べて、Farasha さんを迎えに行って、Eshe のスタジオに送って、戻って、またスタジオに戻って、出迎えて、一緒に軽く食事をして、戻って、少し寝て、

土曜日のショーの場所、Hodgepodge(ホッジポッジ) に向かいました。

毎度の事ながら、生演奏の時に、いつも悩まされるのがPAシステム。

昨日の「AAA」では簡易PAシステムがすぐ側にあり、小さい場所だったので、簡単に音を作ることができましたが、Hodgepodge はかなり大きな場所。

Gwangil が先にチェックしに行ってはいましたが、PAに詳しい人が誰も居らず、結局私が出向いて、色々調整。

が、こういうDJしかしない場所で良くあるのが、アースをしっかりやっていない電気配線で、大音量を出すPAシステム。

CDをかけたり、キーボードのような楽器だけだと問題ないのですが、

私のウードに取り付けているピックアップ・マイクは、こういった環境だと、物凄いノイズを拾うので、やはりプリアンプを持って来るべきだったと後悔しましたが、イコライザーのハイを完全にオフにして、なんとかウードらしい音を作ることができました。

今宵は、Eshe の生徒のMarion、Yuni、そして Farasha さんとの共演。

Gwangil も少し余裕を感じる演奏になり、Marion、Yuni、それぞれ初めての生演奏でのパフォーマンスで、楽しんでくれたようでした。

最後は、毎年競演しているFarasha さん。やはり、余裕と言うか、気心が知れていると言うか、こちらも楽しく自由に演奏させてもらい、最後のドラム・ソロもバッチリ決めることができました。

我々の後に、Eshe が登場してパフォーマンスを見せたのですが、その時に演奏したNinano Nanda (??? ??)は、凄く良かったです。

Vocal のJang Goon と、音楽の Shin Hang の二人のユニットで、韓国の伝統的な音楽をエレクトロニック・ミュージックでミックスしながら、即興的に演奏していくという物で、これが素晴らしくエネルギッシュな物でした。

特に、Shin Hang はナイス・ガイで、色々と話をしました。

彼らの音楽を聴いていて、そろそろ、自分も創作に励むべき時期に来たような気がしました。

ともあれ、金曜、土曜と、全てのパフォーマンスも無事に終了し、去年に比べて、自身の大きな成長を感じた夜でした。

日韓デュオの、ダイジェスト・パフォーマンス動画




韓国日記、その1

2012-06-19 02:02:08 | 音楽
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10年来の友人であるカナダ人ベリーダンサーのEshe (エシェ)から招待を受けて韓国に行ってまいりました。

韓国には23年ぶりの訪問でした。23年前は、丁度、全斗煥(チョン・ドファン)政権が倒れ、盧泰愚(ノ・テウ)政権になった時だったので、その前の33年前の訪問の時に比べて、随分開けたもんだ、と思ったのですが、

もちろん、現代のソウルは、物凄く綺麗になっていて(当たり前ですが(笑))、着いたばかりに感じた印象は、なんだか、東京と大した差が無いなぁ、なんて思ってしまいました。

とはいえ、滞在した先は、韓国のミュージック・シーンを牽引する弘大(ホンデ)。芸術大学の弘益(ホンイッ)大学周辺でのショーは、大変刺激になりました。

金曜日のショーの為に、木曜日に着いて、その夜は、ダラブッカを叩いてくれる Gwangil (日本語の発音だとクワンイル) とのリハーサル兼、ダンサーたちとのリハーサルにに当てました。

Gwangil は、初めて伴奏する、エジプシャン・オリエンタルの楽曲の複雑な構成に、かなり戸惑っていましたが、最終的には良い感じになりました。

彼に色々と教えながら、「あぁ、自分も初めてオリエンタルの曲の伴奏を勤めたときは、こんな感じだったなぁ。」とか、思っていました。

さて、金曜日のショーは、「AAA」という、アジアンテイストのレストランのようなバーで、小さなハフラという感じでした。

私のウードと、Gwangilのダラブッカという、韓国初(?)となる、オリエンタル音楽のライブ演奏で踊ったのは、Esheと、生徒さんのColleen、Kala、Hyein の4人。

Coleen、Kala、Hyein の3人は、初のライブ演奏でのパフォーマンスとは思えない程の堂々としたパフォーマンスでした。

勿論、主催のEshe のランマ・バダは、優雅で、こちらも楽しく演奏でき、その後の日韓両名のダラブッカ・ソロでは、長い長い、ドラム・ソロだったにも拘らず、余裕のパフォーマンスでした。

ともあれ、Yildiz さん、Farasha さんもパフォーマンスしていて、なんだか、ショーの間、韓国に居ることを忘れた夜でした(笑)

写真(上):AAA
写真(中):私、Gwangil、Kala
写真(下):リハの前に練り歩いた弘大(ホンデ)