最近、ブログの更新を怠っていました。(Facebook はマメに更新していますが)
やはり良くないので、ブログもしっかり更新していきます。
先日、イランから頼んでいたウードが届きました。遠くイランのクルディスタン州のサナンダジュにある楽器メーカーから。
何故、購入することにしたか?というと、このメーカーが良い、という評判だったのと安かったので、試しにと。
でも、購入するからには、前回のトルコのウード のように特注で7コース・ウード&弦長は61.5cmで、と。
更に問題が起きないように、自分の持っている7コース・ウードの写真を送って、こういう風に、と指示。
で、やって来たのが、6コースのウード
まぁ、今回のは値段が安かったのと、よく見ると、このウードを作った職人は7コースのウードに改造しようと試みるも、途中で自信が無くなったのかのような変更した跡が見られます
とりあえず、自分が改造して出来る事なので、自宅に持って帰って改造しました。
先ずは、6コースから7コースへ。
ブリッジを見ると、7コース目の弦の穴をあけられるスペースがあり
ブリッジの後ろから見ると、どうやら7コースにしようとしてた形跡があります。↓
ただ、この7コースにしようとしていた穴の位置だと、微妙なの感じなので、新たに穴をあける事にしました。ブリッジに印をつけて穴を開けて、弦を通します。勿論、弦の間隔は適切に取ります。
7コース目の位置が決まりました。そうなると、6コース目の弦の位置が微妙なので、新たに6コース目の穴をあけて調整しました。イイ感じ!
今度はヘッド側のナットに溝をつけて7コースに改造します。元はこんな感じ。↓
やっぱり微妙なスペースがあるので、こちらも位置を決めて、ヤスリでナットを慎重に削って溝を掘ります。
綺麗に出来ました!!
そして、ペグ(弦巻き)の位置を変更。このウードの致命的な所は、向かって右側にあるペグの位置。
普通はココにペグを置くべきではないのです!!
普通はココにペグを置くべきではないのです!!
左利き用と間違えたのか?
これだと演奏する時に、ペグが左手に当たって痛い思いをするので、この手前にあるペグを一番後ろに取り付けて解決する事にします。
手元にある道具で新たにペグ穴を掘り、最後にペグ穴用の道具を使って仕上げて、
ペグを取り付けて解決。
更に、ペグの角取りがしてなくて、調弦する度に左指にダメージがくるので、電動ドリルで角取り、仕上げはサンドペーパーで。
と、まぁ、4時間ぐらいかけて改造は終了。最終的に弦も張り替え、演奏出来る所まで仕上げました。
この4代目ウードは、ボディがクルミ材(ウォールナット)で出来ていて、表面板はスプルース材。結構厚く、ボディにも余計な装飾も無い分、音はとても素直なでボディ鳴りもしっかりしているので、育てるという意味では楽しみな楽器です。
以前、購入した3代目のトルコ・ウードは表面板がとても薄く、弦長も長いので普通の調弦だと振動が大きくなりすぎて一部の音のビビりが酷く、結局、イランの古典音楽のA=400Hz で、やっと使える楽器になった経緯があり、
今回の改造で、イラン式、アラブ式のウードだと7コースに改造しても問題は無いのが分かりましたが、
ただ、それにしてもネックが太い
ボディも大きい
またヘッドもゴツくて長いこのヘッドだと、充分に13弦分のペグを装着出来ますね。
(写真:左は3代目のトルコ・ウード、右が今回購入した4代目のイラン・ウード)
と、今回の改造で、更にウードの加工方技術が飛躍的に伸びたので、
来年は、永らく死蔵状態のエジプトで購入したイラク式ウードを7コース化しようと思ってます。